僕はあの日、初恋をした。
小学生4年生の夏、プールの授業のあった日のこと。
朝
その日の朝に朝ごはんを食べた時、僕はふと時計を見た。8時5分…この時間なら本来の僕は家に出ている時間、僕は朝ごはんを食べるのをすぐにやめ、急いでランドセルとプールバッグを持って、靴は雑に履き、脚が4本になるほどの速さで学校に向かった。
学校について、下駄箱のすぐ近くにある時計をみた時、僕はきっとこう思っただろう。
(8時7分…良かった、遅刻じゃない…)
今考えれば僕は朝になんでアラームをかけていなかったんだろう。落ち着いていればこんな事にはなっていなかったのに。やはり、昔の僕は頭が少し悪かったのかもしれない。少し話を前に戻すが、僕の思ったことは正確には違う。この日は、朝に委員会の仕事があったはずだ。だから、普通に遅刻をしているのだ。やはりコイツは馬鹿なのかもしれない。
水泳の時間
2時間目が終わり、更衣室へ足を運ぶ時、何だか騒がしい。耳の触れる方へ目を向けてみるとそこには僕の委員会の先生が…幸い、次の授業がプールだったから先生からのお叱りは放課後になった。ただ、その時友達にクスクス笑われたときは顔面を殴ってやろうかと思った。流石に殴ってはいないが、無視はして更衣室に向かった。
更衣室で、友達と話しながら水着に着替えていた時、僕は忘れ物に気付いた。僕はゴーグルを忘れていた。でもゴーグルの忘れ物は欠席ができない。つまり最悪ってことだ。とりあえず僕はさっさと着替えを終えて先生に忘れ物を伝えに行った。もちろん先生は怒っていた…すごく怖かった記憶がある。
プールに入る時、僕はできる限り空を見つめながら入ろうとしたが、プールの水が氷よりも冷たく感じて普通に無理だった。やはり僕は馬((
それでも、僕はその日の空を目から出る水で濡らして授業を受け、結局空を見ていた意味はなかった。
放課後
放課後、委員会の先生からのお叱りがあることは絶対に忘れなかった。なぜなら、委員会の先生がすごく怖くて、怒られたらきっとあの頃の僕は泣き出してしまうほどだからだ。そしてお叱りの時、先生はとにかく僕のことを怒鳴っていた。それだけは覚えているが、多分先生が怖すぎてそれ以外は覚えていない。
そしてお叱りのあと、僕は瞼と鼻を赤くして、空を水で濡らして帰るとき、ふと空を見つめる。プールの時間では綺麗な水色のような色をしていた空が、今はこんなに綺麗な赤色になっている。きっとその赤色が、プールの底を染めて、僕の少し汚れたランドセルの汚れを払うように赤くして、僕の心も淡い赤色に染めて、いつかは全て赤くするかのようにその光は眩しく、綺麗で、力強くて、僕は立ち竦むだけだった。今まで頭の中を気持ち悪く巡っていた思考さえも止まってしまう程、綺麗だった。そんな時、僕は思う。
(この空は、僕のものにならないかな)
愚かな考えかもしれないが、きっと僕は空に恋をした。空に浮かぶ気体も、なぜか飛ぶ機体も、全て僕にとっては憧れの対象なのだ。僕はハサミを手に取り、その陽と赤を切り取るようにハサミを動かしてみた。欲しいものを綺麗に盗みたかった。あの陽を近くに、もっと近くに。そう思えば思うほど、宇宙にいる君への思いは強まる。きっと今日の頑張りは、また会う今日の君のために。
あの日の空は、輝いていた。僕だけの空だった。高校3年生になった今、ふとこの事を思い出した。
忘れる前に書いておこうと思って、まだ拙いけど引き摺っている思いがまた君に伝わるように、そう願って。
僕はまた、君に恋をする。
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1コメ!!(作者ですどうも)