(注意点)
100%妄想です
痛々しい表現があります
言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません
長文で申し訳ないです
大丈夫な方はこのままお進みください
今日は4人みんな任務も配信も無い、穏やかな1日になる予定だった。
しかし伊波が訓練場に集合をかけた。
渋々と集まると、伊波が笑顔で待っていた。
伊波「おはよー!突然ごめんねー!たまにはみんなで稽古したいなって思ってさ!」
叢雲「まぁ、やってもええよ。最近戦う任務ないから体なまるわ。」
星導「小柳くん起こすの大変すぎて、もう疲れました。俺見学してます。」
小柳「、、ねむすぎ、、、まじでむり、。」
やる気の有無がちょうど半々に別れたので、伊波は星導と、叢雲が小柳とペアになった。
やる気ない同士を組ませると絶対動かないだろうから。
伊波「はい!ここでスペシャルルール!変身はしないでバトルね!今日は肉体強化しよう!」
星導「俺終わったじゃん。え、カバンはありですよね?」
伊波「武器もカバンも無し!身一つでやり合おう!」
星導「終わった、、。」
小柳たちの方を見ると、すでに叢雲が軽く小柳を蹴って煽っていた。
叢雲「おい狼ちゃんとやれ。負けた方は今日1日みんなを様付けで呼ぶんやぞ。」
小柳「うるせぇ、あんまでかい声出すな。寝起きなんだよこっちは。」
叢雲「言い訳すんな!ダサいで!」
頭に回し蹴りを入れようとしたが、小柳は腕でしっかりガードした。
戦闘の能力や感覚はずば抜けて高い。
まずは準備運動とばかりに軽めの打撃を何度も入れてくるが、どれもヒットすることはなかった。
伊波たちの方は、見てて無惨なほどに一方的だった。
普段ほぼ棒立ちで触手に頼って戦っているので、身体能力はそこまで高くない。
宇宙パワーの身体強化やカバンがないと、攻撃も防御もままならない。
伊波「おまえ何やってんだよ!ふざけてないでちゃんとやれって!」
星導「痛ーい!やめて!俺本気でやってますってー!うわぁ!」
星導の背に回りこんで蹴り飛ばすと、べしゃっと倒れる。
すぐに立ち上がって伊波にパンチを繰り出してみたが、あっさり避けられた。
避けられた上に、そのままつんのめって転んだ。
伊波はやれやれといった表情で星導の次の攻撃を待った。
次に来たのはローキック。
伊波も足でそれを防ぎ、同じくローキックをお返しした。
なんとか耐えているが体はバランスを崩してぐらついている。
そんな星導の顎にアッパーの追撃を浴びせた。
星導「痛ぁっ!ちょっと待って、頭グラグラする、立てな、、。」
急いで立ち上がろうとしたが、軽い脳震盪で眼前が揺れた。
諦めたかのようにそのまま地面に寝転んだ。
伊波「ちょっと弱過ぎない?稽古にならないんだけど。ほら立って!」
星導「無理ですぅ。これでも真面目にやってるんですよ。俺だけ触手ありにしてください。」
伊波「それじゃ身体強化にならないでしょ!もしも変身できない時に敵に襲われたら負けちゃうよ!今日はみっちり鍛えるから!」
星導「えーん、助けてカゲツー!小柳くーん!」
2人はすでに本気モードでやり合っており、物凄いスピードで攻撃と防御を繰り返していた。
相手の死角に交互に入っては殴る防ぐを楽しんでいるように見えた。
当然、返事なんて返ってこない。
伊波「ほーら!俺たちもあれくらいバチバチにやろ!」
ぐいっと星導の両腕を引っ張り無理やり立たせた。
星導「お手柔らかにお願いしますぅ。」
結果的に、あと少しの所で叢雲が足元すくわれ敗北し、小柳が勝利した。
星導はコテンパンにやられ、グロッキー状態で伊波に背負われ拠点に帰宅した。
各々の部屋に戻ろうとする前に、小柳がみんなを引き留めた。
小柳「明日は丸一日、絶対に俺の部屋に入るなよ。」
それだけ言うと、スッと自室に入って行った。
3人は「また長時間配信するんだろうな」と予想し、はいはい、と返した。
翌日、星導には敵を殲滅する任務、伊波と叢雲には調査の任務が入っていた。
調査の方は難航しているようで、デバイスに入ってきた内容的にも、2人がかりでもなかなか踏み込めずにいるようだった。
夜遅くまでかかるだろう。
星導は全身筋肉痛やら稽古の疲れが残っているやらで、無尽蔵に沸いた弱めの敵を片付けるのに一苦労していた。
いつもなら軽く終わらせているだろう戦いも、全然体がついてこなかった。
でも、なんとなく、伊波に言われた「弱い」という言葉にムカついて、救援は出さなかった。
自分1人で意地でも片付けたかった。
夜、ヘトヘトで帰宅した星導は、手足の捻挫やらあちこちの打撲でヨタヨタ歩いていた。
触手を不便な手足の代わりに使いたいが、スタミナ切れで、今日は変身できそうにない。
軽く夕飯とシャワーを済ませ、自室に向かうと、ふと小柳の部屋が目に入った。
耳をすませると苦しそうな呻き声が聞こえる。
戸を何度かノックするが無反応だった。
星導「小柳くーん、大丈夫ですか?」
