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車取りに行ったレダー視点でお送りします
「じゃぁ車出してくるからそこ居てて」
夕コにそう伝え、ヘリを飛ばした。
車で行くことに突っ込まれなくてよかったぁー
なんて思いながら、待たせるのも悪いからいつもより速度を上げて飛ばした。
自分の家までヘリを飛ばし中に入り、いつもは降りることのない階段を降り、収納をあさった。
手のひらサイズのポーチを取り出し、中をのぞいた。
「…あ。後1週間分しかねえ…」
また病院行って薬もらわないと
一年分がさっとくれてもいいと思うけどなぁ
ポーチを閉め、ポケットに突っ込み階段を上がった。
あ。そういえばご飯誘ったのはいいけど、どこ行くか決めてねぇ
どっかやってる店あるかな
スマホを開くと、海上レストランがやっていると流れてきた。
夕コ好きそ~…特にこういうパンケーキとか
ここ行こうかなぁ~
「…店長?」
「…び!!…ッくりしたぁ…」
機械音が聞こえ、ケインかーと思いながら顔を上げると
想像より4倍くらい至近距離にいた
「どうしたんですか、考え事して」
「そんな風に見えた?」
「何度声をかけても答えてくれなかったので」
マジ?耳悪くなったのかなー…
年とっ…いややめよう
「今からどこか行かれるんですか」
「まぁねー」
自慢げに言ったけど、ロボットだからか「そうなんですね」と心がこもってない返しをされた
もう少し興味持ってくれてもいいんだけどなー
「ケインはどうしたの?」
「さっきチェイスで撒けたので、ここで着替えてから出ようかと思い」
「へー…そうなっ…ゲホっ…!」
「店長?大丈夫ですか?」
「ゴホッ、ゲホッ!」
あ。やばいこれ
咳が止まらん、それどころかちょっと過呼吸気味な気がする。
病気が発覚したときからこんな感じだったけど、今日は一段とひどい
よりによってケインの前でかよ
なんか言ってる気がするけど、もう咳の音でなんも聞こえん
薬飲まなきゃ
ポケットに手を伸ばすが、咳が次から次へと押し寄せてきて苦しい。
手が思うように動かない
ついには立てれなくなり、膝から崩れ落ちてしまった。
ようやく掴めたと思った薬は崩れ落ちた拍子にケインのほうへ飛んで行った
「…く…すりが…」
マズイ、ガチで死ぬ
そう思った瞬間、口に金属の塊らしきものと、その間に挟まれた小さなラムネみたいなものが入ってきた。
金属だけが口の中から出ていき、ラムネみたいなものだけが残った。
それがすぐに薬だとわかり飲み込んだ。
「…っは…」
「助かった…」
いつも思うけど薬飲んだらびっくりするくらい治まるんだよな…
というかケインが飲ませてくれたのか、ほんと有能なロボット
「店長大丈夫ですか?」
「ん。大丈夫…ありがと」
「それはよかったです。ところでこの薬についてはどう説明してくれますか」
「あぁ~…」
まあいいか。ケインにはいつか言おうと思ってたし
「俺病気になっちゃってさ…あと3年しか生きれないのよ」
「…」
「…それ他の人にも言いましたか?」
「…一人しか言ってない」
「店長…あなたって人は本当に…」
うわ
この感じ今から説教タイム始まるって
スマホで時間を確認すると、すでに一時を過ぎていた
夕コを一人にしてから30分も経過してる…これは説教聞いてるところじゃない
「あー…俺これから急ぎの用事あるから!」
「薬ありがとね!」
「ちょっと!店長!?」
そう言い残し、家を出てガレージから車を出し急いで夕コのところに戻った
うわぁぁ…やばい…
絶対帰ったら説教される、というかみんなに言われるか??
いやそれよりも今1時なのやばすぎる…せっかくご飯誘えたのに
夕コ怒ってるかな…
無我夢中で車を走らせ、さっきの場所まで来たが、夕コの姿が見当たらなかった
ここら辺じゃなかったっけ?
