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は「待ってよ〜涼風くん、はやっ」
ファミレスから解散して、現在涼風くんに置いて行かれてます。
なぜ。
同じ方向なのに。
外はまだまだ春の匂いが残り、辺りには花の匂いが香る。
私は無視され続けてる背中に呼びかける。
は「こういうのは一緒に帰るもんでしょ〜まって〜」
相変わらず返事もなく少し前を早歩きで進んでいく涼風くん。
駅構内から電車のアナウンスが鳴っているのが聞こえる。
やばい。私の乗るほうの電車だ。急げ急げ。
改札を通って人を掻き分け、階段を一段飛ばしで駆け上る。
電車の中にはすでに涼風くんの姿。早すぎるよ涼風さん。
小走りで電車の出入り口に向かう。
多分私、今すごいぶっさいくだ。
電車のベルが鳴り響く。
間に合わな..
そのとき電車の中からグイッと腕を引っ張られた。
!?
その勢いに転けそうになりながらも、なんとか体勢を崩さずに済んだ。
電車の手すりを持って息を整える。
電車の出入り口は閉まってしまった。発車の合図が鳴り、電車が動き出す。
は「涼風くん、なん、で」
私の腕を引っ張ってくれた主は涼風くんだった。
戸惑いと困惑の気持ちが入り混じる。
それでも、その取ってくれた手を見て。
凛「…困ると思ったから」
その一言と表情で全てを理解した。
クラスメイトを見捨てるやつにはなりたくない。
こんなに小さなことでも。
その瞳が物語っていた。
女嫌いなのに寡黙で優しい彼。
クラスメイトだから?
多くは語らないのに伝わる優しさ。
クラスメイトだから?
胸にあたたかいものが広がる。
は「ありがとう..」
私は涼風くんにお礼を言って笑顔を向けた。