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お久しぶりです!ゆきです。
あの帰り道。私は拓海になぜ好きになったのかを聞きました。
今回はそこから始まります!
特に言うこと無いですね笑。
それでは始まり!
へいらっしゃい!
🍣第4話🍣
───鮑の気持ち───
「俺が、ゆきを好きな理由は 」
「ゆきが優しくて、可愛い………か…ら。」
「… えっ」
誰がどうみても、今の私は顔が真っ赤だろう。心臓の鼓動がおかしい。
視界が揺れる。
。
。
。
なんだこれ。
今までにないくらい、ドキドキしている。
告白された時よりも、ずっと。
「……だ、大丈夫?」
「えっ大丈夫!!うん!!」
「なんか…顔赤」
「赤くない!赤くないから!」
焦りと動揺を隠すことが出来ない。
突如、拓海から発せられた”可愛い”という言葉に、私の脳が、心臓が追いついていないのだ。
ただ頭がおかしくなりそうで。
「私、可愛くなんかないよ…」
この一言を発するだけで、精一杯だった。
苦しくて苦しくて…。でも、どこか嬉しくて
拓海が、私を更に困惑させる。
「いや、ゆきは可愛いよ。 」
「いやいやいや…。」
ふとした瞬間、私の視界が切り替わった。
さっきまで隣にいたはずの拓海が、いつの間にか私の目の前に立っていて、
私の目をじっと見つめている。
その顔は、部活や勉強で見るようなのとはまた違う、真剣な顔だった。
「否定しないで」
「いっ…や…」
「ゆきは可愛いんだよ。優しいんだよ。」
畳み掛けるように、私に話しかける。
拓海の言葉には、熱が帯びていた。
決して、彼が嘘を話すような人じゃないのは分かってる。
だけど、私なんかにそんなことを言ったところで
「私なんかに…なんて、まさか思ってないよね?」
「っ………」
「 俺は本気で言ってる。ゆきが本気で好きだから。」
……ああ、もうなんなんだ。
身体中の熱が私の中をぐるぐると駆け巡る。
心拍数はうなぎ登りで上がっていく。
心音が大きすぎて、聞こえてくる。
───言いたいことを、伝えなくちゃ…。
「…拓海の気持ちはすごく嬉しい。本当に。……… けれど」
「…けれど?」
「 拓海には、私じゃなくて
───彩花が、お似合いだと… 思うんだ。」
。
。
。
「…どうして?」
「……私なんかより…
仲も良くて
可愛いくて
優しくて
完璧な、彩花の方が
私よりも…
私なんかよりも───
「…ゆき…?」
「あ、あれ…なんで…」
気づけば私の頬には、幾つもの生ぬるい雫がどんどんつたっていた。
「…なんでだろう笑…ぜんぜんっ…悲しくないのにっ…」
この涙は、なんの涙なんだろう。
悲しさではない、涙。
…悔し涙なのか…?
「…この話、またあとで聞いてもいい?」
「う…ん。」
「はい、拭いて。」
そう言って、拓海は私にハンカチを差し出した。
「あっ…ありがとうっ」
私は、なぜか分からないけれど声を出して泣いてしまった。
「っ…」
拭けば拭くほど、涙が溢れ、こぼれ落ちてくる。
「…」
拓海が、心配そうに私を見つめている。
そんな顔も…
本当は、私なんかに向けちゃいけないのに。
「ごめん。泣かせちゃって。」
「いやいや…。なんでかな…はは…っ。 」
「日が暮れちゃうね。早く帰ろう。」
「うん。」
。
。
。
私は布団に篭っていた。
必死に声を押し殺して泣いた。ずっと。
私はどうしてこんなことになったんだろう。
どうして、素直になれないんだ。
拓海…
なんであなたという人は、
どうして拓海という人は、
「私を好きになってしまったの…っ」
枕は、涙で濡れていた。
🍣続く🍣
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