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黄青
stxxx / nmmnちゅーい / 通報 ❌
初のノベルなので暖かい目で見てください🥲
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沢山の紙や本が散乱している部屋
その殆どが音楽関連で、紙には沢山の没になった歌詞やメロディの案が書かれている。
沢山の本の題名はどれも作曲や作詞と書かれているものが多い。
机の上はカップラーメンの残りやからになったエナドリ。起動したままのパソコン、きっと昨日も遅くまで作業をしていたのだろう。
数年前とは似ても似つかないような部屋の汚さ。正反対の性格のこいつにも僕と共通点があったんだということにびっくり。
「 青ちゃん今僕の部屋汚いって思ったでしょ。 」
「 言っとくけど青ちゃんも人のこと言えませんからね? 」
まあ確かに僕の部屋も中々汚いっちゃ汚い
服もティッシュも結構ちらばってる。
まあ最近は誰かさんが来なくなったから自分でもある程度はしてますよーなんて本人の前で言える訳もなく。
「 で、今日は突然押しかけてきてどうしたんですか。」
「 黄くんと飲みたくってねぇ.. 」
「 はぁ.. 僕すぐ酔っちゃうの知ってるでしょ。勘弁してください 」
「 いやだよぉ、僕だって交通費かかってんだしぃ.. 一緒にのもーよ 」
「 もう… 少しだけ、ですよ。」
こういう時の黄は甘い
嫌そうな顔をしながらもてきぱきと呑みの準備をしてくれた。
もしかして僕と呑むの乗り気だった?笑と揶揄うと、そうかもしれないですねと言われ不覚にもどきっとする。
本当にこいつはどこまで人に思わせぶりをしたら気が済むのだろう。
「 かんぱーいっ!!! 」
「 いただきます 」
黄と二人きりでお酒をのむなんて、いつぶりだろう。それこそ三年前..くらい?
今も昔も酒が弱い黄の変わらない姿が愛おしくて少し嬉しかったりする。
でも青先生って健気に呼んでくれていたあの頃の可愛い黄くんはもう居ないし、
僕のことを普通の人よりも特別に好きでいてくれた黄くんも、もうここにはいない。
そして、僕はそんな思い出の中に取り残されていて大して何も変わっていない
見た目も声も、気持ちも。
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僕は二杯、黄は一杯くらい飲んでふたりとも程よくお酒の酔いが回ってきた頃
気付けば僕達は酔いに任せて沢山のことを話していた。
初めは最近のメンバーの話とかリスナーさんの話とか、お話会であったこととか.. そこから段々思い出話になって、
「 黄くんさあ、昔「 青先生 」って僕のこと呼んでたよねえ〜 また呼んでよ 」
「 嫌ですよ。でも青ちゃんだって昔は僕のこと「 童貞くん 」って呼んでましたよね? 」
僕は口の中に含んでいる酒を吹き出しそうになった。あれは黒歴史だ。
前まで配信外でも下ネタNGで童貞って揶揄っただけで耳が赤くなってた黄だからそんなこと言うとは思わなくて。
「 あ〜、あれは、まあ事実じゃん!笑 」
「 だからって… 」
「 まあ頑張れ〜?笑」
「 ….そういう青ちゃんはいい相手できたんですか、」
「 え、っ 」
まさかこのタイミングでその話をするとは思わなくて思わず手に持っていた空の缶を落としてしまいそうになる。
「 あ、安心してくださいっ.. 僕も、もうそういう気は一切ないので、っ 」
「 ただ、どうなのかなって 」
そういう気は一切ない。なんてきっぱりと言われてしまった。なんだか胸がちくちくする。少し苦しい
ほんの少しでも期待していた自分がいたから、だろうか。らしくないな
「 相手ってゆーか、お前と別れてから数ヶ月は遊びまくってたけど。」
「 そう、なんですか。今は..? 」
「 ..仕事忙しいしそんなことしてる暇ない。お互い様でしょ?それとも何、彼女でもいんの?笑 」
自分から振ったくせに、名残惜しそうな顔をして、もうその気がないくせにまだ僕の心を掴んでいるこいつに少しイラついていた。
僕と黄は3年程前まで 付き合っていた。
僕達のグループが結成してから1番仲良くなったのが黄くんで暇だったから沢山遊びに誘って仲良くなって、そうしている内にいつの間にか僕達は恋に落ちていた。
勿論、こういう活動をしているからリスナーにもメンバーにも内緒で。多分メンバーにはバレていたと思うけど。
僕達は週3くらいの頻度であって、前みたいに遊んだり、デートしたり.. あいつの童貞を奪ったのもぼく。
お互い大好きで、でも初めてのことばかりだったから距離感が掴めていなかったのかもしれない。
