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彼の声が、耳元をくすぐった。思わず体を動かそうとするが、狭い浴槽の中では叶わない。
背中には、彼の体温がぴたりと張り付いていた。
「ちょ、何っ?」
恥ずかしそうに大介が言う。
「え? 可愛いって言っただけだけど?」
「……何度も聞いたよ」
大介は照れたように笑いながら、雅のしっかりとした腕の中で小さく息を吐く。
「そうだっけ?」
乳白色のお湯が、二人の体の隙間をすり抜けていく。
また触れ合う肌と肌。その感触が、ただ心地よかった。
雅の手がゆっくりと大介の体をなぞる。
「くすぐったい……」
「触っていたくて。……気持ちいいから」
雅の唇が大介のうなじに近づく。
当たった瞬間、大介の体がびくんと震えた。
「もっと触っていたい……」
「雅っ……」
大介は右斜め後ろを振り返り、雅を見つめる。
次の瞬間、二人の唇が触れた。
湯気の中で溶け合うような、濃くて熱いキスだった。