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旅装の息子を部屋から追い出し寝室へ入りマントを広げると髪を乱し化粧も落ちた顔の空色が俺を見上げている。片腕で抱き締めマントを外して寝台に広げドレスを着たままの空色を座らせて、身に着けている宝飾品を外し机に置いていく。ドレスを掴み捲ると子種の匂いが鼻につく。溢れる白濁が下着からドレスへ流れ色を変えている。汚れた下着を掴んで破り落とすと床に白濁が広がる。細い足を掴み左右に広げると空色が震える度に秘所から子種が溢れ出る。トラウザーズを下げ、ひくつき待ちわびる中へと突き入れる。
「ああ!」
これの中はどろどろだな。腰を回して奥を陰茎で刺激すると涙を流して喘ぎ達しているのを陰茎から感じとる。締め付けながら蠕動する中は極上だな。
「お前の中は心地いい」
腰を叩きつけると上へと愛しい体が逃げていく。ドレスの上から腰を持ち俺へと戻し、軽い体を持ち上げて立ったまま陰茎を突き刺し奥を突くと、その度に頭を揺らして悦んでいる。孕む場所に入り込んだ陰茎の先に強烈な快感を覚えた空色が高い嬌声を上げて背を反らす。両腕で抱きしめ震える体を感じ俺は満たされる。
「注ぐぞ」
陰茎を入れ込んだまま空色を揺らして、中の動きに陰茎を委ね、剥き出された肩に噛みつく。空色の口からは止まらぬ喘ぎが流れ、俺の耳さえ心地よくさせる。痛みと快感にまた意識を飛ばすかもしれんな。きつく締め付ける空色の中へと注ぎ小さな頭を掴み口を合わせる。揺らしながら全てを注ぎ、口を離すと空色の瞳からは涙を流し、俺の頭に細い腕を回す。零れる涙に吸い付き飲み込んで、互いの液で汚れたドレスの背を掴み力を込めて左右に裂いて留め具を壊し、全てを引き裂き床へと落とす。
「いつから起きてた?」
繋がり立ったままの俺にしがみつく空色に問う。
「…大きな声が聞こえたわ」
声を上げるなと言ったのにな。
「全てはお前が決めればいい。俺が死ぬまで放すことはないが後はお前の決断に委ねる。死ぬのも生きるのも好きにするんだ。だがお前が死んだときは俺と同じ棺桶に入れよ」
亡骸になっても共にいたいと言うお前の意志が俺を喜ばせた。骨と化した俺の隣に入れるのは後に遺された者が嫌がるだろうが説き伏せろ。同じ棺桶に入るのが今から楽しみなんだ。
空色の涙は止まらない。俺が連れて逝くと言ったからな、怒ってるのかもしれん。
「まだ時は残ってる。放さん」
お前が俺から放れんことはもう理解した。俺が嫌がるから閉じこめていても何も言わん、奴とも以前より距離を置いているのがわかる。
愛しい頭を撫でる。
「お前には俺だけだ」
空色を風呂に入れ、寝台に寝かせると注ぎすぎたせいで直ぐに寝息をたて始めた。抱きしめていた愛しい額に口を落とし掛け布で包んで寝台から離れる。
執務室に入りベルを鳴らすとソーマとライアンが入ってくる。ライアンの顔には疲れと困惑が見え、真実に辿り着いたと察する。
「お前の予想どおりだ」
対面に座るライアンに告げると眉尻を下げ、ため息をついている。
「ゾルダークは人体実験をしていると感じましたよ。毒に慣らすにも限度があるのに…」
俺が毒を与えられ始めたのが三十年も前の話だ。ゾルダークは強くなければならなかった。
「年寄はどうだ?」
「心臓が限界です。今亡くなられていてもおかしくない。閣下は?」
「年寄以上の毒を受けてる」
ライアンはまた深いため息を吐く。
嘆いても仕方ないことだ。必要なことだった、今さらだ。
「体におかしなところは?」
「今のところないな」
「酒は止めた方がいいです。時を縮めますよ」
「ああ」
「カイラン様は?」
「奴には媚薬しか与えていない。毒が増えすぎた。対応できん」
他国の毒が増えた、後継が育つ前に死んでは意味がない。
「あれには話した」
「…そうですか」
耐性をつけるための毒で命を削るなど医師としては許せん行為かもしれんな。
「これがゾルダークだ。だがそれも終いだ」
王宮の夜会から一月たつ頃、マルタン公爵家の長女ミカエラとディーター侯爵家の次男テレンスの婚姻式が華やかに行われた。国王の参席と祝いの言葉は国民にも届き、街の中は祭りのようになった。この婚姻式の後には王太子とチェスター王国マイラ王女の婚姻式の日取りが披露され、準備期間の短さに国民は驚いたが、この慶事に国王が私費で王都の飲み屋に酒を配り国民に渡るよう指示がされ、またもや祭りのような騒ぎになった。
この騒ぎの中、ゾルダークではギースの死が伝えられ、ハンクとカイラン、キャスリンは揃ってゾルダーク領へ向かうことになった。
「キャスリン、レオンは泣いているかもしれないね」
「そうね、サリーとモリカを困らせているわね」
まだ小さいレオンは王都の邸に置いてきた。幼いうちに動かして、どこで病気をもらうかわからない。それなら安全な邸の中にいた方がいい。レオンの近くにはハロルドを置き、側を離れぬようハンクが命じていた。
