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別の意味でドキドキしながらリビングに戻る。隆ちゃんの背中を眺めながら後をついて行く。新婚生活一日目にして私が変態だって事がバレてしまうとは流石に思いもしなかった。せめて一週間くらいはバレないかと……
ソファーに二人並んで腰を下ろす。早速読み始める隆ちゃんの隣で一緒に漫画を覗き込む。
(あぁ、そろそろヤッチャウヨー、ゴムピリッとシチャウヨー、いや、そのシーンが最高なんだけどね)
「ふーん」
(ふーん!? 何に対してのふーんなの!?)
どエロいシーンもなんの表情も変えずに淡々と読んでいく隆ちゃんを見ながら私は一人ドキドキが止まらずジッと座ってるのもままならず、体操座りしてみたり、ちょっと立ち上がってお水を飲みにキッチンに行ったりと、とにかく落ち着かなかった。
読み終えたのかパタンと漫画を閉じると「ふぅ」とため息混じりの息を吐き私をジッと見つめ始めた。
「ど、どうだった……?」
ゴクンと息を飲む。
「いや、恋愛漫画って初めで読んだけど、結構過激なんだな、ゴム口で破いてんのとか初めて見たよ、流行ってんの?」
「物凄く流行っております……むしろそれがないTLって滅多に見ないって程……」
「へぇ……てか、TLってなに?」
「ティーンズラブって言って、大人の女性向け漫画って事だよ」
「なるほどな、確かにあれは子供には見せられないよな、面白かったからまた貸してよ」
はははと笑いながらまた貸してと言う隆ちゃんに驚きを隠せない。え、いいの? こんなどエロい漫画読んでるんですよ? 私。って聞きたくなったけど墓穴を掘りそうで喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。
「美桜は明日の朝何時に家出れば会社に間に合うの?」
「私は八時かな、ここから近いから」
「俺と同じだ、じゃあまだ寝なくても大丈夫だよな」
時刻は夜の九時。普段は夜中まで起きて漫画を読んでいる事が大体なので、当然まだ眠くはない。
「まぁ、大丈夫だけど、もう一冊読む?」
「ん、読まないけど……」
隆ちゃんは真っ直ぐに私を見て、目を逸らさせない。段々と近づいてくる顔に私と同じシャンプーの香りがフワリと香った。私達を包む雰囲気がガラリと変わり性的な艶のある雰囲気になり、トクンと身体が疼く。
「もう一回美桜の事抱きたいな。いや、もう抱く」
彼が艶美な声を出すと耳元に吐息が当たりくすぐったいとはまた違う感覚がゾクリと背筋を走る。いつの間にか彼に横抱きをされ、足が宙を舞う。待っての一言も言わせないかのように唇を塞がれ、キスを繰り返しながら寝室に入る。