兄さんの赤ちゃん
「兄さん」「嫌…」「ふふっ、可愛い」「やぁ…」
「兄さんの赤ちゃん、早く生まれないかなぁ」
「あああ…御免なさい、御免なさい…」
「兄さんが望んだんだろ、責任持てよ」
「…誰のせいだと、」「うるさい、ビッチ」
「僕になんて事を言うの」「生憎俺はいい子じゃないんだ、兄さんと違って」
蛙の喚く音、雪国のとある部落の屋敷。
皐月の怖気がする夜、兄弟がふたり。
愚かな兄は更に愚かな弟に孕み腹にされた。
兄は、天海。今年25歳の公務員。
弟は、長政。今年22歳の公務員。
職の立場は違えど、弟のほうが家では優勢。
兄を組み敷き、毎夜兄を買う。
兄は抵抗せず、毎夜弟に黙って買われる。
擬似的な遊郭、ごっこ遊びの延長線の末、
天海が孕んだ。長政は、できる限り兄である天海の援助をするが、兄は床に伏す時間が多くなった。法律を語る前に、禁忌を犯した兄弟。
可笑しいね、本当に可笑しだねぇ。
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