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これは栄養補給…だがニヤけてしまう( -∀-)
これの続きだしますよね?ね?(圧 続き出して欲しいですぅぅぅ… 墺普少ないし、大大大好きなんですよああぁぁぁぁっっ… 普と独帝最推しなんですよっっ… うあああああああぅぅあっ
どうも皆様、サカナです
え、どうしましょ、本当にドイツとオーストリアばっかり書いてました
1話目普墺、2話目独墺帝、3話目墺帝親子、4話目露独帝と独墺帝…
そして今回の5話目で墺普…
そ、そろそろソナチとか書かねば
ナチイタ王とか書かねば
ナチにてとか
…すじくばっかじゃねえか!
結局ドイツ!!
うおーん、このままでは旧国じゃなくてドイツ、オーストリア関連のカプ生産場になってしまう!
でも墺普書いちゃうもんね!!!!!
吸血鬼パロです!!!!
元ネタは前回同様Twitterです!!!!
この世界には面白い生物がいる。
人間のようで全く違う、吸血鬼というものだ。
名前の通り血を吸うことでしか生きられず、パンや野菜を食べることはできない。
かろうじて生肉ならば食べられるという研究結果はあるものの、血を吸うことに特化しているため、噛みきれずに喉を詰まらせることが多いそうだ。
過去の時代には人間や家畜を襲い、エクソシストだなんて吸血鬼退治のための職業すらあった。
もちろん、人工血液パックがあるため、現代でそんなことをする吸血鬼はいない。
稀に古い価値観の者や空腹に苛まれた吸血鬼が人間を襲うことはあるが、そういう時は警察部隊の中のエクソシストたちが解決している。
人間と吸血鬼は、長い時を経て友人となったのだ。
そしてここにも、吸血鬼の友人を持つ人間がいる。
それが私、オーストリア帝国だ。
「こんばんは…いえ、おはようございます、プロイセンさん」
「よう、オーストリア。今朝飯食うとこだから、ちょっと待っててくれ」
そう言って赤い液体が入ったパックを取り出し、ストローを刺して中身を吸い始める。
血液パックにはO型と書かれていて、よく飲んでいることから、彼はO型の血液が好きなのだろう。
「美味しいんですか?」
「ん、美味いぞ。飲む?」
「やめてください。私は人間ですよ」
「あははっ、冗談だっての!しかもこれは俺のだから、誰にもあげないよ」
また人工血液パックの血を吸い始め、私はただそれを眺めた。
牙はあるのに、その牙が誰かを傷つけることはない。
「…本物の人間の血を飲みたいとか、そういうことは思わないんですか?」
「んあ?なんで?」
「いえ、絵本の吸血鬼って人間を襲っていることが多いので…不快に思われたらすみません」
プロイセンは中身がなくなったパックを捨てながら、んーと唸る。
困らせてしまっただろうか。
「…えー、わかんない。そもそも人間の血とか飲んだことねえし…いや、まあ飲んだことはあるけど、数回程度だし…直に吸ったことなんかねえからなぁ」
「興味はありますか?」
「ないな。人工血液の方が楽じゃん。輸血パックは高えし…それにお前、わざわざ井戸から汲んだ水を飲むのか?」
「…納得しました、そういう感覚なんですね」
彼との話は非常に有意義だ。
本を読むだけではわからないことを教えてくれ、私もまた、彼の長い夜の話し相手となれる。
私は知的好奇心を満たし、彼は暇を解消できるのだ。
これ以上ない最高の時間、私は彼と会う日をいつも楽しみにしている。
ただ、生活サイクルが違うために中々会うことはできないが。
「あぁ、そうだ、今度聞きたいと思っていたことがまだあるんです」
「はいはい、この大吸血鬼プロイセン 様になんでも聞きな!」
その月の晩は朝まで続いた。
質問をしたり、雑談をしたり、彼と私の長い夜は明けていく。
あぁ、まだ彼と話していたいのに。
「はぁ…はぁ…」
「だ、大丈夫かオーストリア?俺もう日の出だから寝るけど…お前今から仕事だろ?」
「ご心配、ありがとうございます…非常に眠たいですが、このくらいなら…まだ…」
「連続で俺のとこに来るからそうなるんだろ…人間は夜に寝なきゃいけないんだから、何度も無理矢理起きてたらそうなるに決まってるだろ」
子供を叱るように言われ、また彼と会えない期間ができることに寂しく思う。
「全く…ちゃんと寝てから来いよ?またな、オーストリア」
「はい…また今度会いましょうね、プロイセンさん…」
眠い目を擦り、私は彼の家から帰路を辿った。
帰宅して会社へ向かい、昨夜の彼との会話を思い出しながらキーボードを打つ。
「はぁ…眠い…けれど仕事はしなくては…」
