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月の光が大地を照らす中、一人の少女・・・否、少年が立っていた。少年の周りには、人であったであろう死骸とその死骸の血が飛び散っていた。よく見れば、少年にも血がついている。・・・そう、もしかしなくてもこの死骸を作ったのは、少年であることが分かる。そして、今から始まる物語はこの少年の運命を語るものである。 この物語を読んでいる皆さん、気長にご覧くださいませ
ある朝、少女のような少年が目を開けて、今日この一日何しようか考えながら歩いていた。その時、少年の目の前で倒れている”動物”がいた。その動物は、自分と同じ”人間”であった。少年は、最初見捨てようと思ったが、少し考えてから助けてみようと思った・・・ただの気まぐれだ。
しかし、少年のこの行動が自分を変えるものだとは、思っても見なかっただろう。
少年は、自分が連れてきた人間を自分の家であるその家に運び、ベッドに連れて行った。人間を寝かせた後、少年は考えた。『もし、この人間が起きた途端襲ってきたら迷わず殺そう』と恐ろしいことを考える。それもそのはず、だって少年は、いろんな人間を殺してきた、殺し屋なのだから・・・まだたったの12歳で…。
次の昼くらいに少年が連れてきた人間が目を覚ました。人間は、あたりを見回してここが何処かの家だと理解した。その直後、少年が入ってきて人間は驚いた。その理由はというと
「女の子?」
と口に出して言った。それを聞いた少年は、人間を殴った。そして静かに
「男だ」
と言った。しかし人間は、殴られた頭をおさえていて、その後のことを聞いていなかった。そして
「酷い!いきなりなにすんだよ!」
と訴えた。少年は
「お前が悪い」
とだけ言った。人間は、自分は、何か悪いことを言っただろうかと???だったが、少し考えてから
「ていうか、あんた誰?」
その言葉に少年はため息をつきそうだったがあえてやめて名乗るかどうかを悩んだが、名乗ることにした。
朔夜「……朔夜」
と聞いた人間は
里桜「へぇ~、俺は里桜ていうんだ!よろしくな!」
と笑顔で言った。そして次のべた言葉はというと
里桜「ここ、誰の家なんだ?」
と聞いてきたので
朔夜「俺の家だ」
と言ったら、驚かれた。別に普通なのに……
里桜「ずいぶんシンプルなんだな」
と里桜が言った。里桜は朔夜のことを女だと思っているので女だと思っているので、女なんだからもっと可愛いのを想像していたのだが、あくまで朔夜は男なのだ、シンプルで間違いはないのだ。
朔夜「……シンプルで悪いか?」
里桜「いや、別に悪くわないけど……」
朔夜「けど?」
里桜「女なんだからもっと可愛いものだと……」
朔夜「ハァ〜。お前俺が言ったの聞いてたか?俺は男だ。」
里桜「…………」
朔夜「…………」
里桜「……ハァァァァァァァァァ!?嘘だろ!?女にしか見えないんだけど!?絶対、女だろ!?」
朔夜「男だ!さっきも言っただろうが!?」
里桜「聞いてなかった(真顔)」
そんな真顔で言われてもと朔夜は思ったがあえて言わないでおこう。
朔夜「ハァ、そんなことより、腹が減っただろう?今から作るんだが、何かリクエストはあるか?」
里桜「はい!おれ、シチューがいい!」
朔夜「ハァ~、分かった。ちょっと待ってろ。」
里桜「おう!」
と元気ないい返事に突っ込みそうになりながらも、よく初めてのやつにそんな笑顔でいられるなと思った………こっそり毒を盛られる可能性を考えていないのだろうか
数時間後
朔夜「ほら、できたぞ」
里桜「おおぉ」
里桜は待っている時間ですごくお腹が空いてしまったようだ、シチューを見た途端目がキラキラと輝いていた。
そして一口食べたと思ったら止まってしまった。
朔夜「どうした?」
里桜「う」
朔夜「う?」
里桜「うまぁぁい!!」
朔夜「うるさっ」
里桜「美味い!こんなうまいシチュー初めて食べた」
とっ言ってガツガツ食べ始めた
朔夜「大袈裟だなお前」
里桜「だってまじでうまいもん!おかわり!」
朔夜「はや!もっとゆっくり食べろ」
里桜「だって美味いのが悪いんだもん」
朔夜「……………おかわり取ってくる」
里桜「ちょ!?そこは反応してよ!!」
・・・数分後
里桜「ぷはぁ~、食った食った」
朔夜「……食いすぎだ」
そう里桜はこの数分でおかわりをなんと10皿もしたのだ。
………流石に食い過ぎだ。
里桜「いいじゃん!美味かったからしょうがない!」
………少し嬉しい
朔夜「……片付けてくる」
里桜「おう!」
・・・更に数分後
朔夜「で?お前はなんであんなところで倒れてたんだ?里桜」
里桜「…それは、恥ずかしながら旅してたら誰かにお金を盗られたあげく腹が減って……」
朔夜「倒れたんだな」
里桜「う!(・_・;)はいorz」
呆れたもっと警戒心が強くなければ旅は上手くいかないだろうに
朔夜「お前馬鹿だな」
里桜「別に、そんなこと言わなくていいじゃんか!」
あっ、拗ねた。まぁそれはいい
朔夜「お前これからどうするんだ」
里桜「それなんだけど朔夜、お前の家にしばらく住まわしてくれ!!」
朔夜「嫌」
里桜「即答!?お願い!何でもするから!」
朔夜「…じゃあ、条件がある」
里桜「条件?」
朔夜「それを守れば住まわしてやる」
里桜「本当か!?」
朔夜「あぁ」
里桜「何々!?その条件って」
朔夜「まず、家のまわりのことをやること、俺のことを調べるようなまねをしないこと以上だ」
里桜「え?それだけ?」
朔夜「あぁ、それだけ」
里桜「よっしゃ!それなら俺でもできる!」
朔夜「なら、ここにいてもいい」
里桜「おう!よろしくな!
