渡辺は、玄関に座っている。
泣きながら目黒を待っている。
会いたい。 会いたい。
ピンポーン
渡辺は涙を拭う事もなく玄関を開けた。
目黒に飛びついてもっと泣き出した。
目黒が慌てて玄関の扉を閉め、渡辺を抱きしめる。
渡辺を抱きしめたままソファまできた。
落ち着かせようと目黒はコーヒーの準備をしようかと思ったが渡辺が離してくれない。
目黒ー翔太くん。
渡辺ーんんっ・・んんっ・・。
目黒ー俺来たから泣き止んで?
渡辺ーん〜んっ・・。
暫くは泣き止みそうにない。
目黒は背中を優しく撫でている。
小さな子供のように、目黒に跨り,首にしがみつき全身で泣いている。
渡辺ーさ・・みし・・かった。
目黒ーん、俺も。
渡辺ーだき・・しめて・・ほしかった。
目黒ーん、翔太くんを抱きしめたかった。
渡辺ー翔太って呼んで・・ほしかった。
ようやく涙も止まったみたいだ。
目黒ー翔太くん、好き。
渡辺ーん、好き。
目黒ーいっぱい好き。
渡辺ーめめ、いっぱい好き。
目黒はこんな可愛い人知らない。
好きになって、好きになってくれて嬉しい。
渡辺を強く抱きしめた。
渡辺も泣き止んだし、コーヒーでも淹れようかとキッチンに向かう。
渡辺は雛鳥みたいに、目黒の服の裾を持ち後をついて来る。
目黒ー翔太くん、服が伸びる。
渡辺ーん。
目黒ー向こうで待ってて。
渡辺ーん〜ん。
目黒ーあっ腕回して来た。
渡辺ーんふふ。
目黒ーもう!
渡辺は目黒の背中に引っ付いている。
目黒はコーヒーを淹れながらゆらゆら身体を揺らしている。
こんなに甘えてくる渡辺も珍しい。
両手にコーヒーを持ち、渡辺を背中に張り付かせたままソファまで戻って来た。
目黒ー翔太くん、ほら座って。
渡辺ーん。
目黒ー身体の調子は悪くないの?
渡辺ーん。
目黒ー何が言いたい事ある?
渡辺ー阿部ちゃんと2人で何話してたの?
目黒ー翔太くんの体調が悪いのかなって。
渡辺は俯いてしまった。
どこも悪くない。
気持ちの問題だ。
目黒ー大丈夫?
渡辺ーん、大丈夫。
目黒ーみんな心配してたよ。
渡辺ー明日からちゃんとやる。
目黒ー翔太くん、抱きしめたい。
渡辺ー・・。
目黒ー震えててもいいよ。
そっと抱きしめる。
渡辺はやっぱり少し震えてる。
だけど目黒の背中に腕を回してしがみついている。
目黒ーいっぱい泣いた?
渡辺ーん。
目黒ーちゃんと眠れた?
渡辺ー・・。
目黒ー抱きしめてほしかった?
渡辺ーん。
目黒ー翔太くんが好き。
渡辺ーめめが好き。
優しくキスをする。
深くなっていくキス。
渡辺は目黒の膝に座って首に両腕を絡めキスに応えている。
目黒は今夜の渡辺は可愛いと思う。
何度もキスをして、渡辺が震えなくなったら、押し倒そうと思った。
渡辺ーんっ・・ふつ・・。
目黒ー可愛い。
渡辺ーゃ・・はぁ・・。
目黒ー・・。
渡辺ーめ・・め・・。
目黒ー大好き。
渡辺ーふっ・・ん・・。
ゆっくり渡辺をソファに横たえると覆い被さった。
薄茶色の目から涙が溢れる。
目黒ーどうしたの?
渡辺ー女の子じゃない。
目黒ーん。
渡辺ーそんなに優しくしないで。
目黒ー大好きだから優しくしたいの。
渡辺ーホントに?
目黒ー大事な翔太くんに優しくしたい。
渡辺ーめめ、俺も大事。
微笑みながら目黒にキスをする。
目黒は、渡辺の首筋を舐めた。
艶っぽい声がする。
鎖骨に吸い付き淡くキスマークを付けた。
どこまでだったら渡辺は許してくれるだろう。
そっと腰を撫でた。
しがみついて首を振る。
服の上から胸の飾りを噛んだ。
目黒を押し除けようとする。
まだ無理なのかな。
目黒は渡辺を抱きしめ諦めのため息を吐いた。
渡辺ーご・ごめん。
目黒ーゆっくりね。
渡辺ー・・ん。
目黒ーいつまでも待たないよ?
渡辺ー意地悪。
目黒ー少しずつ慣れてね。
渡辺ー恥ずかしい。
目黒ーダメ、ホントに嫌ならしないから。
渡辺ーん。
それから会うたび少しずつ身体に触れることが増えた。
渡辺は泣きはしないが僅かばかりの抵抗をする。
目黒は、渡辺が震えているけど嫌がってないのが分かるから抱きしめて身体を愛する。
少しずつ乱れていく渡辺は可愛い。
1か月、2か月と日々を重ね。
愛しあえるようになっていった。
渡辺が震えるのは仕方ない。
目黒はいつか震えなくなればいいなと思っている。
目黒ー翔太くん、大好き。
渡辺ーんっ・・はぁ・・。
目黒ー感じる?
渡辺ー・・い・・う・・な。
目黒ー・・。
渡辺ーあっ・・もう・・。
完
コメント
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このめめなべは、読んでいて胸が苦しくなるくらい愛おしいです。