今頃彼は眠っているのだろう。 棺型のベッドで、陽の光を遮断して。
彼ら吸血鬼は陽の光に当たったり、聖水をかけられたり、流水や銀に触れたり。
そういったことでダメージを受け、特に陽の光は彼らを殺傷してしまうほどのものだと聞く。
真偽を確かめに最初に聞いたことがあるが、吸血鬼にも個人差があるのだとか。
彼の場合はまず、火傷をしたようにヒリヒリして、当たり続けると爛れ、最終的には…という具合らしい。
なぜ知っているのかと聞いたところ、家に帰る前に朝を迎え、危うく死にかけたとのこと。
何をやっているのかと呆れたものだが、身近なものでもそこまでダメージを受けてしまうというのは、吸血鬼の力の代償なのだろう。
もっと、吸血鬼のことをもっと知りたい。
浮かぶのは彼のことばかり。
仕事なんて手につかない。
私は知識欲の奴隷であり、彼は知識の宝庫だった。
つまらない仕事をするより、彼と話をしたい。
眠いせいだろうか、おかしなことばかり考えてしまっている。
今日も、彼に会いに行こうか。
インターホンが鳴り響く。
俺の元を尋ねるのはたった1人しかいない。
もう夜か、と蓋を開けて外に出てみれば、月の光が窓から差している。
「あいつ…寝てから来いって言ったのに」
あくびをしながら服を着替え、ドアの前で待っているであろうオーストリアを迎えにいった。
「よお〜、オーストリア。ちゃんと寝たか?絶対寝てないだろお前」
「ええ、おはようございます。どうしても試したいことがありまして、つい来てしまいました」
昨日はあんなに眠そうにして帰って行ったのに、オーストリアはとても元気そうだ。
人間は寝ていないと元気を失うと思ったが、そうでもないのだろうか。
「ふーん…まあいいや、とりあえず入れよ」
「ありがとうございます」
オーストリアを入れて扉の鍵を閉める。
なぜか金属の匂いがしていた、オーストリアからだ。
「オーストリア?お前、なんか持って…」
ザクッ
振り返ると、オーストリアが手首を切っていた。
「…え」
「お食事は、まだでしょう?いかがです?」
「お、おまえ、なにして…」
血のついたナイフを持っている。
おいしそうだ。
良い匂いがする。
彼に手首を差し出すと、瞳孔を丸くしてよそよそしく近寄ってきた。
「う、あ…うぅ…」
「大丈夫、同意の上の吸血なら合法ですよ。 お腹空いてるでしょう?」
「で、でも、おれ…」
理性がまだ食い止めているようだが、彼は垂れた血を目で追っている。
もう一押し。
「一度くらい良いではありませんか。私から吸って良いと言っているのですから、お腹いっぱい飲んでください」
「ぅ、ん…」
プロイセンは小さく頷き、手首から垂れた血を舐めとる。
「〜〜♡♡」
よほど美味しかったようで、プロイセンは傷口から直に吸い始めた。
「ちゅ、ん…ちゅーッ…んん…」
「あはは、下手ですね。初めてなんでしたっけ?ちゃんと吸わないと垂れてしまいますよ」
「ちゅーッ…ぁぐ、んぐ…」
使われたことのない牙を刺そうとしているのか、吸血しながら歯を立てられる。
しかし今まで使われたことがないせいで、顎の力は吸血鬼としてどうか思うほど弱かった。
きっとうさぎの方が噛む力は強いのだろう。 皮膚を貫けず、小さな傷口から吸血することしできない彼はなんと愚かなことか。
「ぺろッ、ちゅーッ…ちゅッ、ん…」
「飲みにくいですか?ちょっと待ってくださいね」
「あ…」
本来、吸血鬼とは人よりも力が強く、一度噛まれたら逃げられないもののはずなのに。
私でも振り解けるくらいの、いわば甘噛みしかできないのだろうか。
吸血鬼としては退化であるのに、私たち人間はそれを進化としている。
物欲しそうな顔をするプロイセンは初めて見た。
刃物でざっくり手首を切り、また差し出す。
私は痛いことが嫌いだが、あまり痛くはなかった。
きっと彼を餌付けできるという高揚感で、痛みが軽減されているのだと思う。
「んッ…ぢゅーッ、ぢゅーーッ…」
口の周りを汚しながら、夢中になって血を吸われる。
普通なら恐怖を感じるものだろうし、痛みだってあるものだろう。
だが、私は高揚感を覚えてしまった。
人間よりも強いはずの吸血鬼がまるで、人間に飼われているようではないか!
彼の胃の容量はそこまで大きくはない。
きっともうそろそろお腹いっぱいになるだろう。
そのはずなのに、彼は吸うことをやめない。
さながら欲張って血を吸い続け、自らを破裂させる蚊のようだ。
「あはははっ!どうですか?プロイセンさん、初めての人間の…私の味は!」
ここで失血死したとしても…私は世界で1番幸せな死を迎えることだろう!