「…夕コ?」
「れだ…さ…」
「たす…けて…」
裏路地の奥から聞こえてきた。
とても小さな声だったけど、それは間違いなく夕コの声だとわかった。
まさか俺がいない間に誰かに絡まれた?
声がする方へ足を進めると、二人組の男の間から倒れこんだ夕コの姿が確認できた
「夕コ!」
呼んでみたが返事が返ってこない
その代わり二人の男が俺の方を向いた。
「なんだこいつ?」
「まさかこいつの彼氏さん??w」
「だから俺らの誘い断ったのかなwww」
「だとしたらうけるw」
雑音が嫌なほど耳に入ってくる
夕コが無事かどうか目を凝らしてみれば、頭から血が流れていて、それが血だまり寸前ぐらいまで垂れていた
こいつらがやったのか
俺がいない間に
「まだだけど…そうなる予定」
「だからさっさと消えてくれる?」
もちろんこの世から
パシュッと音を鳴らし、血が飛び散った
撃たれるとは思ってなかったのか、生きている方の奴は固まっちゃったみたい
ゆっくりとそいつの方へ近寄っていく
そいつは俺の動きに合わせてだんだん夕コの方へ後ずさって行った
夕コの方に行かれるの嫌なんだけどなぁ
撃ったら夕コに返り血飛んじゃうから
「う…うわぁぁぁぁぁ!!!」
「来るなぁ!刺すぞ!!」
ご乱心なのか知らないけど、そいつは夕コにナイフを向けていた
どうせ名も知らない大したことない半グレなんだから、刺せっこないくせに
呆れながら足を進めた、
「ゲホッ!」
急に咳が押し寄せてきた。
さっき治まったばっかりだったじゃん
「ヒュッ…ハッ…ゴホッ!」
もう最悪だ。
なんでこういう時に限って
息苦しさに思わずしゃがみ込んでしまった。
本日二回目って言葉がぴったりすぎるデジャヴ感
でもさっきよりかは酷くはない。薬を飲まなくても大丈夫なはず…
それより早く、殺さなきゃ
夕コに手を出したアイツを
早く
「あ…」
顔を上げると、ナイフが俺の方へ迫ってきていた
「クッソ…痛すぎ…」
車が盗られていて、おまけに俺の手持ちから車を盗れる方法はなく
夕コを横抱きで病院まで歩いて行かないといけない羽目になった。
本当は腕に負担かけたくなかったからおんぶにしようかと思ったけど、
腹痛そうに抱えてたから横抱きのほうが楽かと思ってやめた。
左の前腕を見てみると、血がだらだらと出てきていた
多分後ろ振り返ったら血のロードができてんだろうなぁ
「…ん」
小さな声に驚き、夕コの顔を覗き込むと目を覚ましていた。
「夕コ!」
声をかけても返答はなく、目を細めて俺の方を見ていた。
見ていたって言っても、全然目が合わない。
寝ぼけてたりする?
しばらく顔を見ていると、だんだん夕コの顔が真っ青になっていった
どうしたんだろう
そう思った瞬間、いきなり手足を動かし始めた。
少ししか動かしていなかったけど、俺から離れようとしているようだった
俺の腕を押され、危うく落としそうになった
落とさないようにぎゅっと抱くと、諦めたのかピタリと動かなくなってしまった。
「…夕コ?」
「やだ…」
「れだーさ…たすけて…」
もしかして俺の事あいつらだと思ってた?
殺したからもう大丈夫なんだけどなぁ
「夕コ、大丈夫。俺はここにいるよ」
「…ずっと…好き…」
安心したような顔を見せ、そのまま夕コは目を閉じた。
好きかぁ…
こんな奴好きになってどうすんだよ
好きになったところで何にもならないのに
だけどそれを望むなら叶えてあげないと。
恩返しとして
あと3年
大丈夫。まだ怖くなってない
今日は明日までの課題が残っているのでモンスター飲みます()
後実はケイレダも好きです。流石にここでは出しません。多分