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なぜこの世の中はこれほど不平等なのか。顔立ちが少し整っているだけの奴が髪をかくと「え、かっこよ♡」ってなるのに、神様が顎で作った顔みたいなやつが髪をかくと「大雪警報発令中笑」だの言われるのは如何なものか。こういうことを言う奴がよりによって「顔2:中身8かな?」とか言うのは言うまでもない。もちろん僕は後者で、残念なことに俺のLINEの通知は、ユニクロのセールを知らせるものと、母からの買い物を頼む連絡だけだ。中学校を卒業して、もしかしたら高校デビュー!?とか思ってた3ヶ月前の僕を殴りたい。周りから避けられるのは、避けられすぎてもう何も思わなくなった。そんな毎日、チョータノシイ高校生活の心の支えが、最近ハマってる音ゲーのキャラクターの星野かなという人と時間を共有することだ。僕は、まあ俗に言うアニオタだ。この道3年のまだまだ新人だが、コミケには毎年足を運ぶようにしている。周りに同士しかいないという安心感と、2次元と3次元の境がぼやけるあの感じは、いてとても居心地がいい。今年も今年で3週間前に知り合ったネッ友と一緒にかなさんに会いに行く。去年もらったチケットの半券を使うと半値で行けるのだが、どうも他の半券よりも作りが頑丈でどこかきらびやかだ。本当に使えるのかという不安を感じながら入場券をかざすと係員がどよめく。何かやってしまったかとオタク特有のキモキモホールド全開で応答を待つ。すると、奥の方からアイロンがビシッとかかっている、いかにも偉い人という感じの人がこちらの方にやってきた。何が何だか分からず聞こうとしたその時。口元になにか押し付けられた。すると瞬く間に視界が闇に落ち、意識も徐々に薄れて言った。これは、アニオタ渋野凪が起こした、まるで夢のような、目の眩むような物語だ。