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どうもさーもんです🐟またまた遅くなりました申し訳ないです💦🙇♀️4ヶ月ぶりとか…?やばすぎますね
今回は『カウンター越しに言えないまま』のその後の二人を短編集にしてみました!初めてちゃんとした濡れ場シーンを書いた気がします。1話から読んだらもっと楽しめます
よかったら見てね
【⚠️ATTENTION PLEASE⚠️】
黒青
irxs
R18有
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純粋さん・地雷さんは閲覧を控えることをお勧めします
誤字脱字は脳内変換してください
【嬉しいこと】
『きゃー!大変よー!!あの街を何とか救ってー!!!!』
「…面白い?」
「いや、面白くない」
「なんで買ったん」
「安売りされてたから」
「ふーん」
「いふくんは?面白い?」
「全然」
「じゃあやめよ、観るの」
「えー」
ゆうすけはテレビの電源を切り、膝の間に入るいふの頭を撫でた。
二人が付き合って1ヶ月以上が経った。小さなカフェで出会い、お互いに一目惚れをし、どちらからともなく告白をし、結ばれた。いふはまだ大学生であるし、ゆうすけもカフェの仕事があるので頻繁に会う時間はとれないが、週に2回以上は会うようにしている。そして今日は、そんな数少ない日の中でも珍しく、お泊まりをする日だ。次の日がお互い休みで、会って何かするとしたらお泊まりしか無かった。ゆうすけの家にいふを呼んで、一日中二人で何気ない時間を過ごしていた。
「これなんていう映画?」
「劇場版らびザウルスやって」
「聞いたことない」
「俺もない」
隣座って、とゆうすけがソファの横を叩く。
「はー…いふくんが俺の家におる…幸せ…」
「この前も来たのに」
「でもそん時は風邪やったし、こうやって触れられるのが幸せってこと」
「…ん…おれも…」
「かわいい」
「か、かわいくないっ…」
赤くなった天使を、黄金の瞳が愛おしそうに見つめる。青い髪を退けて小さな額にゆうすけが口付けると、さらにハバネロのように赤くなる。
「もうご飯食べる?」
「どっちでも、獅子尾さんが食べたいなら」
本当なら映画を見終わったあと夕食を食べるつもりだったが、如何せんやることが無くなってしまった。でも夕食を食べるにはまだ早すぎる時間帯だ。
「そうや、一緒にご飯作ろ?材料も買いに行ってさ」
「えっ、めっちゃええやん!!」
ゆうすけの提案にいふの目がきらきら輝く。
最初、夕食はデリバリーで済ませるつもりだったので、二人は、買う過程も作る過程もお互い一緒にいれるのが何より嬉しかった。
「何作るん?」
「んー、いふくんこの前餃子食いたいって言っとったよな」
「うんっ」
「じゃあ餃子!作ろ」
「やったー!」
「材料買いに行くぞー」
「おー!」
嬉しそうないふの頭を撫でながら、二人で玄関に向かう。
___________________
かっこいいなぁ。
隣で作業する恋人を見ながら、心の中で呟く。
「…なに急に、照れるやん」
「えっ、声にでてた…?」
「ふ、まぬけ」
「だって〜…」
普段手の凝った料理をしない俺は、獅子尾さんの包丁さばきに見とれていた。
「ただニラ切ってるだけやねんけど」
「それがかっこいいって言ってんねん!」
いふくんは俺の顔好きやもんな〜と頬を軽くつねられる。顔だけじゃないんだけどな。
カフェで一目惚れをした時は、まるで女神様のような彼に狼狽え、まともに目を合わせることさえ出来なかった。そんな彼が今、俺の隣で料理をしている。そして、俺の恋人。数ヶ月前の俺はこんなことになるなんて夢にも思っていないだろう。今だって、まだ現実を受け止めきれていないのだから。
恋人になった獅子尾さんは、初めて出会った時よりずっとかっこよく見えて、そして何より愛情表現が多い。いつもかわいいとか、愛してるとか言われる度に顔が熱くなる。それを見てまたかわいいと言ってくるものだから、もう頭がおかしくなりそうなのだ。そして何より、スキンシップが多い。隙あらば俺の頭を撫でてきたり、髪を触ってきたり、抱きしめてきたり、前に一度外でキスをされたこともある。それは流石に恥ずかしいからやめろと言ったが。
そこでふと思ったのだ。俺は獅子尾さんに、何を返している?沢山の愛をもらって、俺はそれを受け取るだけで、結局獅子尾さんに何も返せていない。恋人なのに尽くしてもらってばかりなのは、流石に俺もいたたまれない。でも、何をすればいいかわからない。今だって、獅子尾さんが慣れた手つきで材料を切ってくれている中、俺はそれを見ているだけだ。もちろん俺も獅子尾さんのことが大好きで、何か愛情表現が出来たらいいとは思っているが、如何せんそういうものに苦手意識がある俺にとってはかなりハードなものだ。…一体、俺に何が返せるんだ。どうすれば、獅子尾さんに喜んでもらえる?
