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21 - 第20話

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2023年08月27日

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「涼太くん、学校やでー!」

「分かってるってば…」

「だって久々やろ?お友達さんも嬉しかろうなぁー」

「…だといいけど…」

「ん?何か言った?」

「ううん、何でもない。」

「涼太くん、これお弁当。」

「わぁ…目黒さんありがとう…!」

「ふふっ、そんな嬉しい?」

「うん!すごい嬉しい…」

「これからは3人の誰かが必ず作ってくれるから。」

「やった…!」

「涼太くん嬉しそー!」

「あ、ラウールさん。うん、すごい嬉しい。」

「僕も作ってあげるからねー!」

「うん、ありがとう。」

「ほら、はやくせんと遅刻するでー」

「うん。…いって、きます。」

「「「行ってらっしゃい!」」」

挨拶をしたら返ってくる、そんな当たり前がすごく嬉しくて。少し緊張しながら学校に向かった。



「よ、涼太。」

「あ、翔太。おはよう。」

「はよ。体調は?」

「良くなったよ。大丈夫。」

「…そ。よかった。」

「…ね、翔太。」

「…ん?」

「あの時はごめんね。」

「…いーよ。俺も言いすぎたし。俺は涼太が元気ならそれでいい。」

「…ありがと。」

「…っ、何か照れんな。」

そう言って顔を少し赤くさせる翔太に笑いかけると、翔太も笑い返してくれた。すると後ろからとんとんと肩を叩かれる。

「…?」

「舘さん!おはよー!」

「あ、みんな。おはよう。」

振り返るといつものみんながいた。

「舘さんの家に行ったんだけどいなかったから。学校行ったんだーって思って嬉しくてみんなでダッシュで来た!ほら、阿部ちゃん死にかけー」

そう言う佐久間の後ろには、息が絶え絶えの阿部がいた。

「…阿部、大丈夫?」

「大丈、夫…!」

「…大丈夫じゃなさそー…」

「阿部がこんな状態で言うのも何なんだけど…昼休み、話があるんだ。」

「おー?何だろ?」

「とりあえず了解。今日はみんなはやめに来るようにしよっか。」

「はーい!」

そんな会話をしているうちにチャイムがなり、それぞれ自分の教室に戻った。俺は昼休みに話す内容を頭で整理しながら授業を受けた。


「…んで、話したいことって?」

「…えっと…」

待ちに待った?昼休み。みんなお弁当を食べ終わったところで翔太が話を切り出す。正直、どうやって話だそうか迷ってたからこれは助かった。

「…えと、朝さ、佐久間が俺が家にいなかったって言ってたじゃん?」

「…?言ったねー?」

「…それって俺が引っ越したからいなかったんだよね。」

「「「「「…え!?」」」」」

「舘さん引っ越したの!?」

「うん。」

「何処に?」

「…えと、その…」

「ゆっくりでいいよ。」

「うん。…その、病院の先生の家に…お世話になることになって…」

「「「「「よかったぁ…!」」」」」

「…え?」

今度はこっちが驚かされる番だった。みんなは嬉しそうな顔をしている。

「…何で、そんな嬉しそうなの?」

「だって舘さんが家で1人じゃなくなったってことでしょ?すごいいい事だよ!」

「今日もお弁当だったもん!いつも購買のパン1個とかだったのに!いつも心配だったんだよ?そんだけで足りるのかなぁって。」

…思っていた以上に心配をかけてしまってたらしい。すると、翔太がはっとした顔で俺の方を向いた。

「そういえば…その、いつもお金を渡してくれてたおばさんは?」

「…あぁ…それはね、」

あの後おばさんに3人と住むって話をしたら、あっさりと了承してくれた。元々あんまり俺のことが好きではないようだったから、親権だけはそのままにしておくらしいが、お金はもう渡さないし、援助もあまりしないらしい。形だけしとくみたいな感じだ。

「…ということになった。」

「…そっか。」

「まぁあの御三方ならよくしてくれるよ。今の舘さん見てたら分かる。」

「…うん。」

「涼太ー、今度遊びに行っていいー!?」

「え?」

「だって、俺もまた目黒さんとかラウールさんと話したいもん!涼太が家ではどんな感じなのか聞きたいしー!」

「それ、俺も気になる。」

「俺もー!ね、舘さんいい?」

「3人がいいよって言ったら何時でもいいよ。」

「やったー!楽しみだねぇ!」

みんなが楽しそうにしているのを見て、自然と笑顔になった。

「あ、チャイムなった。授業遅れるよー」

「やばっ、みんなまた放課後ねー!」

「うん、またね。」

そしてみんなそれぞれの教室に戻った。

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コメント

1

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ゆり組❤️💙 お互い照れてるの可愛い🤭

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