厄災に、好かれてるといってもいいくらいに、やって来る。「死神」も「鬼」もいなくなったのに渡辺の周りには厄災が、好んで寄ってくる。
ADに襲われたのは、まだ記憶に新しい。
「次は何⁈」と言いたい。
テレビ局の偉い人というその男は、渡辺を食事に誘う。
「今は撮影中だから、無理です」と断る。が、「でも、撮影休みの日があるよね」と言う。
渡辺ー俺、ドラマ頑張ってんの!
目黒ーうん。
渡辺ーなのに、何で邪魔するの?
目黒ー迷惑しかないね。
渡辺ーホントそれ!
目黒ーいつも来るの?
渡辺ーん。毎回会う。
目黒ー俺、差し入れ持って行こうっと!
目黒が来てくれる。少し心強いのだ。最初は、自分で何とかしようと思っていたが、目黒が来てくれるなら、任せた方がいいのは、分かる。非力だから。力では負けるから。口惜しいけど、それが事実。
目黒が、差し入れ持ってやって来た。その偉い人は、目黒に愛想を振り撒く。目黒を使いたい。ドラマ出てくれないか?誘う誘う。
あげく、渡辺のドラマに、友情出演してくれないか?と言う。
もちろん、断った。
目黒ー俺も、誘われたよ。
渡辺ー俺たちだったら、誰でもいいから出て欲しいみたいだな。
目黒ーあぁいう人は、現場に来られると、困るね。
晩ご飯を食べながらゆっくり話す。
渡辺は、あまり食欲がない。
目黒が膝に乗せて、箸で摘んで渡辺の口に持って行く。
渡辺ーもうお腹いっぱい。
目黒ーまたぁ。食べてないじゃん。
渡辺ー食べた。
目黒ー倒れないでよ?
渡辺ー大丈夫ぅ〜。
目黒ーでも、困ったね。
渡辺ーどうしても、目に入ってくるし。
目黒ー俺にも、翔太くんに、食事行ってくれるよう頼んでくれって。
渡辺ーやだ、やめて。
渡辺が、目黒に抱きつく。優しく背中を撫でてキスをしても、渡辺は、しがみつき離れない。
撮影現場は、狭いところがあり、だが、ADが忙しく動く動線がある。
その偉い人は、ふらっと現れて動線の上に立つ。邪魔にしかならない。
あるADがぶつかった。
「私にぶつかるとは、どういうことだ!」と怒る。
ある女優さんが、そこに立ってるあなたが悪いと言った。
偉い人は、「私に口答えするとは、分かっているのか!」「仕事出来なくさせることも、出来るんだぞ」と言いながら女優さんを叩こうとした。それを、渡辺が庇って叩かれた。
渡辺を叩いてしまって、あたふたし、その場を去った。
女優ー大丈夫?ありがとう。
渡辺ー女性を叩くなんて、ありえない。
女優ーまぁ、男らしいのね。
渡辺ーいや、そんな。
女優ー綺麗なだけじゃないのね。カッコいい。
渡辺ーやめてくださいよ〜。
渡辺の頬が赤くなったので、しばし休憩。
冷たいタオルで冷やしている。
渡辺は、マネージャーに、LINEで今のことを伝える。
マネージャーがやって来て、写真を撮る。
渡辺ーどうすんの?
マネー邪魔にしかならないし、あげくに叩いて撮影が止まって、ここの役員に通報します。
渡辺ーもう来ない?
マネーといいんですが。
渡辺ー厚顔無恥なやつなら、来るね。
マネーよく、そんな言葉知ってますね?
渡辺ー失礼だね〜。それくらい知っとるわ。
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