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※Attention
こちらの作品はirxsのnmmn作品となっております
上記単語に見覚えのない方、意味を知らない方は
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ご本人様とは全く関係ありません
コンテスト自体は終了しましたが、
わがままを言って、
番外編を投稿させていただきます😌
エピソードタイトルの通り、
修了式の後のお話となっております。
今回は珍しく、冒頭の文はなく、
いきなり本文です
「な、ないく〜ん?ないこさ〜ん??
は、離してくれませんかね……?」
「やだ。
りうらも俺も、お互いのこと好きなんだから。
別にいいじゃん」
そ、それはそうだけどさぁ……!
はちゃめちゃな朝が終わって、
みんなにお祝いしてもらって。
修了式なんて、
正直それどころじゃなかった。
ないくんと、付き合えた。
その事実が、
いまもどこか現実に追いついていない。
いむと初兎ちゃんには
たくさんからかわれたけど、
それと同じくらい、たくさん喜んでくれて。
そして今。
無事に修了式も終わって、
久しぶりに中庭の花壇へ。
花たちの世話をしようと思って、
じょうろに水を汲みたいんだけど……
ないくんが、
後ろから抱きついたまま、
まったく離れてくれません。
……あなたは、
付き合った初日から
りうらを殺す気ですか。
初日にして、
もう心臓が壊れそうです……。
「ねぇ、りうら」
ふと背中越しに、
甘く落ちる声。
「……なぁに? ないくん」
それにりうらは、
ないくんの腕に手を添えながら、
小さく返す。
「俺、薔薇まだ貰ってない」
唐突な一言で、
どこか不満そうで
拗ねたみたいな幼子のような声。
……つい、可愛いと思ってしまう。
朝、ないくんに見つかってしまった
あの薔薇。
朝の騒ぎで、
りうらたちのクラスだけ
遅刻しそうになって。
慌てて教室を飛び出したせいで、
ちゃんと渡せてなかったんだよね。
鞄に手を伸ばそうとしても、
腰に回る手は動かない。
むしろ、離れないように、
ぎゅっとさらに力がこもった気がする。
……恐るべし、
引っ付きないくん。
いやいや、それはそれとして。
ちょっと離れて欲しいかも。
りうらの心臓のためにも。
「鞄から出すから、
腕離してくれる……?」
控えめにそう言うと、
ないくんはむっと唇を尖らせてから、
少し名残惜しそうに、
渋々と腕を解いてくれた。
鞄を開けると、
赤い薔薇が顔を覗かせる。
花びらが、
ひらりと揺れた。
「はい、ないくん」
ゆっくりと鞄から取り出して
形が崩れないように、
そっと手渡す。
「ん、ありがと」
ないくんは、
宝物みたいにそれを受け取った。
それを
目を細めて見つめたかと思うと、
「じゃあ、俺からはこれ」
と、ないくんも鞄の中から
何かを取り出して、
りうらに差し出した。
「え」
思わず、
声が漏れる。
まさか、
ないくんから何か貰うなんて、
想像もしていなかったから。
差し出された小さな包みを、
破かないようにそっと開く。
指先が、少し震える。
中にあったのは
「あ、あれ……? 薔薇……?」
りうらと、同じ花。
ただ一つ違うのは。
りうらは、5本。
ないくんは1輪。
ということくらい。
んん……?と首を傾げていると、
ないくんがふふ、とこぼして
「最後の日だったからさ」
と、口を開いた。
少し照れたみたいに、
視線を逸らして。
「俺も、なんか渡してみたくなって」
さすがに同じ花になるとは
思ってなかったけど、と
小さく笑う。
その笑顔に、
きゅんと胸が高鳴る。
ないくんが、
りうらのために何かを選んでくれたことも、
すごく嬉しかったし。
何よりも。
この、1輪の薔薇。
