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ルームキーをドアノブの上の部分にタッチして部屋に入る。
まだ17時にもなっていなかったので、夜ご飯の18時までみんなでボードゲームをしようという話になった。
各々買ったボードゲームを男子陣の部屋に持ち寄る。ベッドの上にいろいろなボードゲームが置かれる。
「え、なんですかそれ」
妃馬さんが買った「ドッグ&キャンディー」は黄色い箱だったのに
青い箱の「ドッグ&キャンディー」があった。
「非日常編?」
「はい。これ姫冬とやって姫冬も面白い!って言ってて
友達と遊び行くって言った日、帰ってきたらこれ買ってきてました」
「あ、そうなんですね」
「じゃあ、姫冬ちゃんの?」
「です」
「お借りします姫冬ちゃん」
「非日常編かぁ〜。気になるなぁ〜」
「わかる。でもゲームの定石は1(ワン)からだよ」
「1(ワン)?この場合の1(ワン)は日常編?」
鹿島が眉毛を上げて返事をする。
「よっしゃ!まずはこの「ドッグ&キャンディー」やりましょう!妃馬さん教えてください!」
鹿島が黄色い箱を妃馬さんに渡す。
「わかりました」
ベッドからテレビ前のローテーブル周辺に移動し、ローテーブルを全員で囲む。
妃馬さんが箱を開ける。ルールを説明してもらい
それぞれ手札が配られゲームがスタートする。僕の手札は「けん玉」「かつら」「口紅」だ。
じゃんけんで負けた人から時計回りということになった。
じゃんけんの結果、匠、僕、妃馬さん、音成、森本さん、鹿島という順番になった。
匠が中央に置かれた山札の一番上のカードを捲り、山札の横に置く。
「あれっ?トイレットペーパーがない。で1枚ね…。んん〜…」
匠が悩み。
「じゃあ、キャンディーと隣の人のトイレットペーパーを交換してもらう」
ここから判定だ。チームがあり、そのチームというのは今はわからない。
最初に配られたチームカードは裏向きのままにして
ゲームが終わったら裏返し、同じ絵柄の人たちとチームということがそのとき初めてわかる。
なので同じチームだから贔屓とか、違うチームだから「OK」しないということはできない。
判定は…。全員「OK」だった。
「うっし」
と言ってそのお題カードを匠が自分の元に持ち帰る。
そして手札を1枚補充する。さて次は僕の番だ。お題カードを捲り、山札の隣に置く。
「明日は朝から大事な予定があるのになかなか寝付けない。で?1枚か…。1枚…んん〜。んん?」
難しい。「けん玉」「かつら」「口紅」の中から1枚でこの状況を解決に導かないといけない。
「えぇ〜と。じゃあ、けん玉で集中力を使ってそしたら疲れるので、グッスリです」
苦しい。苦しいがこれしか思い付かなかった。判定は…「OK」良かった。
僕もそのお題カードを自分の手元に持ち帰り、手札を1枚補充する。
「私か」
と言いながら妃馬さんがお題カードを捲り山札の隣に置く。
「アイドルに恋をした。勉強も仕事も手につかない。で1枚か…。んん〜…」
妃馬さんが悩み
「じゃあ、小説を読み、小説の中の女の子に恋をすることによって
その小説を持ち歩けば、その子と一緒にいられることになるのでそれで解決です」
判定は…音成と匠は親指を立てて「GOOD」
森本さん、鹿島、僕は胸の前で腕で「バツ」を作った。「NG」だ。
「あぁーダメかぁ〜」
「いや、勉強も仕事もできないんだから、小説も読めないんじゃない?って思って」
「そうそう。オレもふーと同じ考えです」
「正直僕もそうっす」
「うわぁ〜ダメかぁ〜」
妃馬さんはそのお題カードをそのまま、手札を1枚補充する。
その後音成、森本さん、鹿島と回り、その後もどんどん続いた。考える時間、判定。
その判定に「なんで!?」とその理由を説明などしていると楽しくて
あっという間に1時間以上が過ぎ去り18時を回った。18時を回ったところで
鹿島まで行ったら終わりということにし、鹿島がおわったところで判定に。
チームカードをひっくり返す。妃馬さん、匠、僕が「キャンディー」チーム。
音成、森本さん、鹿島が「ドッグ」チームだった。獲得したポイントを集計する。
「じゃ、せーので言うよ?せーの」
「10!」
「9!」
「キャンディー」チームが9ポイントで「ドッグ」チームが10ポイント。「ドッグ」チームの勝利となった。
「うぇ〜い!なっさんうぇ〜い!」
「しまくんうぇ〜い!フィンちゃんもうぇい」
「恋ちゃんうぇい」
「ふーもうぇい!」
「うぇい!」
「ドッグ」チームがハイタッチをして喜ぶ。
「1ポイント差かぁ〜」
「もうちょい考えればいけるのあったかなぁ〜」
