コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
炎会で起こった事件は瞬く間にニュースとなり、SNS上では大きな話題となっていた。テレビや新聞では連日この事件が報道され、ネット上では「奇病狩りの襲撃を退けた少女たち」として私たちのことが拡散されていた。映像や写真が次々と投稿され、真希や桜の勇敢な戦いぶりは多くの人の心を動かした。その影響もあり、私たちは警察から事情聴取を受けることになった。しかし、真希と桜が観客たちを守るために戦ったことが認められ、二人は正式に警察から感謝状を贈られた。それは誇らしくもあり、どこか現実感がないような気もした。
しかし、それ以上に驚くことがあった。炎会での出来事がきっかけとなり、私たちの音楽が日本中に広まったのだ。事件を報道するニュースでは私たちの演奏の映像が流れ、それがSNSでも拡散されると、たちまち話題となった。そして、レコード会社からのオファーが舞い込み、私たちはついにCDデビューを果たした。さらに、音楽配信サービスでも楽曲が配信され、私たちの音楽はどこまでも広がっていった。
雑誌の取材、レコーディング、ライブ活動。信じられないほどの忙しさだったが、それでも音楽を通じて私たちの想いを届けられることが何よりも嬉しかった。
そんなある日のこと。星宮病院に一人の来客があった。
「やぁ、君たちがBrave Memoriesだね?」
突然の訪問に驚きながらも、私は答えた。
「そ、そうですが……あなたは?」
「こちらは僕がお世話になった大学の教授、キャサリン先生だよ。」
ヒロト先生が紹介すると、キャサリンさんは満面の笑みを浮かべ、私たちに飛びついてきた。
「奇病を持ちながらも、差別や偏見に勇敢に立ち向かうなんて、なんて素敵な子供たちなの!」
そう言いながら、私たちの頭をぐしゃぐしゃと撫で回す。私は息が詰まりそうになりながらも、彼女の温かさを感じていた。
「ちょ、ちょっと苦しいです……。」
「本当にこんな小さな体でよく戦いましたね。」
キャサリンさんは私を抱きしめる腕の力を少しだけ緩めると、優しくそう言った。
どうやら彼女はヒロト先生たちの様子を見に来るついでに、私たちにも会いに来てくれたらしい。
「これを機に、日本でも法の整備が進むといいのですが。」
「きっと進みますよ。彼女たちの音楽に心を動かされた人たちはたくさんいますから。」
そう、奇病を持つ人々が生きやすい社会にするためには、法律の整備が何よりも重要だ。人身売買や違法なブリーダーといった闇を、この世界から消し去らなければならない。
「実は僕にも、専門家として国会での議論に参加してほしいという依頼が来ているんだ。この現状を一人でも多くの人に知ってもらえるよう、僕も動くよ。」
「はい、先生。頑張ってください。」
どうやら、政治家たちもこの問題を無視できなくなってきたようだ。少しずつ、でも確実に、世界は動き始めている。
「さて、あなたたちの音楽をこれからも楽しみにしていますよ!Brave Memories!」
「はい!」
私たちはこれからも歌い続ける。この音楽が、誰かの力になれると信じて――。
その後、私たちは学校を卒業し、それぞれの道へと進んだ。医療の道を選ぶ者、新たな夢を追いかける者、それぞれが自分の未来を見据えて歩み始めた。でも、私たちの音楽は決して終わらなかった。どんなに忙しくても、どんなに離れていても、心の中に流れるメロディは変わらない。私たちの音楽は、まだまだ広がり続けていく。
あれから、政治家たちは私たちを守るための法律を急ピッチで整え始めた。奇病を持つ人々の人権を尊重し、彼らが安全に暮らせるようにするための法律だ。一部の貴族たちは激しく反発したが、違法な人身売買に関与していた者たちは次々と摘発され、警察に捕まっていった。今の時点でも彼らは国民から厳しい非難の声を浴びている。これまでのように力で押さえつけることは、もはやできなくなっていた。いつか必ず、彼らも自らの過ちを認める日が来るだろう。そう願いたい。
そんな中、奇病を持つ人たちは私たちのことをこう称えた。「ヒーロー」だと。差別や偏見に負けず、勇敢に戦い、音楽で声を上げ続けた私たちを、彼らはそう呼んでくれた。そして、私たちの音楽に心を動かされた多くの人々が、奇病を持つ人々を守るために立ち上がろうとしていた。世の中が、少しずつ変わろうとしている。音楽の力が、確かに世界を動かしているのだ。
かつて、この街には夜空に散ったヒーローがいた。歴史の中に名を刻みながらも、その姿を失った者たち。私たちも、いつか星空へと消えていくのだろうか。でも、それならば——その日が来るまで、私たちは音を奏で続けよう。遠い星空まで届くように。夜の静寂を破り、希望の光となるように。
この物語は、まだまだ続く。私たちの音楽に感化された人々が、奇病に苦しむ人々を救うために動き始めた。その先に何が待っているのか、それはまだ誰にもわからない。
——その話は、また別の機会に語るとしよう。
「星歌!!」
振り返ると仲間たちが手を振っている。
「さぁ、今日はどんな歌を奏でようか!」