ふと、数日前にした会話を思い出す。
『なー、いふくんって俺の事ずっと苗字呼びやん?』
『え、うん』
『それなんでなん?』
『…えー…なんでって言われても…最初からこの呼び方やったし』
『最初あにきって呼んで欲しいって言ったら断ったよな』
『だって流石にあにきはなんか、やだったから』
『今もやだ?』
『うーん…』
『なら、名前で呼んでくれてもええんやで』
『名前…』
『うん、ゆうすけって』
『……』
『…呼んでくれへんやん』
『…恥ずかしい、獅子尾さんのままがいい』
『えーそうか、全然いーけどさ』
これだ。今俺にできる、獅子尾さんへの愛情表現。名前で呼べば、きっと獅子尾さんは喜んでくれる。それに、 好き、とか、直接言葉に出すよりも、こっちの方がなんとなく愛が伝わる気がする。よし、そうと決まれば早速作戦実行だ。
「…いふくん?」
「え、あ、なに?」
「これ混ぜて、あ、ビニール手袋して」
「は、はい」
ビニール手袋をつけて、餃子の中の具を混ぜる。すると、後ろ髪をさらりと撫でられる。
「髪伸びたよなーいふくん」
「…そ、うかな」
また、こういうことを自然とやってくる。ずるい人だ。なら、俺もやり返さなければ。今だ、今、名前で、
「…あ、…ゆ、…ゆう…」
「ん?」
「ゆ、……………… 夕焼けって綺麗だよね」
「…?そうやな、今度見に行こ」
「………うん」
無理やん。え。無理だったやん。なんでだよ。なんか軽い気持ちで名前呼びしようって決めたけど、よくよく考えたら今まで呼べてなかったのに今呼べるわけないよな。なんで俺気づかなかったんやろ。誤魔化し方も結構ミスったし。なんだよ夕焼けって。
数秒前の自分に大量の文句を言う。あの瞳に見つめられると、どうも調子が狂ってしまう。俺だって、獅子尾さんにお返ししたいのに。混ぜていた餃子の具を思い切り握りつぶす。
「いふくん、もうそれおっけーやからいよいよ包むぞ」
「おっ、やったー」
「包み方わかる?」
首を振ると、獅子尾さんが優しく微笑んでからちょっと見ててな、と袖をまくる。
「こうして、こうするだけ」
「おー、綺麗」
「やってみて」
見よう見まねで包んでみると、意外とちゃんと形になった。だが、皿に置いて獅子尾さんが包んだ餃子と並ぶと、不格好すぎる自分の餃子に思わず笑ってしまう。
「俺下手すぎるかも」
「ははっ、手作り感さいこーやな」
「馬鹿にしとるやろ!」
「うそうそ、上手やで」
「どうやったらそんな上手くできんの?」
「んー、もうちょい空気抜く感じで押さえて…」
獅子尾さんのアドバイス通り包むと、さっきよりも綺麗に出来た。
「上達した!」
「すごいやん、じゃあこれは俺が食べる」
「え、」
「というかいふくんが作ったやつ全部食べる」
「…ろくな理由じゃないでしょ」
「いや?恋人が一生懸命包んだのを体内に入れたら元気出るかなーって」
「どういうこと…」
二人で和気あいあいと具材を包んでいると、いつの間にか大量の餃子が出来上がっていた。
「こんなに食べきれるかなー」
「いけるいける、じゃ、焼こか」
フライパンに油を敷き、よく温めてから火を消して餃子を並べる。獅子尾さんの家のフライパンは、この日の為に買ったのかと思うくらいとても大きいフライパンだったので、あれだけ大量の餃子も全部並べることが出来た。そしてもう一度火をつけ、焼き色がついてきたところで水を入れ蓋をする。
「なんで水入れんの?」
「んー、皮を柔らかくするためやない?」