「でも楽しかったぁ〜」
「ですね。またやりたい」
片付けをみんなでする。
「今度は非日常編だな!」
「パッケージにUFOとか描かれてるもん。もう楽しそう」
「非日常編はなんでもありな感じするよね」
「わかる。ゴリ押しでいけそう」
「それがそんなことないんだなぁ〜」
「お、経験者は語る」
「ちゃんとしてるんですよ。このゲーム」
「なおさら楽しみだ」
片付けを終え、6人でぞろぞろと食事会場へ移動する。両開きの扉を開け、中に入る。
様々な料理の香りが押し寄せてくる。
「いいね!バイキング!」
「さてと。まずは席の確保」
4人用のテーブルと2人用のテーブルをつけてもらい、6人用のテーブルを確保した。
別に確保したんだから全員で行けばいいのだが
「先行ってきていいよ。誰か帰ってきたら代わりにで行くから」
と僕は残ることにした。
「あ、そ?じゃお言葉に甘えて」
「じゃ、いってきます!」
「時間かかるぞぉ〜?」
「なるべく早くしてね?」
とみんながバイキングへ向かう。1人なにをしようと思っていると向かいに妃馬さんが座った。
「あれ?行かないんですか?」
「私も残ってます」
「行ってくればいいのに」
「怜夢さん1人だと寂しいかなぁ〜と思って」
両肘をつき、手の上に顔を乗せこちらを見る妃馬さん。妃馬さんのその言葉と表情にドキッっとしてしまう。
「そー…かも?寂しかったかも?」
「やっぱり?」
妃馬さんが笑顔に変わる。
「ちなみに1人だったらどうしてました?」
「どう…してたかな。妹とか家族にLIMEしてたかな」
「あぁ、そういえば私も家族にLIMEしてないや」
「なんか別にめっちゃ楽しいですけど、あぁ、家族今なにしてんのかなぁ〜とかふと思ったりします」
「わかります!まあ、でもそれも1人のときですねやっぱり」
「ですね。でも今は…妃馬さんが残ってくれたから…ね」
妃馬さんといるから妃馬さんのことを考えてますねとは言えなかった。
少し顔を逸らす妃馬さん。視線の先には料理があった。
「お腹減りました?」
「そー…ですね。すごい美味しそうな料理ばっかり」
「妃馬さんの好きな麺類ありますかね?」
「たしかに。あるかなぁ〜」
「こーゆーバイキングだと?麺類系はなにがあるかな」
「焼きそばとかラーメン。あとお蕎麦も。それくらいかなぁ〜」
「あぁ、焼きそばとお蕎麦はあるイメージですね」
「あぁ〜どうしよ〜。お蕎麦2杯いこうかなぁ〜。焼きそば…焼きそばか…。ラーメン」
「麺のことばっか」
「バイキングですから。好きなものを好きなだけ食べられるってのが醍醐味ですからね?」
「たしかに。でも焼きそばは屋台であるんじゃないですか?」
「あ、そうか。この後お祭りだ」
「忘れてる」
「バイキングで頭いっぱいでした」
「花火ですよ花火」
「お祭りに花火。最高ですね」
「ですね」
そんな話をしていると匠がトレイを持って帰ってきた。
「早いな」
「ラーメンと蕎麦と焼きそばにいろいろと。あとオレンジジュース」
「子どもか」
思わず笑う。
「あ、やっぱりラーメンとお蕎麦と焼きそばあるんですね」
「ありましたよ」
「焼きそばは屋台で食べれると思うけどな」
「あ…」
匠の動きが止まり、1度焼きそばに視線を落としてゆっくりと僕を見る。
「怜夢、半分食べて?」
「わかったわかった。じゃ、行ってくるから留守は頼んだ」
「オッケー。2人ともいってらっしゃい」
「じゃ、いってきます」
僕はなにも言わずにバイキングへ向かう。
音成、森本さん、鹿島はある程度トレイに料理は乗っているもののまだ悩んでいた。
それもそうだろう。見渡すと和の料理や中華料理、イタリアンもあった。
匠が持ってきていないのだからないんだろうが、イタリアンのところをざっと見たがパスタ類はなかった。
妃馬さんと僕はざっと見て回り、トレイを持ってそれぞれ取りたいものを取って行った。
結果的に妃馬さんはラーメンとお蕎麦を取って、あとはサラダや軽くつまめるような
お腹には溜まるだろうけど満腹まではいかないように取っていた。
僕もこの後のお祭りのことを考え、主食はお蕎麦と軽く持ったお米くらい。
あとは麻婆豆腐だったり、ソーセージだったり。そしてサラダに飲み物。
めちゃくちゃ悩んでいた音成を連れて帰り、6人で手を合わせた。匠から焼きそばを半分もらい
鹿島はこの後のお祭りの屋台では食べないのかな?と思うくらいたくさん取っていた。
ボードゲーム「ドッグ&キャンディー」の話をしたり、この後のお祭りのことを話したりした。
鹿島は僕たちよりも全然多く取っていたというのにご馳走様のタイミングは同じだった。
食器の返却口があり、トレイごとそこに返して、部屋に戻ることにした。