神主こと、サケル氷の気まぐれ日記。
第一路「雪道」
一月二十六日午後三時くらいの事。
俺はジャンバーを羽織り、近くにある神社へと向かった。外に出ると、まだ冬の寒さが残る風に吹かれた。晴れているけれど、寒いものは寒い。
歩きながら、故郷の風景を眺める。
どこへいっても結局は故郷の自然が一番なのだ。徐々に沈みゆく太陽に照らされながら、美しき故郷の神社へと向かった。
((俺は走るのが好きだ。数ヶ月前、夏の事。
勉学も何となく今まで続けてきたスポーツも上手くいかなくて、精神が病んでいた時。不意に近くの神社まで走った。久しぶりに走ると中々前に足がいかず、重く感じた。体は走るという動きを忘れてしまっていたようだ。途中、疲れて歩き出すと、遠くの車、農作業をしている人が鮮明に見えた。
それからほぼ毎日のように、神社まで走った。風景が一瞬で過ぎ去ってゆく。でも辛くわない。
毎日、同じ所を走っていると、小さな変化に気づく。
名も知らない家の農薬が昨日より少なくなっている。
林檎の手入れが終わっている。
田んぼの稲が実り始めている。
こうやって一人で故郷を観察するのが好きになった。
元々俺は兄貴が走っていたから、流れで俺も走る事にした。でも皆俺より早いし、置いてきぼりにされてしまう。何より俺は嫉妬深い。よくクロカン、、、山道コースで泣きながら走っていたことを思い出す。辛かった、苦しかった。あの頃は人より特別な部分が欲しかったんだろうな。今もそうだけど。そうして走っていく内に気がついた。
「俺には才がない」んだって。
努力もできない、突飛した能力もない。練習も嫌い。だから走り始めて、八年後。
俺は走る事を辞めた。
でも今こうして、一人で走るのは悪くないなって思ってきた。日に照らされた、橋。
全力で走ってその後にある坂も、心臓がバクんバクんいってても楽しく一人で走ってた。
心臓病の疑いがある事が発覚する数週間前の事だった。
それから年に数回やる、検査で引っかかって本格的に調べた。結果は“疑い”だった。病気の名前は忘れたけど、激しい運動すると心臓が止まって最悪死ぬらしい。今やもうスポーツ界から手を引いている俺にとってはどうって事ないし、俺は“まだ疑い”だったから判明しても別に泣きはしなかった 。))
そんな事を思い出していると、あっという間にいつもの神社に着いた。正月から何も変わってないな。ふと足元を見ると、雪の上に足跡がついていた。数日前雪が降ったからこの足跡は今日ついたばかりと断定できた。ちゃんと神道をさけて端で歩き進めた。
鳥居まで来た時に思い出した。お賽銭も何も持ってきていないじゃねぇか。
とりあえず一礼して鳥居を通った。
雪を被った狛犬さん達が出迎え、、、してくれたんかな?迷惑なっとらんかな?と思いつつ境内に入っていく。
心はなんかフワフワしていて、目的も何もハッキリ決まっていなくて、最近深く考えていないから、自分が薄情な奴に思えてきた。本殿につき、一礼した。ある人に思いを乗せて。
今思えば二礼ニ拍手一礼した方が良かったと後悔している。
そして俺は無意識的に、境内の後ろにある林に行ってみたくなった。ほんの興味本位だ。
ここからは鮮明に書きすぎると、住所バレてまいそうでダイジェストでお送りするっちゃ。
雪道を登っていくと、足跡を見つけた。さっきは本当に今日着いたって感じがしたけれど、これは数十日前って感じがした。
奥に進むと、、、いや失礼だから書いたらダメか、、、開けた場所についた。ほぼ初見の暗い山道だったから背筋が凍った。けど辞められない。人より少しだけ変な好奇心を持つ俺はそのまま奥へと進んでいった。風が体に あたる。自然の言う、自然が見てる、全身で自然を感じ、その薄暗い林を進むのは中々に良い経験だったと思う。
途中何となくで持って来たスケッチブックに山道を描いた。自然を描くのが一番難しい。杉の木の輪郭を薄く描き、日に照らされた木目をサラサラと描いてゆく。、、、下手くそ。
上を向いたら薄暗くなり始めていたから帰ることにした。
帰宅。で今に至る。
今日はバレンタインデーですね。俺は友チョコ貰いました。ホワイトデーに返そうと思います。
余談ですが俺の誕生日が2月25日何でいっ祝ってもいいです。
こんなどうでもいい話はさておき、今週投稿間に合いそうにありません。また来週に持ち込みます。 (皆んな俺の性別どっちって思ってんだろ?)
コメント
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日記がもう1つの物語みたいですごい、、嫌、人生という名の物語か、、(?) 勝手に男だと思ってました、、