❀キャプション必読❀
❀こちらの作品はnmmnです
nmmnの意味が分からない方はブラウザバックお願い致します
❀stxxxの桃赤です。地雷等ありましたら自衛お願いします
❀とある素敵な方々の名前を借りていますがご本人様とは一切関係ありません
ルールを守って楽しみましょう^^
↓
「この魚、りいぬみたい」
目線の先の、小さなアクアリウムを見つめて彼はそう言った。
そよそよ動く赤い尾びれが上からの証明に照らされて、紫色に見えた。
「…これが?」
槽の隅へ行ってしまった魚から目線をずらして、真剣に俺に似てると言う魚を追う彼を、見た。
「どこが似てるの?」
「…なんか、一生懸命泳いでるとこ」
つい、はぁ?と声に出してしまう。
俺には全く理解できなかったが一生懸命魚を追う彼を見て、お前の方が似てるじゃん。そう言いそうになったのを堪えた。
暫く無言でその魚を見つめていると、隣に泳いできた二周りほど小さな魚と鰭がぶつかった。間抜けな姿に笑うと、彼も楽しそうに微笑んだ。
「あ、莉犬いた!」
「もー、何やってたの?ぼく達先に行っちゃったよ」
遠くから声がして、振り向く。
奥の大きな水槽があるコーナーから走ってきたるぅとくんに、ごめんと笑いかけるとキュッと手を握られる。
そしてそのまま次のコーナーに引っ張られそうになり、俺は咄嗟にさとみくんの手を握った。
「!」
そのままグイグイと奥で待ってたころちゃんの所まで連れてかれて、天井まである大きな槽を4人横並びになって見つめた。
「すごーい、莉犬ほら、あそこ。イワシの大群だ」
「あそこの三匹は親子かなぁ」
楽しそうにあちこちへ目線を動かす彼の横顔が暗くなった照明に飲み込まれそうで、怖くて。
そっ、と。
手を伸ばした時、奥にいた青の彼がるぅとくんをギュッと抱き寄せた。
空を切った手が名残惜しそうに床に向かうのが悔しくて、途中でグッと手のひらを握り締めた。
そうやって一人になった俺の手を、二周りほど大きな手が覆う。
ゆっくり振り向くと、見目良い瞳がこちらを鋭く見つめた。
「…りいぬ、あっち行こう」
先の楽しげな二人を見て、
「……うん、」
と彼の背中を追った。
──
あの後彼と二人を置いて館の中を一周した。突然二人で消えてしまったが、るぅとくんには一応メッセージを送っておいたから大丈夫だ。多分。
「ね、さとみくん次は──」
名前を呼んで、俺の行きたいところを見てほしくて彼の服の裾掴もうとした。
先と同じように、手が淋しげに空を切った。
慌てて振り向くと、彼の姿はない。
「さとみくん…?」
どこを見ても知らない人だらけで、さとみくんの姿はない。
俺はあたりを見渡しながら咄嗟に情けなく震えた手で彼に電話をかけた。
コールの音が響くのが、酷く怖かった。
『──もしもし、』
「!」
求めた声が聞こえて、思わず気が緩む。
「さとちゃん、今どこ?」
「─後ろ、」
バッ、と。振り向いた。
俺の背中の先には携帯を耳に当てたまま、こちらに手を降るさとみ。
そのドッキリ大成功とでも言い出しそうな嬉しそうな顔に安心と苛つきを同時に覚えた。
「〜〜っ、もう、」
ぶつっと電話を切ってやって、彼のところまで走る。
きゅっと控えめに抱き着くとくつくつと優しい笑い声が頭の上から聞こえてきた。
「ごめんごめん、」
「もう、さとみくんの迷子」
「迷子はりーぬだろ、」
急に消えてごめんな、と頭を撫でられる。悔しくって下を向いた時、先程は人の波で分からなかったが彼の左手に大きな袋が握られている。
「…なにこれ」
袋に手を伸ばすと、青い布のようなものが見えた。
「…あぁ、これ?サメのぬいぐるみ。りいぬほしい?」
がさがさと音を立て袋から顔を覗かせたのはつぶらな瞳をしたかわいいサメのぬいぐるみ。
目の前に差し出されるから反射的にその子を抱き締めると、ふわふわで暖かくて、少しだけ彼の匂いがする。
あんまり可愛いものだから、その瞳をよく見つめていると
「いらないか」
と彼が笑った。
「うぅん、いる。もらってもいいの?」
「…ほんと?いいよ、あげる」
途端に嬉しそうな顔をするから、それが可愛くって彼のマスク越しにサメの顔を擦り寄せてみる。
「さとみくんもぎゅってしてみて」
そう言うと、彼はサメを抱き締めたあと、俺のことまで抱き締めてきた。
突然過ぎて苦しくって、足をパタパタとさせたが逃げられない。
長い事抱き締められて、やっと開放されたと思ったら今度は手を繋がれる。
「行こっか。多分、るぅとところんも周り終わったんじゃね」
「──そうだね、行こう」
End
久しぶり🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥
コメント
13件
物語の投稿も少ないしコメントも少なくて寂しい、、
青黄表記忘れてごめんなさい〜、、、😭🙏
ブクマ失礼します!