10才の翔太でも「今までありがとうございました」と言ったのに、
美奈は「お礼」も「謝罪」なかった。
「アンタたちに優しさがあれば、こんなことに ならなかったのよ!」
美奈は悪態をついて出て行った。
クズは最後までクズだった。
玄関のドアを閉めた沙耶は、友也に抱きついた。
友也はギュッと沙耶を抱きしめる。
(やった! ついに! 小姑(クズ)を追い出した!)
この日をどれだけ待ったか……。
新居に転居した翌日に、友也の父が亡くなった。
葬儀の日に、姑が同居すると言った。
小姑と息子が転がり込んできて、地獄が始まった。
でも地獄は終わった。
今日からマイホーム生活が始まる。
二人きりの生活が始まる。
沙耶と友也は、子供のように階段を駆け上がった。
取り返した寝室でキスをする。
夢のよう?
違う。これが現実(あたりまえ)。
あとはコウノトリを待つばかりだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!