「綾と申します 。」
その一瞬 、私は心を打たれた
ふわふわとした髪型がきっちりと括られ
色素の薄い肌や灰色の髪によく映える 、
藤色や金の簪を纏った彼女は 。
確かにほかの花魁より人目置いていた
そんな彼女は年は
まだ十四ばかりなのにも関わらず
はやくして新人遊女として働いていた
彼女と私はふたつしか変わらなかった 。
そんな彼女のはじめてのお客が私だった
「….お茶はいかがですか」
『嗚呼 、少し頂きたい』
「はい 、少々お待ちください 。」
そうしてまもなく 、彼女は素早い捌きで
お茶を立てた 。その姿はとても美しく
目を奪われるほかなかった
「はい 、できました 」
『あ、あぁ 。ありがとう 』
「っ 、主さん 。
遊女に触るべからず、です」
『おっと 、そうだな 。すまない』
そんな決まりは無かったはずだが 、
と思いつつもさっき自分はある人物と
この花魁を重ね 、つい手が伸びてしまった
だが 、いくら似ていると言っても
その願いは叶うわけが無いのだ
なぜなら彼はもう 、居ないのだから
『綾は舞が軽やかでまるで蝶の様だ』
「…..嬉しいかぎりでございます」
『 ….. 私にもな 、
お前によく似た後輩が居たんだ』
「後輩 、ですか 。」
『あぁ 、事情があってもう
半年も会えていないんだがな』
「…左様ですか 。」
『少し無愛想なやつだった 。
でもヤツは私にはよく懐いていた
そんなヤツを私はいつの間にか好いていた
でもある日 、とある任務でな
それっきり帰ってこなくなった 。』
「….任務 、」
『ただの仕事だよ』
「でも、なぜそれをぼ …わっちに 。」
『….さぁな 、ただ 。
元気のなさそうなお前の姿が
どうも重なって見えてしまうのだ 。』
「….?はぁ 、」
『….だから 、綾 。
なにかあれば、、私に言ってくれ 。
しょ、初対面だからあれだが 、、
私だってお前より年上だからな 。
頼って欲しい、』
我ながら変なことを言った自覚はある
どうしても他人とは思えなかった
学園長の思いつきの任務は
いつも悩まされるものばかりで今回も同様
嫌々の任務だった 。
でもいま 、ひとつの希望を持てたのだ
綾は__だということを
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「なぁ仙蔵 、
今日アノ任務だったらしいじゃねぇか」
「いい花魁居たかぁ??」
「あー私も行きたかった!!!!」
まったく 、あの性欲の塊アホ3人ときたら
人の気もしないで言いたい放題
『….あぁ 、危うく惚れる 、、
否 、惚れてしまった女がいたな』
「おぉ!?!仙蔵が惚れる女など
どれほど別嬪なのだ!!!気になる!」
「もぉー 、下品だよ〜」
「そういって 、お前のソレはどうなる?」
「う、うるさいよ文次郎!!!!」
「…..その女の名前はなんと言う」
「 「 長次が女に興味を持った!? 」 」
そりゃあ 、長次も女ひとり
興味を示さないわけないだろうが、、
普段からは垣間見えすぎないというか 。
『あ、あぁ … 名は綾 。
年は十四と花魁としては早すぎる歳だ』
名前を聞いて全員が固まった
「あ 、綾?
….. どんな姿をしていたの?」
『….灰色の長い髪に
大きな濃いぶらうんの瞳 、
なにより 、あまり感情を出さない女だった』
「….寝たのか?」
『初回じゃあしないさ』
「初回 、ねぇ 。」
『 ….でもあの学園長命令も
たまには役に立つもんだ 。』
「….今度は誰が行くんだっけ?」
「確か 、五年ろ組竹谷八左ヱ門だな 。」
『はぁ 、しかし 。
どうやってあいつを連れさればいいのだ』
「身請けをするには 、五、六年全員の
お金を合わせても少し足りねえな」
「じゃあ無理やり連れ去る?」
「吉村は厳重な監視が着いている 。
見つかれば全員の 、ソイツの命も危ない」
「一体どうしたらッ「お任せ下さい!!」
聞き慣れた声が小平太の叫び声を遮った
目の前にはアイドル学年と呼ばれる学年
四年生が揃いに揃っていた 。
「話は粗方聞きました 。
その任務 、是非四年生も参加します!」
「 「 は、はぁぁぁぁ!?! 」 」
『お前ら 、何を言ってるのか
わかっているのか!?!』
「お、おぉおまえらッ 、
色の術、、房中術は習ったのか?」
「少し習っています 。
あとはタカ丸さんから 、、、、」
「….斉藤〜ッ!!!」
「てへっ」
場が和んでしまったとき
また元に戻したのは 、あヤツの同室である
平滝夜叉丸だった 。
「….私達もキハチロウの噂は常々 。なんと 、
吉原に男の遊女がいるとの噂も耳にしました」
「つまり 、それが喜八郎と 。」
「まだ決まってはいませんが 。
あの半年前の単独任務の日 、
あの吉原付近のお城の忍びでしたから 。」
『….まぁ 、及第点だな 。』
そうして我々はその吉原の男の遊女が綾であり
その綾は 、半年前 単独任務から
ぽっくり姿を消した 。
忍術学園 四年い組 綾部喜八郎
ではないかと説をたてた 。
だとすると 、我々は
色々覚悟しなければならない 。
我々が今まで大事に大事にしてきた
喜八郎に対する恋衣を出す事なく 、
綾として吉原で働く喜八郎と夜を共にすること
これは 、学園長命令だった 。
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「最近 、町で吉原で男の花魁が
働いていると噂があるんじゃ
もしかすると 、それは四年い組
綾部喜八郎ではないかのう 。」
「えぇいこれは学園長命令じゃ!!!
五 、六年生はひとりずつ吉原へ行き
全員が行き終わったあと 、調査の元
綾部喜八郎を救出してくるのだ!!!」
「これは色の試験 、すなわち房中術でもあり
綾部喜八郎救出大作戦でもあるのじゃ〜!」
「 「 「 えぇぇぇええ!?!?!? 」 」 」
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房中術 → 性行為
花魁→吉原で働く有名な遊女のこと
身請け→客が花魁の身代金や借金を代って払い
その勤めから解放させること 。
コメント
2件
続き楽しみです( ´›ω‹`)💕