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離婚して体調を崩したか？とか、そんな話だろうか、だとしたら大きなお世話だ。
しかも、あんな大声で怒鳴り散らすとか
そもそもあんたたちの娘がパパ活をしていたんだから。
「お気遣いありがとうございます。でも、平気です」
そう答えると少し間があってから
『あの・・・言いにくいのですが、自覚症状が無い人も多いらしいんです』
たしかに、自分で思っていた以上に精神的にダメージを受けた。
だとしても
「慰謝料に関しては対応していただいてありがとうございました。竹内にには連絡をしてみますので、私のことはもう放っておいてください」
『あの、その』
何だろう？なんかもう切ってしまっていいよね
「ほかに用事が無ければ失礼します」そう答えて切ろうとした時
『発熱とか喉の痛みはありませんか』
慌てたように聞かれて、通話を終わらせようと思って赤い受話器マークをタップしようとした指が止まった。
風邪の心配？
「いいえ」
『実は竹内さんに連絡をしたいのは、慰謝料と医療費を払ってもらいたいんです。娘がお小遣いをもらっていたことは知ってます』
「高額なプレゼントもです」
『ええ、だとしても娘は未成年です』
「そんな話は、竹内としてください」
『そうです・・・ね、いえ、私が言いたいのは娘はクラミジアに感染していることがわかりまして、喉とその・・・性器に。その治療費も支払って貰いたいんです』
は？
何それ、性病に罹ってるの。
もしかして、正人も？
背筋がゾッとした。
『治療は初めているんですが、その、不妊になる恐れもあると聞かされて奥山さんにも伝えた方がいいかと、それに竹内さんの無責任さにも頭に来ていて、それで主人が怒って』
「教えていただいてありがとうございます」
『竹内さんには連絡をしてこなければ警察に行くと伝えてください』
正人は他にも相手が居た？
正人とはレスになっていたけど、喉とか言ってたよね、正人とキスとかしたっけ？
検査しないと
日曜日でも検査できる？
正人に連絡しないと
まずは探さないと
何を？
病院
日曜でも検査できる場所
ツーツーツーという音で相手が通話を切ったことに気がついた。
急いで検索をすると日曜日でも検査ができる病院がいくつか見つかり、当日予約も可能な病院を見つけて予約をいれ、部屋を出ようとしたところで正人に連絡をすることを思い出し電話を掛けるが呼び出し音の後は留守電に繋がった。
日曜日だから仕事中なのかもしれない。
「伝えることがあるから連絡して」
留守番電話にそう吹き込んでから急いで家を出た。
正人から折り返しが来る前に病院に到着した。
仕事中はロッカーにスマホを置いているのかもしれない。
てか、美優から逃げたって仕方がないのに。
てか、性病って
病院はプライバシーが守られるような作りになっていてホッとした。
知らない人ばかりだとしても、センシティブな内容だから細かくパーティションで囲まれているのはありがたかった。
どう説明しようかと思ったが、正直に別れて間もない元夫の愛人が感染したと連絡がきたこと、元夫にはまだ連絡がついていないことなどを説明して検査をした。
子宮ガン検診でのあの状態を覚悟したが、検体は自分で採取だったので安心した。
検査結果は1週間以内に連絡がくるということで、1週間は憂鬱な日が続きそうだ。
トボトボと歩いていると正人からの着信があり慌ててタップした。
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