料理以外なら!」
朔夜「……お前料理できないのか?」
里桜「あぁ」
朔夜「……なら、それ以外を任せるぞ」
里桜「おう!分かった」
・・・数ヶ月後
里桜はすっかり家の周りのことを完璧にこなしている………料理以外は
朔夜「ほら、できたぞ」
里桜「おぉ!今日は牛丼だぁ!」
朔夜「まったくお前はいつもいつも大げさだな」
里桜「だって朔夜、お前の料理のレパートリーも多いし、何より美味しい!」
朔夜「これくらい普通だろ」
里桜「普通じゃねぇ!俺の料理食べたろ!?」
朔夜「あぁ、あれはまずかった」
そう里桜は一度料理ができないのにここに居させてもらってるお礼にと試しに作ったは良いものの見た目は美味しそうだったが、味が絶望的だった。その絶望的な味に倒れてしまった………ハッキリ言って3日は寝込んだ。
朔夜「……あれは大変だったな」
里桜「言っておくけど、俺はもう料理は作らないからな!」
と宣言する里桜だった。
朔夜「まぁ作らないでもらうほうが助かるな」
里桜「うぅ~」
朔夜「あっ、そうだ。夜”また”俺は出かけるから作り置きしとくな」
里桜「……最近、夜に出かけることが多いな。いつも昼くらいに出かけるのに」
朔夜「………。」
里桜「まぁ、お前のことだし大丈夫だよな?」
朔夜「あぁ、大丈夫だ」
・・・数時間後
朔夜「じゃあそろそろ行ってくる。大人しく寝てろよ」
里桜「あぁ、おやすみ」
朔夜「おやすみ」
そして、里桜が寝たのを見てからでかけたのだか、里桜はまだ寝てはいなかった。朔夜が出かけるのを寝たふりして待って、朔夜のあとをついていこうと思ったのだ。
・・・条件を無視して。
朔夜のあとをついていって約15分、朔夜はただただ暗い道を歩いていた。そしてある家に入っていった、里桜は不思議に思ったが里桜もこっそり入っていった。そして、家の中に入った里桜がそこで見たものはむざんにも切り裂かれた人々とその真ん中に立っていた朔夜だった。
里桜「あっ……………」
思わず声が出てしまった。
その小さな声に気づいた朔夜はこっちに振り向き、静かに
朔夜「誰だ?」
と答えた。里桜は何も答えない、否、答えられない、今の現状を整理しつつもここで答えたらついてきたことがバレてしまうからだ。そんななか朔夜は返事をしない人物にしびれを切らして声のした方へ一気に走ってその人物に馬乗りになり首に血だらけのナイフをあてた。だがその後、驚いた。だってその人物が里桜だったと知った時は、声を荒らげて言ったの
朔夜「なぜここにいる!?確かにお前は寝てたはずだ!」
里桜「………寝たふりをしてたんだ。最近夜に出かけることが多いから、心配になってついてきたんだ」
朔夜「……ならこれを見たからには里桜、お前を殺さないといけない!」
とナイフを振り下ろそうとした寸前
里桜「大丈夫だよ?」ピタッ
ナイフが首が切れるか、切れないかの寸前で止まった。
そしてなおも里桜は続ける
里桜「誰にも言わないし、俺はお前のそばにいる。だから安心して?な?」
その時、里桜の頬に一滴ずつ涙が流れた、だがこれは里桜の涙ではない、そうこの涙は朔夜の目から流れていた。
朔夜は実際、悲しかったのである、誰も自分を見てくれず親も自分をおいて死んでいき、悲しかった。だから、この悲しみから逃れるために殺し屋になったのだ、だけど殺し屋になってから表面の感情はコントロールできるようになったけど、裏……心では悲しみに溢れて泣いていた。それを里桜はこれまで暮らしてきた時間と今のこの瞬間で朔夜の気持ちが分かったのだ。朔夜は気づいていないかもしれないが里桜の首にナイフを当てた時、とても悲しい顔をしていた、だから里桜は気づいたのだ。
そして
里桜「俺はたとえ朔夜が殺し屋でも構わないし、ずっといたいと思う、だから一緒にそばにいさせて?」
朔夜「グズッ、ヒック…本当にいいのか?ヒックッこんな俺でも?」
里桜「あぁ、だから帰ろう?俺たちの家に」
朔夜「………うん」
そして朔夜と里桜はゆっくり歩いて帰った時
朔夜「里桜」
里桜「なんだ?」
朔夜「ありがとうな」
里桜「!!………おう!」
最初は驚いたが後で笑顔で答えた。
そして、その後の二人はというと……
里桜「朔夜!今日も出かけるのか?」
朔夜「あぁ、今日は、早く帰るから安心しろ」
里桜「おう!じゃあ家のこと全部しとくな!!」
とこのように毎日楽しく二人共互いに認め合いながら暮らしました。