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鬼龍院がアリスの隣の席に腰を下ろし、ふぅ・・・と一息ついた
「やっぱり成宮君は変人ですね」
アリスは北斗から渡された紙切れを握りしめたまま、鬼龍院に聞いた
「あの方は・・・変人なのですか?」
「あの男は、何でも幼少の頃に頭のおかしな父親に、ずっと虐待されて育ったせいで、少し人間不信の所があるんですよ
気の毒に・・・私も仕事仲間としては良いのですがね。どうも気難しい男でして、ああ・・でもご安心ください 」
鬼龍院がアリスの紙切れを持っていない方の手を握った
「さきほどはああ言って紹介したけど、今後も私がいない所であなたが彼に会う必要はまったくありません 」
どさくさにまみれて鬼龍院がアリスの手の甲にキスをしようとした
「たしか・・・彼はお友達とおっしゃりませんでした?」
さっとアリスがキスをされる前に手を引いて言った、鬼龍院は少し残念な顔をしたが、すぐに持ち直した
結婚するまではキス一つしたくないという、アリスの願いがこの結婚の条件だ。守らなければ婚約破棄される
「いいですか?講演が終わって歓談の時間になっても、私の付き添いなしにあの男とは一言も口をきいてはいけませんよ、愛しい人。あなたは私の傍でお花のように微笑んでいてください」
鬼龍院が髪をファサッとやり高慢に言ったが、アリスはじっと自分の手のひらを見つめていた
「まぁ~た私と一緒にいる時にトリップされてますね?もしもーし!帰ってきてくださ~い!私が今言った事わかりましたか?成宮北斗には近づくなと言ったんですよぉ~ 」
アリスは鬼龍院に耳元で叫ばれ、ハッとした
そして北斗に渡された紙切れを握る手に力を入れ、ニッコリ笑った
「もちろんですわ 」