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ここは失敗作が集まるところ。
ボクは失敗作。上手くいった筈なのに。
あの人達が求める成功は何なのだろう。
失敗作。もう動けなくなったヤツら。
そいつらもきっと辛かった。
今は亡骸として積もっている。
いつか潰される体。
強い威圧に潰されるくらいなら。
『一緒に行こうよ。』
君と一緒に逃げだそうじゃないか。
どんどん、エネルギーが減る。
今日、まさに絶好の日だ。
高い、鉄格子の上に座る。
君はボクの手に手を重ねた。
『……君ともっといたい。でも明日はその時』
だから今から逃げるんでしょう。
『失敗作ほど、素晴らしいものはないね』
君は上等な作品だったね。
でも不良品に落ちこぼれてきた。
ほら、泣かないでよ。成功品の癖にさ。
君は素晴らしい、失敗作に劣った神様。
『「『「イコウ」』」』
鈍い音がした。
鉄の音。鉄格子が倒れたのかもしれない。
ジジジジと電子の音がした。
人間じゃない、不良品の。
不良品と成功品の、人間じゃないだけの。
痛みのない、従えない、ゴミの。
共通点、それだけで通じ合えよう。
失敗作としてプレスされる前に。
意志を持ち続けた問題作としていよう。
飛び落ちた先、再生されることなく。
素敵な言葉だった。
やっぱり上等な作品は違うんだね。
誰かに壊された、思いやりの心の欠陥品。