「そういうことか…勉強になる」
必死にスマホにメモをするいふがあまりに可愛かったので、ゆうすけは思わず頭を撫でた。
水分が飛んだら蓋を開けて、油を垂らして焦げ目をつける。
「よし、かんせー!!!」
「やったー!!」
といってもほとんど獅子尾さんにやってもらったのだけれど。でもそんなことよりも、二人で作る時間が何よりも楽しかった。わからないところは獅子尾さんが教えてくれて、出来るようになったら獅子尾さんが褒めてくれる。この餃子は、ただの餃子じゃない。二人で作った餃子。二人だけのものなのだ。それが嬉しくて、つい口角が上がってしまう。
「食べるか」
お皿いっぱいの餃子をテーブルに持っていき、二人で向き合って座る。
すると、獅子尾さんが俺をじっと見つめる。
「なんか、同棲してるみたいやな」
「っ…」
「ふ、どした?」
「……いや…」
「まぁ、いつかするもんな」
「…す、る…したい」
「したい?」
「うん…」
「そうかー、したいんか〜」
「な、なに、」
「いや、俺いふくんから貰う言葉全部好きやなーって思って。」
「……」
それは、俺もだ。
そんなこと、ずっと前から思っている。俺の方が、言いたいはずなのに。どうしてこの人はこんなに、俺のことをいつも考えてくれて、こんなに愛してくれるのだろうか。俺への愛を正直に伝えてくれて、こんなの、俺は、どうしたらいいか分からない。分からないけど、今俺は、目の前に座っている恋人に、抱きつきたくて仕方がない。
と思うより先に、言葉に出ていたのだ。
「お、俺の方が、だいすき、ゆうすけさん、」
はっと口を抑える。今俺、なんて言った?だいすき、の後、名前で…全然呼ぶつもりは無かったのに、さっきまで名前で呼ぶことを考えていたせいで思わず口に出してしまった。どうしよう、引かれた?いやでも、名前で呼びたかったのは本当だし、いやでも急すぎたよな、いやでも…頭の中が散らかっていて視線をしどろもどろにさせていると、獅子尾さんが椅子から立ち上がった。
「いふくん」
「えっ、あ…」
「餃子、冷めてもええよな」
「…え…?、うわっ!」
獅子尾さんの大きい腕で全身を持ち上げられる。軽々持たれたことに驚いていると、いつの間にか寝室に着いていた。優しくベットに降ろされると、首筋に顔を埋められる。
「っ、ちょ、」
「俺はこれまで、ずっと我慢してきたんやで」
「……?」
「言うてもいふくんは年下やし、学生やし、そんなにがっつかんように自分を制御してたつもりやった」
そのまま首筋を舐められ、両腕をベットに押さえつけられる。
「っ、ん…」
「やのにな、誰かさんのせいで、もう限界」
「あっ、まって、」
「待つ?いふくんが誘ってきたのに?」
「さ、誘ってないっ…!」
「嘘つけ、じゃあなんでいきなり名前で呼んだねん」
「そ、れは……」
言うのが恥ずかしくて顔を逸らすと、顎を掴んで目線を合わせられる。獅子尾さんの眩しい瞳に、吸い込まれそうになる。
「なに、言うてみて」
「…し、ししおさんが、いつも俺に、いっぱい愛を伝えてくれるから、俺もおかえししないと…って、思っただけ、」
「……はーーーー……」
獅子尾さんの大きな溜息にびっくりしたと同時に、唇を押し付けられる。久しぶりのキスで胸が満たされていく。
「口開けて」
「ん、あ、」
「いい子」
言われた通り口を開けると、口内が舌で満たされる。分厚い舌で、自分の歯列を舐められる感覚に背筋がぞくぞくする。こんなキス、彼女もできたことない俺がしたことある訳がない。
