[ 主人公 視点 ]
” 片思い__ ”
” それは ”
” 密やかで秘めなければいけないのに
それでも隠しきれない思いのことである ”
第 1 話
( ミ ー ン ミンミンミン
( カリカリカリ ・・・・・・
『 角 A は角 B に等しく角 C は 108 度に
等しい よって__ 』
『 青木! 』
「 はい 」
( ガタ ッ
『 この問題の答えは? 』
「 角 D は 72 度です 」
〝 答えちゃった ・・・・・・ 〟
『 ・・・・・・ 』
『 答えが分かるからって授業を聞かなくても
良いのか !? 』
『 毎回偶然満点を取れているからといって
お前は! 』
「 毎回満点を取れているなら
偶然じゃないと思いますけど ・・・ 」
( バン
『 また口答えか! 』
『 何でも分かるならお前が教壇に立てば
いいだろう! 』
「 私が教えたら先生の存在価値が
無くなっちゃいますよ ・・・・・・ 」
〝 ? 〟
〈 ハハハハ
〝 やば ・・・・・・ 言い過ぎた ・・・・・・ 〟
『 青木! 』
『 明日親御さんに来てもらうように! 』
( キ ー ンコ ー ン カ ー ンコ ー ン
〝 はぁ ・・・ 〟
「 里奈! 」
「 ま ー たハゲ先怒らせちゃったの? 」
「 里奈のお母さんの呼び出し今月で
もう二回目だよね ? 」
” 里奈の親友 ”
” 坂本真帆 ”
「 なんでこんなことになるんだろう ・・・ 」
「 ちょっとしたことですぐ親を呼び出したり
して ・・・ 」
「 あんた成績は優秀なのに 」
「 それ以外となると本当 ・・・ 」
〝 ? 〟
「 そうだ里奈 」
「 ちょっと本屋寄らない? 」
「 本屋? 」
「 三宅くんに会いに行くんだよ! 」
「 デ ー トのお誘い! 」
「 行かない 」
【 そんな暇があったらあのハゲの呼び出しを
どうするか 考えてた方がマシね 】
( ポチ ッ
「 なんで? 」
「 三宅くんカッコイイじゃん! 」
( カタカタ カタカタ
「 どこが ? 」
「 眼科にでも行った方が良いんじゃない? 」
« お兄ちゃん もうすぐ夏休みだよね?
« 明日家に帰ってこれない?
« ( T A T )
「 私だけじゃないよ? 」
「 皆カッコイイって言ってるんだから! 」
「 へぇ じゃそのその皆で会いに行ったら
良いじゃない 」
「 ・・・ 本当に行かないの? 」
「 行かない 」
「 もしかして 」
「 親の呼び出しがあるから? 」
「 お母さんに怒られるのが怖いなら 」
「 お父さんに来てもらったら? 」
「 パパもママも呼ばない っ 」
「 じゃあどうするの? 」
「 お父さんもお母さんも来なかったら
ハゲ先のやつ絶対に電話してくるよ? 」
「 そうなったらいよいよ
実の兄の出番ってわけ 」
( ピロン ッ
〝 返ってきた! 〟
〝 ? 〟
« は?
