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一次創作短編集

1 - 忘れられない匂い/味

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2026年01月01日

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忘れられない匂い/味



彼氏と別れて1週間が経った。時の流れは残酷なほど早く、気持ちの整理をするひまもなく時間だけが過ぎていく。


家に残る、彼氏の匂い。思い出したくないのに思い出してしまう。そしてそんな匂いに未だ縋っている自分がいる事実に目を背けたくなる。


「俺…まだ好きなんだな、裕真のこと。」


1週間、気づかないふりをして自分の心を誤魔化し、裕真なんてもう好きじゃないと必死に言い聞かせていた。でも無理だった。彼の匂いは、永遠に忘れられないだろう。


ふらふらとおぼつかない足で部屋のクローゼットを開ける。その中には、彼の匂いがついている服が一着、きれいに畳まれた状態で置いてある。


俺はそんな服を手にとり、腕で包み抱える。その姿は、もう戻れないのに戻ろうとする、さぞ滑稽な姿だっただろう。


でもそんなことなんてどうでもいい。ただ、あの楽しかった時間に戻りたいと願ってしまっただけ。


俺の心は、ずっとあの時間から動いていない。


「裕真…。」


 「好きだったよ。」






彼女と別れて1週間が経過した。俺はまだ家に置いてあるペアで買ったマグカップを捨てることができない。


そして彼が、湊が好きだと言ってくれた香水も未だ残っている。


付き合っても同棲をせず、2人の家を行き交いしていたため、俺の家にも湊の匂いが微かに残っている。


ベッドにも、洋服にも。


「はっ…俺から振ったくせに…。」


なぜ俺はあのとき湊を振ってしまったのだろう。今更後悔しても変わることなんて何一つないのに、ただただ後悔が胸を押し付ける。


俺は揺らいでいる心を落ち着かせるため、台所へ行きお揃いで買ったマグカップを手にとる。それも、湊が使っていたものを。


2人でよく一緒に飲んでいたほろ苦いコーヒーをコップに入れ、口にする。


いつもは苦いという味しか感じないのに、今日は心なしか、しょっぱいという味覚も感じる。


視界がどんどん歪んでいく。コップを持つ手が震える。俺はようやく、いや改めて気づいた。


「湊…。」


 「好きだよ。」















皆様、あけましておめでとうございます。

今年もころろんを何卒よろしくお願いします。

今年、私は受験生になるので投稿頻度が今よりも下がると思いますが、ご了承ください。

それではおつころ〜

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