テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
目が覚めるとまだ夜明け前だった
俺の腕の中に居たはずのロウが居ない
起き上がりロウが居た部屋を訪ねる
そこには誰も居ない
彼の服も刀もない
「薄情な奴‥‥」
部屋に戻りベッドを見るが、もう一度眠る気にはならなかった
暗い部屋の中
膝を抱えてソファーに座る
薄情な奴
そう言ったけど本心ではない
アイツは里の家族や仲間を守るために戦っている
そう聞いたから‥‥
それでも最後に一言くらいあっても良いのに
そう思っていると、ちょうど俺の向かいにある3段のチェストの上
何も乗っていなかったはずのチェスト棚の上に何かある
小さな何か‥‥
気になり立ち上がるとチェストに向かう
これは‥‥ピアス?
俺のじゃない‥‥ロウが着けてたものだ!
「こんなとこに落とすわけないし‥‥なんでここにあるんだ?」
ゴールドに輝くピアスを指で摘んでぶら下げる
なんだよアイツ‥‥
こんなもの置いていきやがって
こんなのがお前の代わりになるわけ無いだろ⁈
そう思いながらロウのピアスをギュッと握った
「次あったら覚えておけよ‥‥2度と離さねぇんだからな」
次に会うことなんてあるんだろうか
でも俺は吸血鬼だし、アイツも白狼だ
長く生きていればまたどこかで会えるかも‥‥
ってか、お前がこの場所知ってんだから会いに来いって話しだけど
手にしたピアスをベッドサイドに置いてあるランプの装飾に引っ掛けた
プラプラと揺れるロウのピアス
「お前の代わりなんだから絶対取り返しに来いよ」
そう、これは俺とロウの出会いの物語
数十年と言う月日を超え
またこの地で再び彼と巡り逢う物語
END.
10,906
コメント
3件