« お前がいるなら帰らねー
( ピシ ッ
「 ・・・・・・ 」
〝 里奈? 〟
( ミ ー ン ミンミンミン
「 ・・・ 」
” こんなことなら普段からお兄ちゃんに
優しく接しとけば良かった ・・・ ”
( コソコソ
「 りっちゃんおかえりなさ 〜 い 」
( ビク ッ
” ヤバい ・・・
今度パパママに来られたら ・・・ ”
【 どうしよう ・・・ 】
「 ちょうど良かったわ 」
「 これをお兄ちゃんの部屋に
持って行ってくれる? 今ちょうど ・・・ 」
「 え !? お兄ちゃん帰って来てるの !? 」
( バ ッ
( キラキラ
” やった! ラッキー! ”
「 そうなのよ 」
「 近くで遊んでてシャワーを浴びに
寄ったみたい 」
( ササ ッ
( くるん っ ♪
「 どうしたのかしら ・・・ ? 」
〝 こんなにお兄ちゃん大好きっ子
だったかしら ・・・ 〟
( ガチャ
「 お兄ちゃ 〜 ん !! 」
( にこやか 〜
〝 ? 〟
〝 ! 〟
” それは私が佐伯彰という人間に
初めて会った瞬間だった ”
( ドキ ーー
” 部屋に漂う ”
” タバコの匂いだけでなく ”
( ジュ ッ
” もしかしたら ”
「 お お兄ちゃん ・・・ だよね? 」
〝 おそるおそる 〟
” 彼の目に浮かぶ微笑み ”
「 うん? 」
“ 本当にお兄ちゃんなの !? ”
” 私は死ぬほど混乱したのだ ”
「 長い間帰って来なかったのは ・・・ 」
「 ・・・・・・ 」
” 私たちの物語はとんでもない誤解から
密かに始まったのだ__ ”
( 💡
「 うん 」
「 パパもママも許してくれたの !? 」
「 おチビちゃん 」
「 お兄ちゃんがカッコよくなったか
よく見てみなよ 」
「 どけ クソガキ 」
「 え? お兄ちゃん !? 」
「 なんだよ 」
「 俺がかっこよすぎてびっくりしたのか? 」
〝 ??? 〟
「 ふはは ・・・ っ 」
「 じゃあこの人誰 !? 」
「 え 〜 ? 」
「 俺のことお兄ちゃんって
呼んでくれたのに? 」
「 ほ 〜 仲良しじゃねぇか 」
” なんで ・・・ なんで私ったらこの人を
お兄ちゃんだと思ったんだろ !? ”
” バカだと思われちゃうじゃん! ”
( ムク
( ズイ ッ
「 僕は佐伯彰 」
「 君の兄さんの友人で大学のルームメイトだよ 」
「 あっそ 」
「 理央 」
「 どうやら僕とお前はそこそこ
似てるらしいね? 」
「 アホか 鏡見ろよ 」
「 だっておチビちゃんがさっき ・・・ 」
「 ちょ っ ・・・ ! 」
「 整形したのかって聞いてきたんだよ 」
「 ・・・・・・ 」
「 ・・・・・・ 」
「 クソガキ ・・・ 」
「 お前は俺がアイツみたいに整形する必要が
あるって言いたいのか? 」
「 よ 〜 く見ろ! 俺が! アイツに! 」
「 そんな必要あるか !? 」
( 💢
「 あ あるもん! 」
「 もしお兄ちゃんが整形したいって言っても
全然不思議じゃないもん! 」
( 💢
「 それにお兄ちゃんが友達と一緒だなんて
ママは言ってなかったし部屋にこの人しか
いなかったから! 」
「 ご 誤解したって仕方ないもん! 」
「 んなわけねぇだろ 」
「 お前本当に脳みそ入ってんのか? 」
「 ほんっとうに 」
「 お お兄ちゃん ・・・・・・ 」
” 許さないんだから !! ”
「 う ・・・ 」
「 おいまさか ・・・ 」
「 ちょっと何なの? 」
「 彰! なんて奴だ! 」
「 俺の妹をいじめるなんて! 」
「 え? 」
「 ママ ・・・ ぐす っ ・・・ 」
「 お兄ちゃんが ・・・ お兄ちゃんが ・・・ 」
「 お兄ちゃんがぶ っ た 〜! 」
「 ちょっとあんた ・・・ 」
「 また妹をいじめたの !? 」
( フルフル
「 しかも人様の前で! 」
「 ちょっとこっちに来なさい !! 」
「 ち 違う! あいつが ・・・ 俺は ・・・ ! 」
( しくしく
( ウソ泣きでした 〜
” フン! ”
「 泣きおわった? 」
( うぐ っ
( サ ッ
「 はい 拭いて 」
” しまった ・・・ ”
” お兄ちゃんに学校に来てもらうつもり
だったのに ・・・ ”
「 ・・・・・・ 」
” こうなったら! ”
「 あのね ・・・・・・ 」
「 何? 」
「 え っ と ・・・ 」
「 お願いがあるんだけど ・・・ 」
つづき
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