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⚠️22歳軸 太中(太→中)
⚠️汚濁/流血、欠損、瀕死 有(ハピエン着地です)
⚠️おださく(太→織)匂わせ
⚠️よさのさん登場します(異能一部自己解釈)
⚠️だざいさんがメンタル弱め⚠️
地面に飛び散る赤。
自分から流れた血だと気付くのに時間は掛からなかった。
『当たった……?』
「………腕だ、此ン位余裕」
痛む腕を手で押え、とりあえず止血を済ませる。
太宰は此奴に汚濁は要らないと踏んでいたが,どうやらそうもいかない様だ。
「作戦変更するか……?」
『中也、無理しないで』
「其れ位分かってる。
心配すんな、此ン位で死んだりしねぇ」
[汝陰鬱なる汚濁の許容よ、更めてわれを目覚ますことなかれ]
『中也、終わったよ』
中也の肩に触れると、青い光が彼を包み込んでいく。
「……はっ、ひっでぇ顔」
『…中也……腕は、?』
「………一発でかいの喰らった時、吹っ飛んだ」
辺りを見渡しても敵の残骸ばかりで、中也の吹き飛んだ左腕は何処にもない。
更に酷いことに、彼の腹は撃ち抜かれた跡があった。
『中也……?』
「ふは、油断してた
……済まねぇ、太宰」
『まって………ちゅうや、
ねぇ……!ねぇってば……』
目を閉じたままの中也の躰を揺すっても、彼の目は開かない。
辛うじて脈はあるが、傍から見れば死体のようだった。
『ちゅうや………私は如何したら善い?
君まで、私を置いて言ってしまうのかい……?』
思い出したくも無いあの日が脳裏を掠める。
……私の腕の中で死んだ、大切な友人。
あの日から四年間、それなりにあの言葉を意識していたはずだったが、真逆此処で役に立つとは思ってもいなかった。
『全く……世話のやける飼い犬だこと』
私はチビのくせに重たい彼の躰を背負い、瓦礫の中を歩き始めた。
『……夜遅くにすみません、与謝野先生』
既に人の温もりが消えた探偵社に、傘を畳む音が聞こえる。
途中で降り始めた雨のせいで、全身ずぶ濡れになってしまった。
与[あの電話聞いたら誰でも飛んでくるよ。
それで……彼が太宰の想い人かい?]
『……そういった所でしょうか、』
与[……ポートマフィアの幹部、?]
中也の顔を見た与謝野女医の顔が曇る。
突然呼び出されて敵対する組織の幹部を救えと言われれば、動揺するのも当たり前だろう。
『対価は幾らでも払うから……お願いします』
与[……そんなもの要らないよ。ほら、顔上げて!]
『よさのさん、?』
彼女はにこりと笑うと、白衣の裾を翻しながら医務室の扉を開けた。
与[夙く医務室まで運んでおくれ。
皆には秘密にしとくから。太宰は自分で手当しておきな]
『……有難う、ございます』
「……だ、ざい?」
『お早う、中也』
目の前に拡がっていた暗闇が消えて、代わりに白い天井と元相棒の顔がぼんやりと見えた。
奴は、俺の吹き飛んだ筈の左腕を握ったまま、今にも泣き出しそうな顔で俺の事を見つめていた。
『……君をどうしても助けたくて、私の独断で此処まで運んで治療を受けさせた。
停戦中だと言っても此処は敵の拠点だ。勝手に判断して御免。
これ以上、大切な友人を失いたくないんだ………。許されることではないだろうから、』
消えてしまいそうな程小さく、震えた声でぽつりと呟く太宰。
俯いた彼の頬には真新しいガーゼが貼られていた。
「全く……俺の事嫌いとか云うくせに。素直じゃねぇな」
『……ごめん』
「もう謝んじゃねぇ。俺別に怒ってねぇから
てか、手前こそ怪我してんじゃねえかよ」
彼の頬に手を触れると、びくりと肩を竦める。
四年前よりも幾分か大人びたと感じていたが、目に涙を浮かべて唇を噛み締める其の表情は未だ幼い子供のようだった。
「泣くなよ。生きてるだろ?」
『……中也が眠ってる間が凄く怖かった。此の儘君が眠ったままだったらどうしようかって』
「ほら、今日だけ泣いていいぞ」
俺が腕を拡げると、椅子から立ち上がって全身を包み込んだ。
胸元に顔を埋め、声を殺して泣く奴の伸びきった髪の毛に触れると、ふんわりと柔らかくて小さな子供の様だった。
「……如何した?」
『……私より先に死なないでね』
「分かってるよ。
手前こそ、勝手に自殺すんじゃねぇぞ」
ハイ、と小さな声で呟くように答える太宰を腕の中に閉じ込めて、そっと目を閉じた。
おしまい!
一話目からかなりの期間が空いてしまって申し訳ないです。
この作品はKiller Beeというタイトルを先につけました。由来はフィーリングです。
気持ちに余裕が出来たら来月以降に逆バージョンも出したいと思ってます。
どうでもいいんですけど、あちきがテラーはじめてそろそろ一年経ちそう(超えてるかも)です。流石に自己紹介しなきゃ……と思ってます。近いうちに出します。
大したことは無いですが、気になったら覗いて見てください♡
それではまた何処かでお会いしましょう。