「」葛葉
『』叶
※キャラ崩壊、口癖 注意
2人が高校生で同級生の設定です。
(授業終わり)
『ふぅ…やっと終わった、、、』
4限目の授業が終わり、やっと昼休みの時間になる。
大きく伸びをして固まった身体を伸ばす。
いつも通りお昼ごはんに葛葉を誘おうと思い、席から立ち上がる。
ふと葛葉の方を見ると席の近い友達と仲良さそうに話している。
『ふわっちか…』
葛葉の隣で笑っているのはクラスメイトの不破湊。
僕とふわっちは1年のときに初めて話し、趣味や得意なことが似ていて意気投合してすぐに仲良くなった。
そのころ葛葉とはクラスが離れていてあまり話す機会がなかったため1年のころはずっとふわっちと過ごしていた。
が、2年になって同じクラスになり葛葉とふわっちの席が近くなったことで2人はすぐに仲良くなった。
僕と趣味が合うことから『葛葉と話せば仲良くなるだろうなぁ』とは思っていたがまさかここまで仲良くなるとは、、、
ここ最近、2人はずっと一緒で登下校中以外で葛葉と話すことはほとんどない。
初めは『葛葉の友達関係を邪魔しちゃだめだ』なんて思っていたが2人の交友関係は深くなっていく一方。
今も葛葉はふわっちの膝の上に座って一緒にゲームをしている。
前は休み時間になるとすぐに僕の方に来て話しかけに来たのに。
『僕の葛葉なのに』
ふわっちへの怒りや嫉妬の感情が渦巻く。
違う。ほんとは僕のものでもなんでもない。
こんな気持ち、本人には嫌われるのが怖くて伝えられないくせに。
自分勝手な葛葉への感情ががんじがらめになって僕を取り巻いていく。
どろどろとした感情が身体の内側から込み上げてくる。
頭がぐらぐらする。
だめだ。こんな自分勝手な感情。押し殺さないと。
僕の感情で葛葉の友達関係を邪魔しちゃだめだ。
頭ではそう分かっているのに身体は言うことを聞いてくれない。
気付いたら僕は葛葉の席に行き、葛葉の腕をつかんでいた。
ふわっちが僕に気付き、無邪気に笑う。
不破「かなかなじゃん!一緒にゲームする?」
『ふ、ふわっち…』
「叶?な、なに」
『……。』
驚いた顔をしながら僕の顔を見る葛葉。
友達に急に無言で近づかれ、腕を掴まれるなんて驚いて当然だろう。
「叶?」
『っ…』
イライラする。他の男と話してるのも、笑いかけてるのも。
感情のままに葛葉の腕を引っ張り、自身の方に引き寄せる。
「っ!?叶!?」
驚く葛葉の隣でぽかんとした顔をしているふわっちに
『ふわっちごめんね、葛葉に用事があって、、、ちょっと借りるね』
と愛想のいい笑顔を浮かべる。
不破『あ、うんいいよ!』
ふわっちがそう言うのを聞き終わる前に葛葉の腕を引っ張って教室を出る。
「お、おい!叶!どうしたんだよ!?」
『……』
『か、かなえ…!!』
『……』
ずっと僕に話しかけてくる葛葉を無視して旧校舎の踊り場まで葛葉を引っ張る。
感情のままに葛葉を壁に押し倒す。
葛葉がびくっと身体を震わせる。
「…ほんとお前、、、どうしたんだよ、、、」
『……』
「な、なんか言えって!!」
『…僕の………』
「は?」
『僕の葛葉なのに!!』
自分でもびっくりするぐらい大きい声が出る。
もうだめだ、我慢できない、隠せない。
今まで隠してきた葛葉への気持ちも、怒りも全部。
「お、おま、、、、、、なにいって、、、』
『そうだよね、わかんないよね。僕が葛葉のことどれだけ好きかなんて。
ふわっちとばっかり話してることにどうしようもなく腹が立って嫉妬してることも全部、全部。葛葉にはわかんないよね。』
身勝手な言葉が僕の口から吐き出される。今まで隠してきた気持ちを葛葉が分かるわけがないのに。
なのに止まらない。どろどろとした醜い気持ちが心の奥底から湧き上がってくる。
今まで抑えてきた感情が爆発する。
「す、すきって…ど、どうゆう…」
『僕、葛葉のこと好きだから』
「…は?」
『友達としてじゃなくて1人の人として、好きだから』
あーあ、言っちゃった。言うつもりなんてなかったのに。
葛葉の顔を見る。
みるみるうちに顔が赤くなっていく葛葉。
照れているのか、怒っているのか、どちらとも言えない表情をしている。
気持ち悪いよな。今ままで友達だと思ってた奴に急に告白されて。
幻滅されたかな。
もう、友達ではいられないのかもしれない。
話すことができるのも今日で最後になるのかもしれない。
葛葉の身体が震えていることに気付く。
『っ!…』
とりあえず葛葉に謝罪しようとしたその時_
「ご、ごめっ………」
そう言い残し、葛葉は階段に向かって走り出してしまう。
『く、くずは!!』
葛葉を追いかけようと踏み出した足が止まる。
僕が葛葉を追いかける資格なんてあるのだろうか。
仮に追いかけて捕まえたとして、僕が葛葉にかけれる言葉なんてない。
自分勝手な感情で葛葉のことを振り回して、おまけに告白までして。
『僕、最低だな』
葛葉がいなくなり、静まり返る旧校舎の踊り場。
その静寂が僕の心をかき乱す。
葛葉にしてしまったことへの後悔、申し訳無さ、そして自分への怒り。
いろんな感情がごちゃまぜになって思わず涙がこぼれ落ちる。
『なんで僕が泣いてんだよ…』
ふと踊り場の窓を見ると雲行きが怪しくなっていることに気付く。
まるで空気を読んだみたいに突然降り出す雨。
開いていた踊り場の窓から雨が入り込む。
窓を閉めようとしても身体が鉛のようにずっしり重くなって動かない。
思わずため息が出る。
こんな状況になっていても葛葉の顔が僕の頭から離れない。
『くずは……。』
気持ちを落ち着かせようと瞳を閉じてもとめどなく涙がこぼれてしまう。
ごめん、ごめんね。葛葉。
もういちど、もういちどだけでいいから、
はなしがしたいよ。
みとめたくない恋 #4 fin.
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