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: 2次創作
: nmmn
夜。
寮の自室で、俺は机に向かっていた。
教科書を開いてはいるものの、ページは1ミリも進まない。
(うるせぇ……アイツの声が、まだ耳に残ってやがる……)
――もっと見せてや。お前の、ホンマの顔。
(ふざけんな……誰にも見せるわけねぇだろクソ白井……)
握ったペンが軋む。震える手を握り直しても、心の中のざわつきは消えない。
「っ゛、くそ……」
どれだけ努力しても、どれだけ完璧を演じても。
あの男の前では、まるで裸にされるような気がして、苦しかった。
ガチャ。
その時、ノックもなく、カチャリとドアが開いた。
「……なっ、なんでお前っ゛……!!」
「うわ、意外と部屋汚いんやねニキ」
当然のように部屋に入ってきたのは、クソ白井ことボビー。
制服のまま、手にはコンビニの袋。
「勝手に入んな…っ゛、不法侵入だぞ……」
「鍵開けっぱなしにしとったくせによう言うわ。そんなん入ってください言うとるもんやろ?」
「そこは常識でどうにかしろバカ」
と、俺が悪態を吐くの構わず、ソイツは俺のベットに無造作に寝転がる。
「……男の布団とか、普通にキモいだろ。お前どういう神経してるわけ?」
「これはニキのやもん。俺、ニキの私物なら喜んで掻っ攫って行くからな」
「この最低最悪クズ野郎が」
「せやで?最低で変態で、意地悪で、お前のことを死ぬほど愛しとる」
わざと軽い調子の関西弁。だけどその奥にあるドス黒く濁った感情が、俺の胸を抉る。
「……なんでだよ」
「ん?」
「なんで、俺なんだよ……お前みたいなヤツが、俺みたいなヤツ……」
感情が、こぼれた。
プライドの蓋が、少しだけ緩んだ。
ソイツは、少しだけ表情を和らげて言った。
「……それはな、ニキ。お前が、壊れそうで壊れへん、ギリギリのとこで踏ん張ってるからや。ほんで俺は……そのギリギリが、死ぬほど好きなんや。お前が苦しんで足掻いて泣いて……それでも死なない、死ねないその姿が」
「悪趣味なっ゛……」
「せやな。でもな、今日のお前は、ちょっとだけ、壊れかけてて……めっちゃ、ええ顔しとるわ」
ソイツはそう笑って、それで。
俺は、ソイツに腕を引かれて。
ベットに、押し倒された。
「は……゛」
「っ゛……ほんっま堪らんわその顔……❤︎゛その真面目そうな顔が崩れて困っとる顔……マジで唆る」
「意味わかんねぇっ゛……離せよクソッッ゛!!死ね、死ねこのクソ野郎ッッ゛!!゛」
俺は必死に手足を動かし、ソイツの隙を見つけようとした。
頭の片隅によぎる嫌な予感が現実にならないように、ただただ必死に。
しかし、そんな俺とは対照的に、ソイツは微動だにせず、ただ俺だけを真っ直ぐ見つめている。
そしてそっと、歪な笑みを浮かべた。
「……なぁ、お前、ほんまはわかっとるんやろ?」
「なっ゛…にがっ゛……??」
"これからスること"❤︎
「っ゛ひっ゛……」
「……夜、楽しもうな」
そこで、意識が途切れた。
ニキさんがこの前「ニットセッター」って言ってるの可愛かったな。