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コツコツと響くブーツの音
自分でも気に入っているこの音を鳴らしながら
息を吐き、唾を飲む。
「…本当にここにナチスがいるんだよね」
「…あぁ。
じゃ、いってらっしゃい
裏切り者さん?」
「…ははッ…」
これは、裏切り者のioに与えられた十分間。
ー裏切り者と支配者のー
「やぁ、ナチス」
「…」
「元気だったかい?笑
ioは元気だったよ〜!笑
こっちはご飯が美味しいし、ナチスみたいに面倒臭い連中もいないしね笑」
「…そうか。」
「……なんだよ。つまんねぇな。
それにな?笑
こっちにいるとお前らの情報言うだけで
好きに生きれるんだぜ?笑
ほんと呆れるよなぁ〜笑」
「…そうか。」
「…腹立つな。お前、その全部知ったかのような顔してさぁ!!」
ボガッァ‼︎
「むっ、かつくんだよ!!」
ボガッボゴッ
「昔から!!」
ボゴッボゴッボッギッ
「その!!!何もかもわかったような!!」
ボギッボゴッボッギッ
「意味わかんねぇ顔が!!!!」
ボゴッ…
「ッ…ぅ、ぁ、あ…
なんで、なんで、」
「なんでキレてくれないんだよぁ
怒ってよ、「ナチ」…
殴ってよ、怒ってよ、許さないでよ
なんで、なんでさぁ、っ…
そんなに笑顔でioを見つめるの、ぉ、?」
「…ごめん」
「ごめんなんかじゃ、っ、あぁ、あ
あ”ぁぁ、殴れないよ!!!
もう!、なんで、!!!!ioなんか!!!
許さなくていいのに!!!!!!
殺していいのにぃ”ぁ、」
「大丈夫、大丈夫だから」
「っ、な、ち、ごめん、おれ、ほんと、」
「…」
時間です。
「…ごめん、なち”っ…」
そこでナチが発した言葉を、ioは一生忘れられないだろう。
「イタ王…」
「…え…?」
ioは今でも時々、夢にナチが出てくる。
あの日の続きを語るように…
ずっと、ずーっと…
これが、ioの宿命なのかもしれない。
でも、ioには…
耐えられなかったよ、笑
手すりに手をかけ、ioは…
ヒュゥウゥッ…
グチ”ャッ…
ー完ー