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【 呑み込まれる 】
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朝目覚めた時 、 身体が浮いているような感覚がした 。
ふわり 、 ふわり 。
? ,
「 よく寝た 」
… ぇ ?
俺の声じゃない … 俺は口を開いてない 。
誰だ 、 なんだ 、 おかしい 。
? ,
「 ようやく … 」
まて ! おれじゃない ! おれじゃない !!!
嫌だ ! 誰だ ! 俺じゃない … !
? ,
「 動ける ── 。 」
その声を聞いた一瞬 、 氷のように風が冷えた 。
あー 。 分かった 。 分かりたくなかった 。
俺じゃない 。 俺の中の … 、
“ 何か ” だ … 。
? ,
「 …… 」
勝手に動く 。 俯瞰しているみたいだ 。
そうか … 俺の中の何かが 、 ついに身体をコントロールし始めたのか 。
嬉しいのか 、 救われたのか 、 壊れたのか 。
もうどれが当てはまっているのかも分からない 。
K ,
「 ぺいんと … 」
声を出せた … まだ完全に奪われていない 。
大丈夫 。 大丈夫だから … 。
? ,
「 ふふ … 。 」
やめろやめろやめろ 。
俺から全てを奪うな 、 やめろ 。
やめろやめろやめろやめろやめろやめろ !!!
K ,
「 やめろ !!! 」
ダメだ落ち着け呑まれるな 、 大丈夫だ 。
大丈夫だから落ち着け 。
何も起こってない 、 パニックになってるだけだそうだろ … ?
? ,
「 どうかな 。 」
喋るな ! お前は俺じゃない !
どうすればいい … どうしたらいい !
身体は俺のコントロールが効かない 。
俺の声までも呑み込まれるのか … ?
? ,
「 ふ … 、 」
やめろ … 。
これ以上俺を … 呑み込むな … 。
あぁ … 気が狂いそうだ … 。
大丈夫って言ってくれ … 誰か … 。
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