案外リスナーにはすぐ勘づかれてしまった
「 黄青 付き合ってる説 」
そんな説が出てしまった。それからすぐだろうか、黄から別れを告げられたのは。
いつものように僕の家に来て、ゲームをしたり作業をしたり、夜を過ごしたり。するはずだった。
だけどその日だけは違って、黄は僕の家にきて玄関にも入らないで「 別れて欲しい。」それだけを僕に言った。
勿論僕は断った。別れるなんて絶対嫌だと言った。だけど
「 このまま付き合っていたらいつかバレてしまうんです。そしたら青ちゃんの大好きな活動もゲーム実況もできなくなるかもしれないんです。」
「 それでも、っ 」
「 ..最初からダメだったんですよ!そもそも僕達はメンバー同士だし、同性だし、本来ならだめだったんです.. 」
「 ..わかった、っ別れ.. よう 」
僕は黄の言うことも一理ある、本来ならこんな関係。なんて思ってしまって了承した。
僕達は最後の好きの言葉も言わずにそのまま別れることになった。
黄は別れを告げた後すぐ帰って行ってしまった。本当は傍にいて欲しかったけどそんなこと今更言える筈がなかった。
僕は黄が帰ったあと声が枯れるまで泣き続けた。自分でもびっくりするほど僕はあいつに惚れていたみたいだ。
それから僕は狂ったように色んなやつと付き合って別れてを繰り返して、
でも仕事が増えてきた今はそんなことしてる場合じゃないしなんの欲も満たされなかったのでやめた。
ただその時期何度も、黄くんと付き合ってるの?と聞いてくるリスナーに少し腹が立ってしまい放送でうっかり「 ホモは嫌い 」と話してしまった。
結果 青はホモ、bl地雷認定されたらしくDMでリスナーから謝罪の文面が大量にきていたのはびびった。
それから僕達の付き合ってる説がほぼ無くなったのは良かったけど。
いざなくなると皆の中だけでも黄と、なんて思ってしまう僕は少しおかしい。
どんなに心の隙間を女の子で埋めても誰も好きになれない。試しに僕はホモなんじゃないかと思い男とも付き合ってみたが全く。
こんなことになるなら付き合ってる説が出た時にいっそのこと付き合ってるよと言ってしまえばよかったくらいに。
それくらいに黄が大好きだった。
「 で、どうなの? 」
僕はさっきの質問を繰り返す
「 ..彼女は、いません。仕事が忙しいのもあって、作る気も 」
「 ずっと? 」
「 まあ。あの後からも特には 」
あの後とは別れたあと、ということだろう。
だが驚いた
こんな顔もスタイルも良くておまけに性格もおしとやかな男。女がほおっておくはずないのに。
それにこいつ自身性欲は強い方だし、どうしてたんだろう。
そんな考えもあったがひとまず僕以外に恋人を作っていないという事実を知って僕は浮かれてしまった。
「 もしかして、僕のことまだ好きだったりする..?笑、だから..?笑笑 」
調子に乗って冗談交じりで彼にそう言うと
黄は少し顔を歪ませた。
「 それ以上言ったら怒りますよ 」
それだけ言って彼は残りのお酒を一気に飲み干す。少し怒っている声。
僕も残りのお酒をぐいっと飲み干して、それ以上は何も話さなかった。
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しばらくふたり静かに座って、水を飲んで酔いが冷めてきた頃。
「 そろそろお開きですかね 」
「 そうだね〜、僕そろそろ帰んないと終電逃すぅっ笑笑 」
「 もう、相変わらずですねぇ、、」
そう言いながら僕の帰る準備を手伝ってくれる黄。さっき凄い失礼なこと言っちゃったのに、優しいなあ、なんてまた思う。
そう思っているともうとっくに荷物がまとまっていた。すごい
「 青ちゃん、今日は楽しかったです。また来てくださいね!あと、夜道も.. 危ない人に着いて行かないように..!!あとあと.. 」
こんな風に僕に注意してくる黄。付き合ってる頃に何回も言い聞かされた。
黄には申し訳ないけれど今その時のことを思い出したら離れられなくなるからさっさと帰らなければならない。
「 だいじょーぶ。そろそろ電車間に合わないから、帰ったら連絡するぅー 」
「 はい、また来てくださいね 」
僕はそのまま帰ろうとした。重い足を無理やり前に動かして黄に変なことを言う前にこの場から去るつもりだった。
それなのに
「 ..っえ 」
腕をぐいっと引っ張られた。
振り向くと綺麗な金色の髪がさらっと揺れてそれに見とれる暇もなく僕はいきなり抱きしめられた。
「 ごめんなさい。青ちゃん、こんなことしてしまう僕を許してください、っ 」
「 僕、青ちゃんが好きですっ.. ずっと好きです。今日ずっと我慢しようと思ってたけど我慢できなくて、離したくなくてっ 」
