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中二の夏頃、転校生が来た。

「初めまして!虹羅彩香です!今日からよろしくお願いします!」

俺は小さく、

「うわ、苦手なタイプだ、」と言った。しかも、俺赤島亮太のクラス。本当に最悪だ。教室に戻った途端、俺の机の横に見たことない机が…絶対に俺の横だ、と思いながらしぶしぶ、席に座った。

ガラガラガラ

「静かに!みんな知ってると思うが、転校生を紹介するぞ〜。転校生の虹羅さんだ。」

「はーい!なんか、時間の都合で名前と趣味しか話せないらしいんですけど、聞きたいことがあったらなんでも聞いてくださーい!あ、えっと、名前は虹羅彩香で、趣味は色見つけです!」

色見つけ?そんなの聞いたことない。やっぱり苦手だ。

「席は…赤島の隣だな。」

「えっと…どこですか?」

俺は手を挙げたが、別にそんな事言わなくてもいいんじゃないか。不自然に空いてる席、どう考えてもここだ。

ほらな、やっぱりここだ。俺はため息をついて、「よろしく、」と言った。彼女は、

「よろしく!彩香ってよんで!ねぇ、休み時間に聞きたいことがあるから、少し待っててくれる?」と言った。俺は面倒臭いし、休み時間は外で運動したかったから、「無理、運動したいし、」と断った。だが、彩香は「じゃあ、行く前に聞くね!パパっと終わらすから!」だと、ふざけるんじゃない。嫌だから、早く出てやろう。

キーンコーンカーンコーン

「よしっ、」と廊下に出た瞬間、服が引っ張られた。最悪だ、あいつしかいない。振り向くとやっぱりあいつがいた。

「ストップ!すぐ終わるって言ったでしょ?」

「えっと、赤島亮太くんだよね?君の色って何色?」「は?」意味がわからない。

「人に目にも見えねぇ色なんかあるわけねぇだろ!」と言って、立ち去ってしまった。後から聞いた話だが、彩香は「みんなの色保管団体」?というものに入っていて、俺に聞いたあとクラスのみんなに聞いていって、昼休みには他の学年やクラスも行くらしい。すごい行動力だな。その時はそれでまとまったんだが、俺が答えないせいで休み時間にずっと構ってくる。

「亮太君の色は何色?早く教えてよ!」とか、

「やっぱりね〜、亮太君は情熱の魂があるから〜……」という熱弁もしてたが、俺は無視無視。どーせ、反応してくれなかったら飽きるだろう。

「おはよ!自分の色思いついた?」

「こんちは!そろそろ思いついた?」

「バイバイー!明日こそ教えてね!」

これの繰り返し。数日経った頃、俺は我慢の限界がきた。

「今日は思いついた?」

「いい加減にしろ!!みんなの色保管団体ってなんだよ!?人に色なんかねぇんだよ!色はオーラとかいうアニメや漫画だけの話だけだ!」と、つい口が滑って言ってしまった。彩香は一瞬暗い顔になったけど、

「色ってすごいんだよ!?絵を描くと赤は夕方を表してくれる。青は空を!それに、緑は目にいいし〜」

と開き直った。

「あぁ、もう!どっか行ってくれ!」

と怒鳴ったら、驚いたが肩を落としてクラスを出ていってしまった。さすがに言いすぎてしまったか。その時はもう放課後だったので、明日謝ることにした。

次の日。

ピピピピピピ.ᐟ

学生の耳障りの音で起きた。

「……。ヤバい、寝坊した!」

親に自分のことは自己管理と言われていたから、文句なんかいえなかった。俺は急いで準備し、家を出た。

キーンコーンカーンコーン

ギリギリセーフ。俺は胸を撫で下ろした。

「今日はギリギリだったね笑」

「うるせぇよ笑」

……。この声、友達じゃない。俺はすぐさま声の主を見た。

「どうしたの?あ、もしかして昨日のこと根に持ってる?だいじょーぶだよ。あれはただ、他のクラスの子との約束の時間になったからクラスを出ていっただけだよ。」と苦笑した。

「じゃあなんであんなに落ち込んで…」

「落ち込んでないない!あれはただ携帯電話で時間を確認してただけだよ。」

そうなのか。俺は何故か緊張していた心音を落ち着かせた。

「そうだ!今日こそ、君の色を教えてもらうからね!休み時間に突撃だ〜!」

「ふふっ、なんだよそれ笑」

「……赤色」

「え?なんて?」

「俺の色は赤色!これでいいだろ?」

「……!うん!ありがとう!やっぱ情熱の色だよね〜!」

あれ、なんだか話しやすい。それに、さっき落ち着かせた心音がまた……

これきっと何かの間違いだ。間違いに決まってる。俺は彩香に…………

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