りうらの記憶が、
間違っていなければ。
「1輪の薔薇ってね……」
ぽつりと、言葉がこぼれる。
少しだけ息を吸って、
確かめるみたいに続けた。
「『あなたしかいない』
って意味があるんだよ」
言いながら、
頬がじんわり熱くなる。
ないくんは、
少しだけ目を細めて。
「あれ、なんだ。知ってるんだ」
さらっと、そう言った。
「俺、それで渡してるし」
「……え」
心臓が、どくんと大きく鳴る。
「最初から、そういうつもりだったし」
まっすぐな声に、
息が詰まる。
「まぁ、りうらだもんな〜。
知らないわけないか」
なんて、軽く笑って。
「りうらは?」
視線が、
そっと
ないくんの手の中の薔薇へと落ちる。
「5本の薔薇は、どんな意味?」
1輪の意味を知ってるなら、
5本の意味だって、
きっと、知ってるくせに。
りうらの口から
言わせようとするの、
ずるい。
「……っ、あのね……」
震える声を、
どうにか繋いで。
「『あなたに出会えてよかった』
って意味……」
言い終わるころには、
もう視線を上げられなくて。
俯いたまま、
小さく息を吐く。
すると。
ふ、と頭の上で、
優しく笑う気配。
「なにそれ」
少しだけ近づいてきて。
「俺のほうが、先に言いたかったんだけど」
そのまま、
くしゃっと頭を撫でられる。
「あ……」
思わず顔を上げかけて、
でもやっぱり恥ずかしくて視線を落とす。
あれ……知らなかったんだ。
それなら、
わざわざ、一輪だけ覚えてたのかな。
そんなことを考えていると。
「じゃあさ」
ないくんが、ふいに言った。
りうらの手にある1輪へ、
そっと手を伸ばす。
ないくんは、
そのまま自分の持っている5本の薔薇に、
りうらの1輪を、静かに重ねた。
「……え?」
視線の先で、
赤が、ひとつ増える。
5本だった花束が、
6本に変わる。
「6本」
ないくんが、小さく呟いた。
「これで、
『お互いに尊敬し、愛し合う』って意味」
そのまま、
6本になった薔薇を、りうらに差し出す。
「はい」
「……っ」
受け取った瞬間。
さっきまで別々だった想いが、
ひとつに重なった気がした。
『あなたしかいない』と、
『出会えてよかった』が重なって。
その先にあるのが、
これからの、ふたり。
「……っ」
言葉にならない。
でも、嬉しくて。
苦しいくらい、あったかくて。
「りうら」
名前を呼ばれる。
顔を上げると、
すぐ近くに、ないくんの優しい目。
「これからも、よろしくね」
少しだけ照れたように笑うその顔に、
ぽろ、と涙がこぼれる。
「……なんで泣くの」
困ったように笑いながら、
そっと頬に触れてくる。
「だって……」
うまく言えないまま、
りうらは小さく笑った。
こんな未来、
起こるなんて
今まで予想なんかできてなくて。
でも。
今、
ここにあるこの気持ちは、
隣にいる人は、
全部、本物で。
ないくんとなら。
きっと、これからも。
頬に添えられていた手が、
少しだけ力を込めた。
「大好きだよ、りうら」
低くて、やさしい声。
抗うこともなく、ないくんの顔が、
近づいてくるのが分かって。
引き寄せられるまま、
りうらは、そっと目を閉じる。
触れる、ほんの少し前。
呼吸が重なって、
心臓の音だけがやけに大きく響く。
そして。
揺れる6本の薔薇が、
春の光の中で、やさしく重なっていた。
コメント
4件
5本の薔薇と1本の薔薇を合わせて6本にしてからの花言葉も素敵…✨✨ さーちゃんのお話ってあったかくて可愛くて、どこか儚くて…読んでて心が和むのよね…😖💘 卒業が今の時期にぴったりで夢中で読んじゃったよ!!🫶🏻︎💕︎︎
えもえもじゃないですか😭😭 ツンデレとデレデレのペアが1番いいんですよ😭💕 お互い素敵な意味があるの尊いです、、、🫠💕 番外編ありがとうございました‼️ また後ほど紹介させていただきますーっ!!