私はあの時からずっと彼女を見ている
ある日は花冠を見て
「シロツメクサなんて嫌いだ」
そう粒やき静かに雫を零した
またある日は
「シロツメクサなんて!」
そう怒鳴りながら号泣した
しかし彼女はいつも涙を流すとき、シロツメクサを罵倒するとき、シロツメクサの花冠を大切に握りしめている
理解ができない
なんで彼女が泣いてるのかも分からない
私はそれを不思議に見つめる
毎日毎日
「そんなにシロツメクサが嫌いならその花冠をぐちゃぐちゃにしてしまえばいいのに」
私は呟いた
聞こえるはずがないとは知っていたが
呟いた
次の日彼女は泣かなかった
シロツメクサに向けて罵倒もしなかった
その日の彼女はたった一言
「貴方がくれたシロツメクサの花冠なんだよ、これが唯一の形見なんだよ、よつ葉」
そう言いながら私が写った写真を握りしめていた
「それをぐちゃぐちゃにするわけがないじゃない?」
そう言いながら彼女は何時ものように泣いた
あれ?
おかしいな
私も涙が溢れてきた
彼女も自分自身もなんで泣いてるのか理解できた
いや
理解してしまったんだ
ああ、もう彼女を見れない
成仏の時間だ
「幸福が訪れますように」
そう言い残し私は成仏した
最後に彼女がこちらを見て
大嫌いなはずのシロツメクサの花冠を被り
微笑んでいた
シロツメクサの花言葉は
幸福
そして
約束
「「シロツメクサが大好きだ」」
コメント
2件
花言葉を知っている人にはジーンってくる