「ん、ふぅ、んぁ、…ふ、」
「っは、…」
「はぁ、んっ、…あ、しし、お、さ、」
「違うやろ、」
「ん、…、ゆ、ゆうすけ、さん」
「ふ、かわいいな、いふくん」
耳を撫でられながら、激しいキスをされる。こういうの、ゆうすけさんは慣れてるのかな。違う女の人と、やったことあるのかな。酸欠でぼおっとする頭でそんなことを考えていると、いつのまにかベルトを外され下着まで脱がされていた。
「は、ぁっ…はぁ、…す、する、ん?」
「ここまで来てしないことあるか」
「…うぅ、…」
「それよか、こっちの方がきつそうやで」
さっきのキスで自立した俺のものを直接触られる。人に触ってもらったことがないそこが、さらに立ち上がる。
「ひ、ぁっ、」
「1回出しといた方がええんちゃう?」
「へっ、あ、まっ、うそ、」
獅子尾さんの綺麗な顔が、俺の下半身に近づく。まじかよ。そんな。
「んっ、や、ちょ…や、やだ、」
「はひは?」
「んぅっ、だめ、きたな、」
今まで感じたことの無い、自分のものが誰かの口で包まれる感覚。そして、それを獅子尾さんにやられているという事実が信じられなくて、目元にじわりと涙が浮かぶ。獅子尾さんの頭を掴んで離そうとしても、弱々しく髪を掴むことしか出来ない。
「はっ…ぁ、んん、い、いく、でる、からっ…」
「らひて、」
「あぁっ、まっ…!や、で、る、」
このままだと獅子尾さんの口に出してしまう。駄目だと分かっているのに、体に力が入らない。下を向くと、獣のような金色の瞳と目が合う。その瞬間、俺は精を吐き出した。
「…ふは、かわい」
「っ、は、…ん、…はぁ、…は、」
息も絶え絶えになりながら獅子尾さんの方を向くと、綺麗な喉仏が上下に動いた。
「は、の、のんだっ…!?」
「ん、うん」
「そんなのきたない、!早く出して!」
「何言うとんの、」
いふくんから出るもんは全部欲しいのに、
「…っ!」
知らない、こんな獅子尾さんは。
今までそういう話もしたこと無かったし、獅子尾さんはそういうのに興味が無いのかと思っていた。もちろん俺も、興味がない訳ではなかったが、獅子尾さんといれるならそれでいいと思ってた。
なのに、今日の獅子尾さんは、一段と大人に見える。まるで、普段隠している牙を満月の夜にだけ見せる、狼男のように。
「いふくん、後ろ使ったことある?」
「は、いやないわっ…」
「そうか、じゃあ、ゆっくり慣らすからな」
「へ…」
獅子尾さんが近くの引き出しに手を伸ばし、そこからローションとゴムを取り出す。
「うつ伏せになって」
「ん、」
「腰上げて」
「っ、」
「そう」
獅子尾さんの手のひらでローションが温められると、ゆっくり中指を挿れられる。
「、っ…んん、あ、っ、」
「…やっぱきついな」
「ふ、っ…ぅ、ん、」
慣れない異物感に、思わず声が出てしまう。長くて綺麗な指が中を掻き回してくる。でも、その動きにさえも優しさを感じる。俺を傷つけないように、ゆっくり準備してくれてるのだと思う。
「…うぁっ、ん、んん、」
「痛い?」
「っ、んん、いた、くはない、」
「…そう、もうちょっと慣らすからな」
後ろを向くと、獅子尾さんはいつものように目を細めて微笑む。
この顔、いつみてもすきなんだよな。
「んっ、ふ、ん、っ…あっ、!」
バラバラに動く指が、ちょうどしこりの部分に触れる。
「ここか、」
「あ、や、っ…ぅあ、っ…」
