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あぁ、命とは儚いモノだな。

こんなにも呆気なく死ぬだなんて。


煤けた広場に2人なんて、随分とロマンチックじゃないか。


相手がソビエトじゃなかったらな話だが。


「ふん、お前も落ちたな。」

「…お前だけには言われたくねぇ。」

「…チッ…クソが…」


何とかこいつの片目をウジだらけにしてやったが… 今度は俺がそうなる番みたいだ。







こんな死に際でも愛おしい者は変わらないんだな。



あいつの…日帝の事を、考えてしまう。



いつもなら、負傷した俺を一番に見つけて治療してくれる。


地下にある医務室。

染みる消毒液の匂い。

悲しそうな日帝の顔。


その顔が好きで、わざと治療をしなかったことも多い。


凛とするあいつの顔を、歪ませてやりたかった。


それを、俺だけのものにしたかった。



今思えば、笑顔にさせてやったことは少なかったな。


こんなクソッタレな戦争が続くなら、終わりがこんな悪夢なら、もっと…もっと、あいつに向き合ってやったら良かった。



今からでも手を握ってやりたい。


頭を撫でてやりたい。


抱きしめてやりたい。



あいつの喜ぶ顔を見たい。



結局、着物着てやれてないな。


刀だって振ってみたかった。




あぁ、俺、何事にも中途半端だな。




「……もうすぐ、夜明けだ。」

「…言い残す事はそれだけか?」



頭に銃口を突きつけられる。


残して逝ってしまうなぁ、日帝。


お前の迎えには、必ず……






ーーーパァン!!


死体の転がる広場に、乾いた音が鳴り響く。


…そこには、安らかに眠る男がいた。


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コメント

1

ユーザー

儚すぎて泣けてきた(´・ω・`) 好きすぎます!!

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