月に届くまで

文化祭前日。

1日かけて校内外の飾り付けや模擬店の設置を行う。

「今更だけど凌さトッピング係もやって会計もやってって大変じゃない？」

材料の不足が出たときのために追加で買い出しに行き、また学校に戻る。

「んーまあなんとかなるよ。トッピング係も私ひとりじゃないし」

「まあどっちかっていうと凌は会計の方が心配かなー」「なんでよ」「計算よ計算」

「いや計算って言っても足し算よ足し算」

「いやーあのテストの点数じゃねえ」

「それは数学ね、算数だからこれは」

ちなみに、暗算は壊滅的にできない。お願いだからみんな1人1個ずつ注文して。

「まあ私には萩原っていう天才がいるんで」

「あ、そういえば今日萩原来るの？」

「来てって言ったんだけどまだ来てないっぽいね」

「なんかあれだね、遅刻に恐れがひとつもないんだね萩原って」

「まあ、無言で途中で帰るくらいだから」

そんな会話をしながら飾り付けの作業に戻った。