「いふくん、もう指2本入ってるんやけど」
「っ…!」
「気づかんかった?」
「、ん、ぅ…あ!」
喋りかけてくる癖に、指の動きを止めてくれない。
「…い、じ、わる…」
「んー?そんなことないけど」
「んん…あっ、 」
「…そろそろ解れてきたな」
「っ…?」
動いていた指が引き抜かれ、獅子尾さんが服を脱ぐ。それと同時に、体を上に向かせられる。その瞬間、色っぽい獅子尾さんと目が合う。
(……かっこいい…)
風呂上がりの時とかに獅子尾さんの体は見たことあるけど、近くで見るとこんなに綺麗だったんだ。
「…どした、俺の身体に見惚れた?」
「………うん、すごい、かっこいい、」
「ははっ、…でも今は身体じゃなくて、」
俺を見て、
耳元で囁かれ、そのまま口にキスされる。
「挿れるで」
「ん…」
小さく頷いて、初めてが襲ってくる恐怖に強く目を瞑る。
「、っあ、ん、…っ、」
「っ、…やっぱり、きついな」
指とは比べ物にならない程の質量に、我慢できない声が漏れる。
「痛い?」
「…、く、なぃ、…」
「辛くない?」
「…ん、っ、ぅ、ん…」
いたくないけど、くるしい、
中の圧迫感に体が震え、呼吸もままならない。短い息を繰り返していると、獅子尾さんの手が頬を撫でる。
「いふくん、深呼吸して」
「っは、……ふ、……ふぅ、」
「大丈夫、ゆっくり吸って、」
耳心地の良い声が心を落ち着かせてくれる。そして、ゆっくりと獅子尾さんが奥へ進める。
「あ、っ、ぅあ、…ふ、 」
「…全部、はいった、」
「は、ぅ…」
あの大きさのものが俺の中に入ったのかと思うと恐怖さえ感じる。だが、それを受け入れるために作られていない俺の身体は、中の異物を出そうと必死に締め付ける。すると、獅子尾さんの汗がポタリと滴る。
「っ、ふ、きつ、」
「んっ…、ぁ、…」
「っいふくん、動いてもええか…?」
「う、…い、いいっ、けど、…」
「うん…?」
「ゆ、ゆっくり、して、」
「っ、…できるだけな、」
「あっ!んぁっ、ぅ…!ひぁっ、!!」
今まで感じたことの無い快楽。内臓を押し出されるかのような感覚。すべてが初めてで、とても怖くて、なにも考えられない。
「う、あっ、んん、ぁっ…!」
「はっ、…いふくん、大丈夫?」
「ん、はぁっ!んん、ぉ、」
大丈夫、な訳がない。でも、駄目とは言えない。もう、なにも、分からない。だって、こんなの、しらないんだ。まるで、未知の世界に迷い込んでしまったみたいで。
「いふ、くん、っ…」
「あぁっ、ぅ、い、くっ…」
奥まで届く度に、腰が上がってしまう。俺をこんな風にさせてる犯人は、1人しかいない。でも、俺が助けを求められる人も、1人しかない。目の前の彼がこわいのに、すきでたまらない。わけのわからない涙で視界が滲んできた時、俺は獅子尾さんの首に手を回していた。すると、綺麗な顔が一瞬歪み、そのままキスをされる。
あ、まずい、
「ふ、んっ…ぁ、い、く、」
「ええよ、俺も、っ…」
「あっ、ゆ、すけ…さっ…うぁっ!」
「っ!」
「ん、あっ、…〜〜〜っ、!」
「っく…」
「っは、…ぁ、…ふ、…」
欲を吐き出したあと、天井を見つめながら息を整える。
「いふくん、…大丈夫?」
「…ん、……」
髪を撫でられ、そのまま頬にキスされる。それがとても心地よくて、思わず睡魔に負けそうになる。すると上から、いつもより弱々しい声が降ってきた。
「なぁ、いふくん、もっかい…」
「……うぅ、」
「だめ、…?」