そう、僕に伝える黄の顔からは涙が流れていて、僕は咄嗟に抱きしめ返してしまう。
黄が僕のことを好き。まだ僕のことを好き。そんな事実が数秒経ってからようやく頭に入ってきて、気が付いたらぽたぽたと涙が溢れていた。
僕はまだ自分の気持ちをきちんと整理出来ていなくてちゃんとした気持ちは言えなかったけれど黄はそれを感じ取ってくれたのか僕達は玄関の前でしばらく抱き合ったまま何も話さなかった。
しばらくして僕はもう一度黄の家に入った。
そして今度はしっかりお互いを見て話すことにした。
黄は僕と別れた後も僕のことがずっと好きで、でも僕には幸せになって欲しかったのと僕に嫌われているのではないかと思っていたらしい。というのも僕が配信でホモ嫌いと言ったのを聞いていたらしく黄のせいでトラウマになったのではないかと勘違いをしていたらしい。僕を傷付けてしまう可能性があるから余計に過去の話をしたがらなかったらしい
でも今日は好きって気持ちが耐えられなくなって、どんどん離れていく僕を見て咄嗟に抱きついてしまったらしい。凄く謝られた。
僕も黄に自分の気持ちを伝えた。不器用だから伝え方は上手くないけれど、本当は別れたくなかった。黄くんと恋人のまま幸せになりたかった。どんな人と付き合っても幸せではなかった。ホモ嫌いは腹が立って言ってしまっただけだ。そう1からきちんと説明した。
また黄くんからごめんね。と言われた
どうして僕に別れを告げたの。好きなのに。と僕が聞くと
「 僕と付き合うことが周囲にバレて、それで青ちゃんが酷い言葉をなげられて傷付いたら、僕.. そんなの耐えられないんです 」
「 それにメンバーにもきちんと言わないといけないし、もしかしたら認めて貰えないかもしれないしっ、」
「 同性だから、結婚もできないし.. 青ちゃんには幸せになって欲しいんですっ、 」
黄は震えながら少しつづ僕に話した。全部僕を思ってのことだった。どこまで優しいやつなんだろう。でもそれと共に僕と一緒で不器用。
だから僕は少し罪悪感もあったが思いっきり黄の頬をビンタしてやった。
「 っへ’ッ、? 」
「 僕は黄くんと幸せになりたいの。お前の幸せを僕に押し付けんな。..どれだけ泣いたと思ってんだよ、」
僕がそう言うと黄は涙目になりながら僕を抱きしめて、ごめんなさい。大好きです。と言ってくれた。
やっぱりこういう所は年下だなあ、とつくづく感じる。
僕も黄の温もりを感じてついつい泣いてしまった。気付かれてないといいな。
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次の日
僕は気付いたらベッドで寝ていた。
きっと黄が運んでくれたのだろう
黄を探そうと思い、起き上がろうとすると突然後ろにぐいっと引っ張られた。
「 っは、っ?!、、」
突然首元にキスをされる。
びっくりして目を見開いていると隣には黄が寝ていて僕の頬に手を添えて僕の目を見つめる。
「 青ちゃん。僕と、もう一度付き合ってくれませんか 」
僕が断る理由なんて、そんなのなかった。
「 っ’ッ、まじ遅すぎだからっ、、/ 」
僕は相変わらず素直になれない口で返事をした。だけど嬉し過ぎて僕は思わず泣いてしまう。それを見た黄は僕の涙を拭き取って、
もう一度、今度はちゃんとした深いキスを。
僕達はそのまま何十分もかけてゆっくり、甘いキスを交わした。
キスってこんなに気持ちよかったんだ。何年もキスの気持ちよさなんて感じてなかった。
前より少し下手になってる黄のキスを感じて本当に僕のことを好きでいてくれたんだなと安心してしまう。
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それから僕達はもう一度付き合うことになった。のはいいんだけど
「 ねぇがちお前きしょい。腰動かねぇんだけど今日実写の企画あんのにさあ 」
「 だから昨日あんなに言ったのに、青ちゃんが激しくとか出してって言うから 」
「 ぁああっっ、、!!!///、行為中のこと言うな、っ恥ずいから!/ 」
「 え〜っでもねぇ、?昨夜の青ちゃんは欲しがり屋さんだったなあ… 笑笑 」
「 ねぇほんとにそういうとこ嫌い。性格悪いまじで 」
「 そんなこと言うなら今からぶち犯しますよ? 」
「 …….すみません 」
毎日性欲の強いお年頃の黄さんの相手をしてるせいか腰が痛くて痛くて。
まぁ、それも幸せなんだけどね
おわり
途中からちょっと没っぽいけど黄青尊いから気に入ってるかも
コメント
6件
最高すぎました、、🥹💛️🩵 いままで見てきた黄青作品の中で1番好きです、ぶくしつです🫶🏻️