私よりもサリーとモリカと過ごす時間が長いレオンだけど私と離れるときは泣くようになり、その度にハンクが片手でレオンを持ち上げ乳母に渡す。私のいる部屋から出すと泣き止み、もう一度近づくと泣き出したとハンクは言うけど、本当かしらと疑い、一度連れていかれるレオンの後をつけてみたらハンクの言うとおりだった。レオンは敏い子なのかもしれない。
馬車で二日も移動するのは久しぶりで、揺れるから刺繍もできない、書物も読めず、ただ窓から風景を見て過ごす私と違って、ハンクとカイランは揺れの中にいても書類を読み、印を押したりと仕事をしていた。休憩時に酔わないのか聞くと、慣れたと二人から同じ答えが返ってきた。ハンクからは酔うからやめろと書物は取り上げられたし、私は逞しい腕に凭れて眠り、時を過ごした。
王都を出立して二日目の日暮れ前にゾルダーク領の邸へ到着した。
「ぼっちゃま、お早いお着きで」
ハンクは老公爵から呼び出された時期に王都からゾルダーク領へ通う道に金をかけて整備させた。カイランが言うには随分道がならされ広がり問題が起こらなくなったと教えてくれた。
「どこだ」
「お部屋で眠られてますよ」
年寄はいつものように眠りについたが、夜番が側に侍り様子を見守っている間に息が止まり鼓動も終わったと早馬が届けた報せに書いてあった。
年寄の部屋に入ると冷気が近寄る。遺体が腐らないように氷を絶やさず側に置いている。着ていたコートを脱ぎ空色に着せる。
寝台に近寄り横たわる父親の顔を覗くが眠っているだけのように見える。
「葬儀式の準備は終わっているな?」
「はい、明日には大旦那様を埋められますよ」
邸の敷地内にゾルダーク家当主と伴侶の墓地がある。俺もそこに入る。
「大旦那様は長い生でしたな」
オットーは年寄の父親も知っている。その当主は五十過ぎで倒れた。比べれば長いな。
「腹が減った」
「準備はできておりますよ」
「これの部屋はいらん、俺の部屋に連れていく」
薄茶の頭を撫でてオットーに告げる。
「ぼっちゃま、大旦那様の前でおよしなさい。起きてしまいますよ」
遺体の側で笑顔のオットーが言う。
「閣下、老公爵様のお顔を見ても?」
空色の腕を掴み年寄の近くに置く。細い手を伸ばして年寄の腕を掛け布の上から撫でる。
「お疲れさまでした」
小さな声が俺には届いた。
食堂で出された食事を空色が残した。二日馬車に揺られたから食欲も失くすと言われても気にはする。俺の部屋に連れていき、王都から連れてきたメイドが湯を張る間、寝台に寝かせた。
「心配し過ぎよ」
「そんなことはない」
ふふ、と俺の腕の中で笑ってる。料理番が変わったせいではないというが…連れてくればよかったか。
「頼んだの?」
「ああ」
俺達の棺桶はもう頼んだ。時はあるが準備は必要だ。
空色は俺の胸に額をつけて頷いている。ゆっくり考えたらいい。
「ぼっちゃま…」
空色を抱き締め横になっているとオットーが部屋へと入っていた。
「勝手に入るな」
「扉は開いておりましたよ、湯ができました。本当に離しませんな」
掛け布を上げて薄い茶に被せる。
「面白いですな、オットーには狂愛にしかみえませんがね」
「ははっ狂愛か、上手いことを言うなオットー」
「ぼっちゃまが笑われるとは…このオットーを殺す気ですか」
「明日共に棺桶に入れ」
掛け布で包んだ空色に口を落とす。手を振りオットーを退室させ、空色を抱き上げ浴室へ向かう。背の留め具を外し服を脱がせシュミーズと下着も剥ぎ取る。浴槽に浸からせ自身も裸になり空色を膝に乗せる。
「狭いな」
ここの浴槽は変えていない。
「そうね」
俺の胸に頭を預ける空色に腕を回す。
「老公爵様は閣下と似ているのね」
「ああ」
顔が似るのはゾルダークの血のせいか。飾られている当主の肖像画を見ても、雰囲気や体格が違うだけで顔は似ている。
「絵師を呼ぶ」
「ふふ、我慢できる?閣下は動いてしまうわ」
「腕のいいのを見つけた」
「嬉しい、楽しみだわ」
これは物を欲しがらん。俺の知る貴族の女はとにかく金を使う。服や宝飾品、絵画に男、高位貴族の女など酷いもんだ。
「欲しいものはないのか」
「…ないわ。閣下が与えてくれるものだけで十分よ」
これは普通の貴族の女ではない。環境か気質か。ディーターが貧しいとは聞いたことはないからな、気質か。
「葬儀式の後は森を歩く」
そろそろ花も根付き咲かせているだろ。先に奴だけ帰らせてもいい。ゾルダーク領をこれに見せるか。
「聞いたか?狂愛」
「ええ」
「結局愛なんだな」
「愛に見えるのね」
ならばこれは愛なのか。これが愛ならば世の女どもは外には出てないだろうがな。腑に落ちんな。
「狂っているとは思えないのだけど」
そうだよな。周りがおかしいのかもな。濡れた肩に吸い付き痕を残す。
「俺もお前も正気だ」