こんなこと言われたら、愛しさで胸が張り裂けてしまう。黄金の瞳に吸い込まれるように、俺から口付する。
「…………いい、」
____________________
「いふくん、もっかい」
「…も、もう十分呼んだやろ!!」
「まだ足りない」
「んん、もうやだっ」
「…いふくん、お願い、あと1回だけ」
「その顔がずるいんだって…」
「ね、だめ?」
「…………ん、ゆ、ゆうすけ、さん、」
「あー…すき、」
「んむっ、ちょ、」
「明日からも呼んでくれる?」
「……かんがえとく」
あなたが嬉しいなら、もうなんでもいいかもしれない。これが諦めなのか愛なのかは、言わずともわかるだろう。
【かわいい】
「なー、今度ここ行かん?」
「ん?」
「ここ、猫カフェ、新しくできたんやって」
「えっ、行きたい!行くっ!」
「ふ、猫好きやもんな」
「うん、すき」
「いふくんと猫とか…絶対かわいいやん…」
「……」
二人は、カフェの近くの公園のベンチで身を寄せあっていた。
そして、俺、獅子尾ゆうすけは恋人のいふくんの肩に頭を預けていた。
この公園は以前からいふくんがよく行っていた場所らしい。この前聞いたら「穴場なんだよ」って嬉しそうに言っていた。抱きしめた。
「最近デート行けてへんもんなー、」
「獅子尾さんが空いてる日にちょうど合宿入ったりしちゃうから…ごめん、」
「いいんよ、仕方ないやん」
「うぅ…でも、俺もいきたい…」
「そやなー、また時間見つけるしかないな」
「…ん、」
横を見ると、露骨に残念そうな顔をした天使がいる。
「何かわいい顔してんの、」
「……だって、もっと獅子尾さんと一緒にいたいのに」
「はーー…もう、そんなかわいいこと言わんといて…襲うぞ」
「…………ねぇ、獅子尾さん」
「ん?」
「俺、かわいくないんだけど」
「………は?」
むすっと口を尖らせて、こちらを睨んでくる。かわいいけど、何を言っているのか分からない。
「獅子尾さんってよく、俺にかわいいって言うでしょ」
「…うん、嫌だった?」
「いや、じゃないけど、嬉しくはない」
「ええー 」
「男なんだし、やっぱかっこいいって言われたい!」
「そうはいってもなー…かわいいもんはかわいいしなー…」
俺は思ったことを口に出しているだけだし、なんなら今まで我慢してきただけで出会った時からかわいいって思ってたし、今更いふくんをかっこいいとは言えないと思う。言えたとしても、それは嘘になってしまう。
「あと、かわいいは、ちょっと恥ずかしい…」
「え?」
「なんか、慣れないから、恥ずかしい、」
「……はー…、やからー…そういうのがかわいいって言ってんのに……」
「っだから、これから1週間!かわいいって言うの禁止!」
「…は?」
「その代わり、我慢できたらご褒美あげる」
「………は?」
__________________
何故だか、かわいい恋人に、『1週間「かわいい」禁止』という課題を課せられてしまった。
俺らはいつもなら週2回程度しか会えないのだが、いふくんが長期休みに入って毎日俺の家にお泊まりするようになった。だから、仕事から帰るといつもいふくんが俺を玄関で出迎えてくれるのだ。こんなんほぼ同棲だよな。
そうするようになってからというもの、当たり前のように「かわいい」と言っていたもんだから、それを言えないとなるとかなりキツイ。…てか思ったけど、かわいいって言っちゃうのは俺のせいじゃなくない?いふくんがかわいいのが悪くない?
