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【 注意事項 】・学パロ
・偏頭痛持ちのkyng
・akgが図書委員(サボれそうだからって理由で入ってて欲しいなという願望)
・akgの声が好きなkyngの話
雨がザアザアと音を立てて降る。偏頭痛持ちの小柳にとっては煩い上に酷い頭痛がするものだから非常に憎いものであった。こんな日はどんなことさえも雑音に感じ、全てが頭に響くからいっとう小柳の機嫌が悪くなる。それを知っている小柳の友人は皆落ち着くまでそっとしておいてやる、のだが周りの女子が小柳に絡む為放課後になるまではずっと小柳の機嫌は悪いままだ。
「小柳くーん!! おはよう、今日は遅かったね?」
「ロウくんって雨苦手なんだったっけ? 雷が苦手とか?」
「え〜!! 何それ可愛い〜!!」
ありもしないことを並べてきゃあきゃあと黄色い声をあげる女子に怒りが沸き上がる。そんな小柳を見て哀れみの目を向ける星導と宇佐美。助けてやりたいとは思うが自分たちが行ったところで女子はきっと今よりも騒ぐだろうからそれは避けてやりたい。ウーン…と唸っていると追い打ちをかけるように女子が話しかける
「小柳くんなんか体調悪そうじゃない?」
「え、大丈夫?熱計ってみる??」
「…いらねえ。寝かせて、マジで……」
額を合わせようとする女子を華麗にスルーしては自身で作った腕枕の中へと顔を埋める。なるべく周りの音や声を遮断したくてイヤホンをつけてHRが始まるまで目を閉じた。
なんとか昼休みまで持ち堪えた小柳は今朝よりも酷くなる頭痛に頭を抱えながら思い足取りで図書室へと向かう。きっと保健室はサボりの人間だとか、先生とだべりたい奴だとかで溢れている、気がしたから。図書室には誰もいないでくれ、そう願いながら扉を開ける。
「あれ、ロウきゅん?」
「…あ?」
耳心地がいい、…なんて人生で使う時がくるのだろうか。否、現在進行形できている。普段のきゅんキャンセルを忘れてしまう程に目の前の男、基、赤城ウェンの声が恐ろしい程に周りの雑音を掻き消す程己の頭へと響いた。嫌な方ではなくて、癒されるに近い何かを感じた。
「は〜〜〜…クッソ…」
「あえ!? ちょ、ロウどうしたのさ、きゅんキャンセルもないし… あ!そっか、ロウ偏頭痛持ちだもんね、周りの音嫌になっちゃった?」
「うん゙…」
そう言って駆け寄ってくれる赤城の肩へと頭を預けては「もっと喋って」と我ながらむちゃくちゃなことを強請る。「無茶言うなよぉ〜…」なんて文句を吐きつつも勉強が難しかったこと、小柳に対する心配の言葉、そして最終的には寝かしつけるかのように己の背を叩き「とーんとん、」なんて言い始める。
「ガキ扱いすんな…」
「してないしー! 病人扱いですー!! 昼休み終わるまでもうちょいあるから寝ちゃいな。時間になったら起こしたげるからさ」
「ん…サンキュ……」
「貸し一つだかんね!!」
他愛もない会話をしていれば小柳が眠るのにそう時間はかからなかった。眠る直前、確かに己は赤城を好いているがこれほどまでとなると赤城がいなくては生きていけないのではなんて脳に過る。…好きすぎるのも案外考えものだなと心配を抱えながら眠りについた。