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⚠︎︎これは作者の妄想です。
ご本人様の迷惑にならないように皆で気をつけ ましょう!
rd×tb
tb『』 その他「」
ーーー
「つぼ浦、その荷物重くない?手伝おうか?」
『あ゛?大丈夫だ。俺は強いからな。』
アオセンはこんな俺にもいつも優しく接してくれている。だがその優しさを感じる度に何故か耳鳴りが酷くなった。
その日は雨だった。
この天気にいつもつぼ浦は悩まされていた。
『あ゛ー、ちくしょう。頭痛てぇ…』
自分のパトカーに乗っていつものように事件対応をしに行ったが、雨の音がうるさくつぼ浦は少々苛立っていた。窓を閉めても雨の音は耳にしつこくこびり付いたまま…。
キーンと耳鳴りがし、頭痛も相まってとても辛かった。
『俺は特殊刑事課だ。こんな事で休むようじゃ特殊刑事課は務まんねぇ。』
つぼ浦は小さな溜息をつき、車のスピードを思いっきり上げた。
事件現場に到着し、つぼ浦は大きな声で人質が居るか確認する。人質犯人共に1人。いつも通り。そう、いつも通りだ。
『解放条件はなんだァ゛ーー!!!!』
「解放条件?そんなの要らねぇよッ」バァン!
『は、?』
つぼ浦は油断していた。
いつも通りの対応は全ての犯人に通用する訳では無い事をすっかり忘れていた。耳鳴りもするから余計にだ。つぼ浦は自分の体を見ると、何発も弾が食い込んでいた。痛い、痛い痛い痛い……痛い…。息を荒くしてその場に屈んだ。壁にもたれ掛かりながら、人質に声をかける。
『ぁ゛おい…!早く離れ、ろ……ゲホッゴホッ』
人質は腰を抜かしてその場に倒れ込み、犯人はニヤリと笑みを浮かべ現場から逃げていった。
『ガハッ クッソ……。どう、すれば…。』
そう言いつぼ浦は意識を失った。
「あ、あぁ…け…警察に電話を…!!」
人質は身体を震わせながら通報をした。
雨は止むことを知らなかった。
ーーー
つぼ浦は目が覚めると病院のベットの上にいた。
「つぼ浦さん、大丈夫ですか?意識はありますか?」
救急隊員が声をかける。つぼ浦は体が痛くないことに気づき、救急隊員に感謝した。
辺りを見渡すと、部屋の隅に見慣れた青鬼の仮面を被っている人が居た。
『アオセン。何してんすか。』
「あ、気づいてたんだ。」
『はい。まぁ…』
「ねぇ、つぼ浦。何があったの?」
『いや、特に何も。』
「はぁ…無理しないでっていつも言ってるよね?」
『……』
「つぼ浦にもし何かあったらどうするの?」
『何言ってんすかアオセン、 俺は無理して
ねぇっす。 アオセンが心配性なだけだ。』
「…お前には俺が心配性に見えるのか。」
『はい。そうっすね。』
「…………、そっか。 」
青井はつぼ浦の頭を撫でた。青井の悲しそうな目がヘルメット越しに見えていたがつぼ浦は黙っていた。
少し耳鳴りがした。
ーーー
次の日
つぼ浦は自宅のベットで目が覚めた。
キーーーーーーーン
耳鳴りは昨日より酷くなっていた。
『ア゛ッ!! ガ、 ハァハァどうなってんだ…これ。』
頭にずっと鳴り響いている。
つぼ浦は耳を両手で塞いでベットに蹲(うずくま)った。
”こんな事で休んでんじゃねぇ” つぼ浦は這いつくばって家を出て、車に乗り込んだ。意識が朦朧とする中、
車を走らせる手は止めず警察署に向かった。
『少ししてりゃ直るんだ こんなもん 俺の体は強いんだ…』
・
・
・
警察署に到着し、ガレージに車を停める。
『ハァハァ… 大丈夫だ…』
車の中で腕に顔を埋めていると、コンコンっとノック音が聞こえた。 窓の向こう側には青井が居た。
「ねぇ、大丈夫…?」
『アオセ、俺は問題な…い』
「そんなに強がってる場合?ほら、早く中入って 休も」
青井は少し焦りながらつぼ浦に声をかけ中に運んだ。
少し耳鳴りが止んだ。
ーーー
警察署内
「ねぇ、どうしたの。」
『………………』
「つぼ浦 なんでそんなに強がるの。…やっぱ俺じゃ頼りない?」
『!!…そんなことねぇ!!』
「じゃあなんで隠すの?つぼ浦、昨日より辛いんじゃないの?どんどん元気が無くなってる。」
『ッそれは…、それは……』ハァハァ
心臓がドクドクなる。呼吸が早くなる。頭がはち切れそうだった。
「……。ねぇつぼ浦、こっちおいで」
青井は腕を広げる。
『はッなんでッ』ハァハァ
つぼ浦は顔を真っ赤にし、汗を流し、涙目で固まっていた。そんなつぼ浦を青井が拾い抱き寄せた。
その時、つぼ浦の耳鳴りは止んだ。同時に幸せな気持ちが心を満たしていった。つぼ浦は泣いてしまった。
