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snowman/妄想/ご本人様とは一切関係ございません
岩本「この子が…?」
親戚「はい。ラウールです。今日からよろしくお願いします」
ラウール「…….」
俺は諸事情によりとある子供を預かる事になった。周りの親戚は誰も引き取ってくれなかったみたいでこの子は産まれてからほとんどの間、家や人間の暖かさを知らずに生きてきたんだって。
岩本「ふぅ…おばさん、帰っちゃったね。これからよろしくね?俺の事は照って呼んでくれればいいから」
ラウール「……….ペコッ」
見た目や年齢などは聞かされてたけど流石にここまで無口だとやりづらいなぁ
岩本「そういえばお昼ご飯、食べた?」
ラウール「….ぐぅー(腹音)」
岩本「いひひ笑それなら一緒に食べよっか。俺作ってくるから待ってて?」
ラウールは食べたと頷こうとしたみたいだけどその前に”ご飯”って言葉聞いてお腹が反応しちゃったみたい笑よかった、ちゃんと人間って感じがする笑
岩本「ラウール〜、パスタ好き?」
キッチンから大きめの声で聞くとコクコクと頷いたからパスタを茹でる。ちゃんと声に出してほしいもんだけどそれはまたいつかでいっか。
ラウールside
人間が嫌い。俺は母親の顔も父親の顔も見れず物心がついた。公園で夜を越す日がほとんどの俺を通りすがりの人はみんな可哀想って目で見てくる。たまに親戚って人からご飯を貰うんだけど俺はそれより暖かそうな建物に入れてほしかった。別に虐待とかされてた訳じゃないんだけど俺とは違う裕福な暮らしをしてるくせに可哀想って最低限のご飯しかくれない人間が憎くてしょうがなかった。
岩本「ラウール〜、パスタ好き?」
そんなこと聞かれても分からない。パスタってオシャレな人が食べてるもので当然俺にはそんな経験が無い。食べれれば何でもいいやって頷くと困り眉で麺を鍋に入れた。この人は俺に何を求めてるんだろう
岩本side
岩本「出来たよ〜」
パスタの中でも1番簡単なカルボナーラを作って机に運ぶ。ラウールは大分痩せこけているから少し多めに3人前作って2つのお皿に取り分けた。食べれなければ俺食べるし。
岩本「はい。じゃあ…いただきます」
俺が手を合わせてもラウールは椅子に座ってじっとしてるだけ。今は別に無口でもいいけど流石に挨拶くらいは…
岩本「ラウール?いただきますしよ?ほら、手合わせて」
ラウール「…いた、、だき…ま..」
岩本「そう!上手ラウール」
俺が教えると素直に手を合わせて言えたから褒めた。声は途切れ途切れでほとんど聞こえないけどこの子にしては凄く頑張った。本当に無口なだけで割と言う事は聞いてくれるみたいで安心。
岩本「….ん!良かった、美味しい」
俺が1口食べるのをボーッと見てるラウール。どうしたんだろうとラウールの手元を見てみるとフォークとスプーンの使い方が分からなさそうにしていた
岩本「分からない事があったら何でも聞いてね〜」
気付かないフリしてチャンスだけあげた。人に聞くことが出来ない大人になって欲しくなかったから
ラウール「………あの、、これ…」
岩本「…..」
フォークとスプーンを指さすラウール。何がどう分からないのか言わなかったけどまぁ、最初はこんなもんでしょ
岩本「スプーンの上で麺を巻くんだよ。そう、フォークで…..上手!出来たじゃん!」
俺が大袈裟に頭を撫でてあげると嬉しそうに笑った。少しだけ、心を開いてくれたかな?初めてにしては上手く巻けた麺を口に入れた。
ラウール「………っ?!ぇ……..」
岩本「どうした?」
これでもかと言う程、目を見開き口に運んだ手は動きを止めた。
ラウール「…….おいしい……これ、、!なんで、、、」
今度は目をキラキラ輝かせながらパスタをかき込む。これ、1番簡単なんだけどなぁ
岩本「そう?良かった笑。慌てないよ?」
軽くむせたラウールの背中を摩ると背骨が浮き出てる事が分かった。今までほとんど食べてなかったんだろうな。大丈夫、俺がいっぱい食べさせてあげるからね。この数十分でここまで想いを高ぶらせたんだからきっとラウールにはものすごい魅力があるんだと思う