だが、1週間我慢すればご褒美がもらえるらしい。そんなもんやるしかねえだろ。たかが1週間言わなければいいだけだ。
そう意気込んだ俺は、何とか5日目までは耐えれている。正直、何回も言いそうになった場面はある。
『んー、このパフェうまいな、いふくん』
『うんっ、おいしい』
『ふ、クリームついてる』
『え、どこ、とってっ』
『……』
『?はやくぅ』
『っか、…か、…ぅ゛ぅ゛…』
『なぁいふくん、俺が髪乾かそうか』
『えっ、ほんと?』
『うん、こっちおいで』
『ありがと…』
『髪きれーやなー…』
『…ふふ』
『ん?』
『なんか、獅子尾さんに触られると、ねむくなっちゃう』
『…』
『あんしんするのかな…ふふ、』
『うどぁっ!!!』
『(うどぁっ…?)』
『獅子尾さんっ』
『しーしおさん!』
『ゆ、ゆうすけ、さん…』
いやこれもう狙ってるよな!?俺にかわいいって言わせようとしてるよな!?あんの小悪魔め…いつかお仕置してやるからな。
そっちがその気なら、俺も最後まで我慢してやる。絶対1週間耐えきって、ご褒美をもらう。それが俺の使命だ。
そして、今日も俺の天使は、俺の横に座ってテレビを見ている。全くもう、何もしてなくてもかわいいのどうにかしてくれないかな。
「…なに?」
「いや?なんもない」
「ふーん、」
「あっ、このカフェ!」
「前話したとこ?」
「そうそう」
ちょうどこの前行きたいと話したばかりの猫カフェのCMが流れた。CMの中では、有名な女優さんと猫たちが一緒に戯れていた。
「この女優さん最近よく見るよなー」
「確かに」
「うわー猫かわいい…」
「わかるー」
「女優さんも普通にかわいいしな」
「…」
「絶対一緒に行こうな、来週とか、木曜日とかなら空いて…」
「ね、さっき、なんて言った…?」
「え、さっき、…って…」
「女優さんが、なんだって?」
「え、普通にかわいい、って…」
「ふーーーーん………」
「…え」
まさか、え、まさか、
「やきもち…?」
「なんか…自分がかわいいって言われるより、俺以外にかわいいって言ってる方が、なんか……つまんない、」
人生で初めて、愛おしすぎて辛いと思った。この人の為なら、何だってしてあげたいと。
「もう…………無理、降参する……」
「え?」
「かわいすぎて無理……やきもちやくのとか、かわいすぎて無理……天使……抱きしめたい……好き……」
俺の5日間の努力は、今日で砕け散った。
「ご褒美もらいたかったんやけど…、でも、流石に耐えれんかった」
「……んー、」
突然、いふくんの頭が俺の肩に乗っかる。
そして、上目遣いで俺を見てきた。
「俺は、1週間かわいいって言うのを禁止にしただけで、俺に触れちゃダメなんて言ってへん」
「へ…」
「だからいつもより触れてくれなくなって、さみしかった」
「…は、へ、」
「もう、いくらでもかわいいって言っていいから…、」
もっとあいしてほしい、
そこから先の記憶はない。目の前の彼を、隅から隅まで愛して、証を残して、抱きしめあった。そして、何度も、かわいいと呟いた。その時の彼の顔といったら、……いや、これは俺だけが見れる特権だから、君たちには言ってやらない。
でも、次の日の朝、いふくんは、眠そうな目でこう言った。
『…、やっぱり俺、かわいいって言われるの苦手』
『え、嫌やった?』
『…そうじゃなくて、かわいいって言うときの獅子尾さんの顔をみると、胸がきゅうってなるから…』
『…そんなこと言って…また抱いてもいいんか』
『も、もう無理!』
この愛しい存在を、俺は死んでも離さないと心に誓った。
コメント
6件
初&時差コメ失礼します! もう最っ高です🥹🥹 何となくこの界隈 黒青派より青黒派の方が多い感じがしてて実際に供給も少なかったので、まさか大好きな黒青のこんなに素敵な作品に出会えるなんて思っておらず⋯⋯!! ほんとにありがとうございます😭運動会の筋肉痛吹き飛びました💪 フォロ失です😻🫶

続き待ってましたーーー!!😭😭😭可愛いすぎる黒青ありがとうございます😭😭🙏🏻🖤💙🖤💙
やばい死んでまう😱😱😱😱 さーもんちゃんの作品全部が神すぎて泣けてくる😭😭😭 神作品をありがとうございます🫶🫶🫶
2,020
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