テラーノベル
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⚠️タボちょん前提
ターボー→ちょんまげ←森
タボちょん、森ちょん要素どちらもあるので苦手な方はご注意ください。
捏造有り
行きつけのスナックのカウンター席で、ちょんまげはグラスを指でくるくると回していた。
気付けば三十四歳。ターボーに誘われて入った会社にも慣れてきて仕事もそれなりに安定して、恋愛だって無茶はしない――はずだった。
「またため息ついてる」
隣に腰を下ろしたのは、仕事終わり一緒にやって来たターボー。
がっしりした体格に似合わず、指先はやけに優しくて、ちょんまげの手に自分の手を重ねてくる。
「森とまた何かあった?」
図星だった。
「別に。ちょっと言い合いになっただけ」
そう言った瞬間、店のドアベルが鳴る。振り返らなくても分かる。森だ。
整った顔立ち、クールな雰囲気をまとっているのに、ちょんまげの前では時々子どもみたいな顔を見せる。
「ちょんまげ」
優しい声で名前を呼ばれると、胸の奥がざわつく。
森はターボーをちらりと見て、わずかに眉を寄せた。
「また一緒なんだ」
「悪いかよ」
ターボーが笑う。その笑いは余裕たっぷりで、けれどどこか挑発的だ。
三人は昔からの友人だった。だが数ヶ月前、関係は変わった。
最初にちょんまげに気持ちを打ち明けてきたのは森だった。真っ直ぐに、静かに。「好きだ」と。
その一ヶ月後、ターボーが酔った勢いで言った。
「俺もちょんまげが好きだ。ずっと前から」
それからずっと、奇妙な三角関係が続いている。
森は理性的で、未来の話をする。
「ちょんまげ、僕となら落ち着いた生活ができる。無理はさせない」
ターボーは感情を隠さない。
「理屈じゃねぇだろ。好きなんだよ、俺は」
ちょんまげは二人の間で揺れていた。
森といると安心する。穏やかな時間が流れて、自分がちゃんと大人でいられる気がする。
でも――
「ちょんまげ」
ターボーがそっと頬に触れる。その手は大きくて、温かい。
「お前、俺の前だと無理しないよな」
その一言に、胸が締めつけられた。
森の前では、ちゃんとしていたいと思う。弱さを見せたくない。対等でいたい。
でもターボーの前では格好悪い自分も、迷う自分も、全部曝け出してしまう。
三十四歳にもなって、こんなにぐちゃぐちゃになるなんて思わなかった。
「ちょんまげ、そろそろ選んでほしいな」
森の声は静かだった。けれどその目は真剣で、逃げ場をくれない。
ターボーは何も言わない。ただ、ちょんまげを見ている。
長い沈黙の後、ちょんまげは立ち上がった。
そして――ターボーの手を取った。
「……ごめん、森くん」
喉が震える。
「僕ターボーといるとちゃんと本当の自分でいられるんだ」
森の瞳が揺れる。だがすぐに小さく笑った。
「そっか…やっぱり敵わないな」
そう言って、背を向ける。その背中を見送りながら、胸が痛む。それでも握った手は離さなかった。
店を出ると夜風が冷たい。
「本当にいいのか?」
ターボーの声がいつになく弱い。
ちょんまげは笑った。
「三十四にもなって、理屈で恋愛できないんだよ」
ターボーの胸に額を押しつけると、強く抱きしめられる。
荒っぽいくせに、壊れ物みたいに優しい腕。
「大事にする」
耳元で囁かれ、ちょんまげは目を閉じた。
遠回りして、やっと決めた。
安定よりも、理屈よりも、この鼓動を選ぶ。
ターボーの隣で、少し不器用なまま年を重ねていく未来を。
それがちょんまげの答えだった。
二人の物語は今、始まったばかりーー
END
コメント
1件
こんなのハマる訳n… 最高すぎます もう何か嫌なこと全部忘れました これからも応援してます!🤦💍