テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
**【旧未来システム終了】
**【新未来システム構築開始】
青い光が世界中へ広がっていく。
誰もがその光を見上げていた。
泣いている人もいた。
笑っている人もいた。
理由は分からない。
それでも。
何か大切なものが帰ってきた気がした。
そんな光だった。
🍍「終わったのかな」
なつが呟く。
📢「たぶんな」
いるまが答える。
🌸「いや、これから始まるんじゃない?」
らんが笑う。
🍵「そっちだね」
すちも優しく頷いた。
その時だった。
こさめの袖が引っ張られる。
振り返る。
未来の少女だった。
透き通った瞳。
ふわりとした髪。
泣きはらした顔。
でも今は少しだけ穏やかだった。
未来「こさめ」
🦈「ん?」
少女は少しだけ困ったように笑った。
未来「お話ある」
🦈「お話?」
未来「うん」
こさめはしゃがみ込む。
目線を合わせる。
すると。
未来の少女は少しだけ視線を逸らした。
未来「こさめ」
🦈「うん」
未来「わたしも帰る」
静寂。
誰も喋らなかった。
こさめだけが瞬きをする。
🦈「帰る?」
未来「うん」
未来の少女は頷く。
13
2,238
翠玲
2,128
空を見上げる。
巨大な青い光。
人類の未来。
本来の姿。
未来「あれ」
小さな指で空を指した。
未来「わたしの本体」
胸が少し苦しくなる。
そうだった。
忘れかけていた。
この子は人間じゃない。
未来そのものでもない。
人類の未来から分かれた一部分。
三千年前。
寂しくて。
泣いていて。
一人になるのが怖くて。
形を持ってしまった欠片。
だから。
未来が元に戻るなら。
この子も。
帰る。
未来の少女は少しだけ笑った。
未来「ほんとはね」
🦈「うん」
未来「ずっと帰らなきゃいけなかった」
青い瞳が揺れる。
未来「でも寂しかったから」
その言葉に。
こさめは何も言えなくなった。
三千年。
たった一人で。
待ち続けていたのだから。
未来は少し恥ずかしそうに笑った。
未来「だから少しだけわがまました」
🌸「少しだけかなあ」
らんがぼそっと言う。
🌸「三千年だぞ」
未来「らん」
🌸「ごめん」
未来がむっとした顔をする。
その様子に。
みんな少しだけ笑った。
未来もつられて笑う。
それから。
ゆっくり立ち上がった。
未来「でも」
空を見上げる。
未来「もう大丈夫」
風が吹く。
髪が揺れる。
未来「今は一人じゃないから」
その言葉は。
昔の未来には言えなかった言葉だった。
こさめが立ち上がる。
少しだけ震える声で聞いた。
🦈「帰ったら」
未来は振り返る。
🦈「もう会えない?」
未来は考える。
少しだけ。
それから。
にっこり笑った。
未来「会えるよ」
🦈「え?」
未来「未来だもん」
当たり前みたいに言う。
未来「みんなが笑った時」
未来「頑張った時」
未来「夢を見た時」
未来「誰かを好きになった時」
未来「明日を楽しみにした時」
未来は胸を張る。
未来「そこにいる」
こさめは思わず笑った。
本当に。
未来らしい答えだった。
未来の少女は一歩後ろへ下がる。
身体が少しずつ光り始める。
青い粒子になっていく。
過去「時間だ」
過去が静かに言った。
未来は頷く。
そして。
最後にこさめへ手を伸ばした。
こさめもその手を握る。
暖かい。
小さな手。
三千年間待ち続けた手。
未来「こさめ」
🦈「うん」
未来は笑った。
今までで一番幸せそうに。
未来「おかえり」
こさめの目から涙が落ちる。
でも。
今度は悲しい涙じゃなかった。
🦈「ただいま」
未来は嬉しそうに頷いた。
そして。
続けた。
未来「じゃあ」
少しだけ手を振る。
未来「いってきます」
その瞬間。
身体が無数の青い光へ変わる。
キラキラと舞い上がる。
空へ。
巨大な未来へ。
優しく。
穏やかに。
まるで帰り道を知っているみたいに。
光は空へ溶けていった。
最後の最後。
聞こえた気がした。
『ありがとう』
小さな声。
泣きそうな声。
でも。
幸せそうな声。
そして。
少女の姿は消えた。
空には巨大な未来だけが残る。
けれど。
不思議と誰も寂しくなかった。
だって分かっていたから。
あの子は消えたんじゃない。
帰っただけだ。
みんなの明日の中へ。
みんなの未来の中へ。
そしてこさめは空を見上げる。
青い光の向こうで。
誰かが笑った気がした。
🌸「てか過去は帰らないの‥?」
過去「‥俺はいいんだよ」
🌸「いや、帰れよ」
コメント
3件
(っω<`。)うぅ...ってなってたのに!最後で全部吹っ飛んだやんwww めっちゃこれ好き♡