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ーーー番外編〈 雪梅さんって苦手なことあるの? 〉⇊
「君って欠点とかあるの?」
ある日、事務所で黙々と仕事をしていたら白石さんに聞かれた。
「欠点、、、ですか」
「そう。君のこと色々観察してきたけど、欠点ってあるのかと思ってさ」
白石さんは、いつも通りニコニコしながら喋る。
珈琲を飲んでいた他メンもこちらを見ている。
、、、皆、なんやかんやで私のこと知りたがるよね。
「うーん、、、欠点と言われても、、、」
実際問題、自分のことは自分でも分からないものだ。
「苦手なこととかさ」
「、、、あ」
そこで、ピンときた。
「、、、実は私」
私を射抜くかというほどに、全員の視線が私に向く。
「運動が苦手なんです、、、」
「「「「は、、、?」」」」
全員、間抜けな顔になる。
「運動、、、?君、凄く運動神経いいよね?」
「まぁ、そうなんですけど、、、過度な運動や長時間の運動は不得意といいますか」
呆れた顔つきになる皆さん。
「なんかないの?機械が苦手とか、料理が苦手とか、、、」
「あー、、、苦手というか、恐怖症ならありますね」
またもや、全員の視線が私へと向く。
ほんっと、私のこと知りたがりだな、、、。
「暗所と閉所と海洋と薬物に夢、ですね」
「色々とあるんだな」
榎本さんが声を上げる。
確かに、色んな恐怖症もってるしなぁ。
、、、ほとんど、トラウマだし。
「もしかして、その夢恐怖症で寝てないのか?」
「え?あ、違いますよ、、、上官が課長だからって沢山仕事回してくるし、他の課の人にはヘルプで押し付けられるしで」
「あはは」と苦笑していると全員から「寝ろ」とツッコミをいれられた。
「逆に、得意なことは?」
白石さんがまた容赦なく聞いてきた。
「うーん、、、速読とか」
※速読とは、並以上の速さで文を読むことである
いつもは、ゆっくり読んでるからそんなに速くないけど、、、。
「んー、、、じゃあ、この髪に書かれてる文をちゃんと読んでね」
「?、、、分かりました」
「スタート」と言われ、紙に目を通す。
色々と難しいことが書いてるな、、、。
「、、、終わりました」
「え、、、30秒」
皆さん、目を見開いている。
見たか、この尋常じゃない速さを←
ーーー
その後、他の四人も読んでいたが、、、。
「このくらい、一分もいらねぇな」
と、笹塚さんも速読できていた。
他の三人は並くらいだった。
、、、榎本さんは、この中で一番遅かったけど。
「二人共、速いな」
「こんなの、ハッカーならすぐに読めますよ」
なんて、柳さんと笹塚さんが話していた。
「そんなこと言ってるけど尊、雪梅より遅いじゃねーか」
一番遅かったのが悔しいのか、榎本さんは笹塚さんに絡んでいた。
この光景も見慣れてきた。
「あ?ビリのお前に言われたくねぇわ」
「でも事実だろーが」
、、、この二人、私より年上だけど幼馴染同士の喧嘩見てるみたいで微笑ましいんだよな〜。
私は、自分でも気付かぬ内に頬が緩んでいた。
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