コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「腕を出せ!」いつものように言われるセリフ。言葉のバリエーションがないなと、バカにしながらも、腕を出す。
「お前は、大丈夫だ。」ニッコリと不慣れた感じで不気味な笑顔で言われた。当然気持ち悪い。 ボロボロには、違いないが他の人より気持ち白く綺麗な服。三食しかなかった食卓は、変わらないが少し多くなったご飯。怒鳴られる回数。 大丈夫と言われたが、はじめて悪いことをしたかのようにドクドクと、心臓が傷む。 特別なことをした訳でもないのに、兵の人に特別扱いをその日からされた。
しかし、特別扱いされるのは、おかしい。俺は、今まで悪いことやいいことをしていないからだ。 平凡で目立たずかつ、静かにしていた。特別なことでやっているとすると、日記を書くことだ。 それ以外は、何もやっていない。
「あげるよ。」少しばかり、豪華になったご飯をハヤカにすすめる。優しくしたとかではなく。ただただ、1人だけ特別なのが嫌だったのかもしれない。
慣れない、兵の人の態度に頭痛が走る。でも、“兵“の接し方には、慣れている。従えばいい。
段々と兵の気味の悪い態度になれた頃。施設の中は、少しばかり騒がしくなった。
一年に一度程度ある。家畜の中でも運命が変わるイベントがある。イベントと言っても、そんなに日常は、変わらないが、家畜の中でわ、盛り上がっているのかもしれない。それは、吸血鬼の味見。吸血鬼達は、家畜の小屋に来て、家畜の血を味見する。ただ、それだけのことだが、家畜で選ばれる子がいれば、その子は、もっといい施設に行けるかもしれない。
俺は、5年以上ここにいるが、そんなやつは、いなかった。そして、今回も。そうなるだろう。