今まで溜まっていたものが全て崩壊してしまった。つぼ浦は何が起きてもいつも平然としていた。どんなに酷いことを言われようとされようと気にしなかった。いや、気にしないようにしないと生きていけなかったのだ。
しかし、青井に出会ってからその温かさに触れ、知らない間に心が溶かされていっていた。甘えることを覚えてしまった。愛を知ってしまった。もう、辛いことへの耐性などとっくに消え失せていた。
『アオセ、俺…お゛れ゛ッ苦、しい゛…
なんでなんだッ今まで、こんな事ッながったのに゛…』
「うん」
『アオセンに会ってがらッずっと変なんだッ!』
「うん」
『俺はッアオセンが居ないと……生きていげない…
ごめッ俺…いつもはこんなッ我儘じゃ、無い、んだ』
『許して゛、ぐれ…ごめッ』
「つぼ浦。謝らなくて良いんだよ。辛い時は辛いって言っていいんだよ。もう…我慢しなくて良いよ。」
『でもッ』
「俺……つぼ浦のこと好きだから、甘えてくれる方が嬉しいな。つぼ浦が苦しんでるとこ、見たくない」
『……ぇ゛、アオセンッ俺のこと、好き、なのか、?』
「うん。そうだよ。つぼ浦のこと愛してる」
「……」
「ねぇ、つぼ浦。俺たち恋人同士にならないか?」
「いつでも甘えられる存在が居るのはつぼ浦にとって大きいんじゃないかな。俺はお前に我慢して欲しくないし、甘えて欲しい。こうやってつぼ浦が苦しんでいる時に1番近くで支えたいんだ。」
『でも、アオセンッ俺のこんなに弱ってる所嫌いだろ…?』
「そんなこと思ったことないよ。俺はそのままのつぼ浦が好きなんだ。」
『そうなのか……?俺は、あんたに愛される資格があるのか?』
「資格って……。つぼ浦は最初から人に愛される資格を持っているんだよ」
『そう……なのか。』
「自分に正直になって言ってみて。つぼ浦はどうしたい?」
『俺、俺は、…あんたに出会った時ッから、ずっとあんたの事が忘れらんねぇ…頭にこびりついて離れねぇんだ。』
好きだと気づいてしまったら、自分が苦しくなるだけ、 アオセンとなんて俺はなれるはずがないんだから。
そう思っていた。けど、気づいちまった。
俺はアオセンのことが好きなんだ。
愛を知らない俺に愛を教えてくれたあんたのことが。
「うん。教えて。”つぼ浦の”気持ちを。」
らだおはつぼ浦の頬を伝った涙を人差し指ですくい、
つぼ浦の目を見てニコッと微笑む。
『俺も、アオセンのことが好きだ。』
「ふふ、嬉しいな。本当に。つぼ浦にOKを貰えるなんて思ってもみなかった。俺 今、世界で一番幸せだよ。」
青井はつぼ浦を愛しそうに見つめ頭を撫でた。
つぼ浦は少し恥ずかしそうにしながら大人しく頭を撫でられていた。
・
・
・
「ねぇ、体。大丈夫?」
『あぁ、もう問題ないぜ!アオセンが抱きしめてくれているから、どこも痛くねぇ!』
「そっか、良かった。」
「ねぇ、つぼ浦。愛してる。」
『!? ………俺も、好き だ…』
「愛してるが聞きたいな。」
『……』
『………………あ、…あいしてる…』
「え!?本当に言ってくれた!!ねぇ、もっかい言って?」
『……………ぁ、、……あ゛ぁー!!もう二度目は言わねぇ!』
「え!?そんなぁ…!」
「お願い!」
『勘弁してくれ……!』
「もう聞けないの?」
『……ッ』
『恥ずいから…また今度にしてくれ。』
「!! 」
「分かった。」
天気はすっかり晴れていた。
ーーー
end.
自分語り
⚠︎︎どの呼び方が正解か分からなかったのでここでは青井らだおさんをアオセンと呼ばせて頂きます。
つぼ浦は自分の気持ちに気づきたくありませんでした。
なので、
片思いの時は”アオセン”からの愛が辛かったから
耳鳴りがしていました。(体が拒否反応を起こす感じ)
”アオセン”が悲しい顔をしていた時も、あぁ、申し訳ないことをしたと後悔してしまえば、自分の気持ちに気付きかねないので、気づかないようにただ耳鳴りがします。
翌日の朝はもうつぼ浦にとって限界が来ていました。
”アオセン”への気持ちに気づいている自分がいたのです。
病院に行かず警察署に向かったのも、こんなことで休んでいられるかとつぼ浦は思っていましたが、本音では”アオセン”に癒して欲しかったんだと思います。
(この耳鳴りを止めたい、正直になりたい。という思い)
アオセンに抱き寄せられて耳鳴りが止まったときは、
アオセンからの愛を感じ、自分もその愛に甘えている状態です。(正直にアオセンからの愛を受け取った)
でも心のどこかでアオセンに拒否されてしまうことへの恐怖があったため、自分の気持ちを伝えています。
ここまで読んでくださりありがとうございます。