テラーノベル
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「は〜…疲れた…」
本部の廊下に俺の声が響いた。
さっきまでお偉いさんとの会議やら何やらでろくに休憩も取れていなかったから、仕方ないだろう。
幸運な事に、この後は何も予定がなく、後は帰宅するだけだった。しかし、今の俺には帰宅できるほどの体力が残って居なかった。
ありがたい事に、ヒーロー本部の建物には冷房の効いた仮眠室があるため、そこで少し休んでから帰ろうと思い、仮眠室までの廊下を歩いた。
今の季節は夏。しかも気温が上がり始める7月下旬。流石の室内でも歩いていればじんわりと汗をかき始める、そんな季節。
インナー姿のため、これ以上脱ぐこともできないので、手をぱたぱたさせながら何とか周りの冷気をかき集める。
しばらく歩き、仮眠室の扉を開けた。
ぎっ…と音をたてながら開いた扉の隙間から中へ入り、冷気が逃げないよう急いで閉めた。
「涼しい〜…生き返る〜…」
スライムのように溶けてしまいそうになりながら、何とかベットに腰を下ろした。
冷房が効いている部屋なだけあって、布団や枕もひんやりとしていて最高に気持ちいい。
このまま少し寝て帰るか、と思っていると、通路を挟んで隣のベットが何やらもぞもぞと動き始めた。
しばらくその膨らみを観察していると、見知った顔であり、俺が片想い中の男の顔がひょこっと布団から出て来た。
『ん…らぃ…?』
眠そうに目を擦りながら口をもにょもにょ動かす可愛らしい姿を見て、俺の俺が勃ちそうになるのを押さえながら、返事をする。
「おはよ、マナ。ごめん、起こしちゃった?」
『んや…、大丈夫。』
少しの沈黙の後、限界だったのか、マナは再びベットへと沈んでいった。
マナのベットの方へ移動して腰を下ろし、手入れの行き届いている髪をさらりと撫でれば、バイカラーサファイアの様な瞳と目が合う。その瞳を見てふっと微笑めば、マナもまたゆっくりと目を細める。
そんな姿が愛おしいなとか思っていると、マナは眠そうな声で喋り出した。
『どしたん、ライ?』
「いや…、綺麗だなーって」
『ほんまぁ?嬉しいわぁ』
なんて言いながら俺の手に頬を擦り寄せるもんだから、俺の俺を抑えるので必死な訳で…。
今の雰囲気なら少しそっち系の揶揄いをしても許されると判断した俺は、右手をベットに置き、言わば床ドンと言う体制になった。まぁ床じゃないからベットドンになるのかな?この場合は。
「そんな無防備だと襲っちゃうよ?マナのこと」
と、マナの頬を撫でながら言ってみせると、段々と頬に触れている手に熱が伝わって来るのがわかった。そこではっとした。よく考えてみたらとんでもセクハラ発言じゃん。
「な、な〜んて…嘘だよ」
『……ら…ええよ…』
「…?なんて…?」
『ライ…なら…、ええよ…?///』
え?今なんと仰いましたか?緋八さん
俺なら良いって言ったの?
片想い中の相手が、俺の発言で顔を熱くして、お前になら襲われても良いよ、なんて言われて正気でいられる人間は居ますかって話。
一旦落ち着こう。確かにマナの事は好きだしいつか付き合えたら良いな…なんて思ってるけど、マナがそうだとは限らないじゃん。マナは優しいからここで拒否したら俺が悲しむとか、次会ったら気まずいとか色々考えてくれてるだけかもしれないし。
「良いの…?本当に。」
精一杯理性を保った一言を投げた。今の俺にはこれが限界だった。早いところマナには逃げてもらわないと俺が限界。本当に襲いそう。
『ライならええって言っとるやろ…//』
マナは照れた顔を片手で隠しながら、横を向いた。もう限界。抑えられない。
そっぽ向いたマナの顔をゆっくりとこちらに向かせ、指で唇に触れた。
「嫌だったら俺のこと突き飛ばしてね?」
『ん…///』
了承を得られたところで、ゆっくりと顔を近付けキスをした。
柔らかいな…なんて思っていると、マナの口が少し開いたから、そこに自分の舌を捻じ込みマナの舌と絡ませた。
『んッ……ふ…//』
マナは息を吸うのが下手くそで、口の端から声が漏れていた。そんなところも愛おしくて堪らなくて、マナの後頭部に手を添えて引き寄せて、さらにマナを求めてしまう。
ベットの端に腰を下ろしているため、だんだんと体が捻れて体制的に辛くなってきたから、靴を脱いでマナの足の間に挟まり再びキスをした。
マナの舌をじゅっと吸ったり歯茎をなぞったりしながら、空いた方の手を服の中に侵入させ、胸の突起を軽く撫でると、マナの腰はびくっと揺れた。
その反応も愛おしくて、さらに弄ってみると、体全身が震えた後脱力し、ベットに沈んだ。
マナって乳首だけでイけるんだ…。
なんて感心していると、とんとんっと胸を押されたので、口を離す。
『ッは…ッふ…//』
マナは目がとろんとしており、先ほどよりも頬が赤く染まっていた。嗚呼なんて可愛いんだろう。今更遅いだろうが、俺は数年の想いをマナに伝えた。
「マナ…、俺さ、マナのことが好きなんだよね。もちろんloveの方で」
マナは、数秒間目を丸くした後ふっと微笑んで、返事をするかの様なライトキスを俺にしてくれた。
ようやく恋が実った。こんな形で実るとは思わなかったけど、その事実だけで俺は嬉しかった。
その後、ちゃんと二人は付き合ったし幸せに暮らしました。(両片思いだったハッピーエンド)
コメント
1件
えっ、27話でこの展開…!? ずっと「両片思い」って気づかずにすれ違ってたのが、あの「ライならええよ」で全部ひっくり返る感じ、すごく良かったです。理性と感情のギャップが切なくて、でも最後は温かくなりました。お互いを大事に想い合ってたんだなって伝わってきて、読んでてほっこり…! お幸せに…!🤍