返事はない。
昨日言われていた、部屋に入るなという忠告をすっかり忘れていて、普通に部屋に入ってしまった。
警戒心もなく彼の様子を観察しに行く。
小柳はベッドに腰掛け、俯いていた。
苦しそうな、不規則な呼吸をしている。
今日は、数年に一度のとある特別な満月。
小柳の目は真っ赤に染まり、牙も鋭く伸び、両手の爪も鋭利に伸びていた。
グルル…と喉から威嚇音が響く。
星導はそれを見た瞬間、やばいと思ったが遅かった。
腕を捕まれ、グンと引っ張られると、うつ伏せにベッドに倒された。
両手首を掴まれ拘束され、星導は全く動けずジタバタしていると、小柳は星導の首後ろに噛みついた。
星導「痛っ!!!」
そんな声も聞こえてないのか、何度も何度も首に噛みつき、どんどん場所を変えながら、首から肩へと噛みついていく。
星導は手足を負傷しているせいで、抵抗も弱々しく、完全に押し負けてしまった。
星導「ちょ、やめて!痛い痛い!嫌だ!離して!」
一生懸命に抵抗してみたが、力の差なのかびくともしない。
傷口から流れた血を、小柳の舌で舐めとられる感覚にぞわりとした。
この状況に頭がついてこない。
触手で小柳をぶん殴ろうと思ったら、スタミナ切れで変身できないことを思い出した。
あの時の伊波の言葉がフラッシュバックした。
今までの稽古、もっとやっとけば良かったなぁ、と後悔するとともに、本格的にやばい、と感じた。
首や肩、背中、腕などに、血の滴るような噛み跡が増えていき、わずかな抵抗する力すらも消費してしまった頃、小柳がにやりと微笑んだ顔が見えた。
なんとなく危険な予感がして、這いずるように離れようとしたが、すぐに引っ張り戻された。
小柳が星導の首を両手で掴むと、ギュッと締めてきた。
星導「カッ、、ヒュッ、、ぁ、、」
締め付ける手を全力でどけようとしたが、さらに強い力で首を締めてきた。
星導「ひゅぐっ、、こやっ、、やめ、、」
小柳は意識の飛びそうになる星導の姿を見て、何度も首絞めたり緩めたりを楽しそうに繰り返した。
手を緩めたタイミングで、咳き込んでいる星導の体をまた噛む。
声にならない悲鳴をあげた途端にまた首を締めた。
ついに気絶する星導を見ては、声をあげて笑い、傷口に爪を立ててえぐり始めた。
その姿はまるで、仕留めた獲物を弄ぶ獣だった。
そのタイミングで伊波と叢雲が帰宅した。
2人は小柳の部屋に入ってはいけない、という注意をちゃんと覚えていた。
なので、今、小柳の部屋の扉が開けっぱなしになっていることが気に掛かった。
叢雲「狼、今日長時間配信してるんやなかった?扉あけっぱやけどええんか?」
伊波「さすがに閉めといてあげようか。」
部屋に近付くと、獣の低い唸り声のようなものが聞こえた。
チラリと中を除くと、血塗れの星導に跨る小柳がいた。
伊波「ちょっと!何やってんの?!」
慌てて部屋に飛び込んで星導をひったくり抱え上げた。
すると、獲物を横取りされたかのように悔しそうな表情に変わり、強く睨んできた。
じりじりと距離を詰めてくる。
伊波は星導を庇うように抱え直した。
そこへ叢雲が音もなく現れ、小柳の頭に回し蹴りを当てた。
叢雲「なんや知らんけど、頭冷やせバカ狼。」
蹴りはこめかみにクリティカルヒットし、小柳は衝撃で壁に激突する。
そのままガクンと脱力し気絶した。
一応小柳をベッドに寝かせ、すぐに部屋を出て扉を閉めた。
星導をソファに運び、様子を確認すると、上半身は数え切れないほどの噛み跡と、僅かに滴る血と、首を締めた痣がくっきりと残っていた。
叢雲が傷口を消毒していると、星導が目を覚ました。
星導「いっ、、た。、え、、カゲツ?」
消毒液が傷に染みるようで、顔を顰めている。
叢雲「起きたか。おまえ狼と何があった?」
伊波「ロウ、なんかすごいことになってたけど、、。」
星導「え、部屋から呻き声が聞こえたので、確認しに入ったら、急に襲われました。」
叢雲「昨日、部屋に入るな言うとったのはこれのせいか。」
伊波「白狼の習性かなんかなのかなぁ。」
星導「えぇ、、部屋入るなとか言ってましたっけ?」
伊波「言ってたよ!まぁ、サラッとだけど。理由は言ってなかったから、あれがなんなのかは分かんない。」
叢雲「明日問い詰めたるか。」
翌朝、なにごともなかったかのように小柳はリビングに入ってきた。
昨日のような姿ではなく、いつも通りの見慣れた姿だった。
先にリビングに集まっていた3人が小柳を凝視する。
小柳「あー、なんか頭痛ぇ。え、なに、すげぇ見てくるじゃん。」
伊波「こっちがなにだよ!昨日のあれ!なんだったの?!」
小柳「は?昨日の記憶なんて一切ねぇよ。言っただろ、部屋入んなって。」
叢雲「説明がたりんわ!なんやあれ!僕が蹴り飛ばさんかったらみんなお前に襲われとったで!」
小柳「俺を蹴ったのかよ。なにしてくれてんだ。どおりでまだ痛ぇのか。」
星導「説明してくださいよ。俺、こんなひどいことになってるんですから。」
星導は服のボタンを外して上半身の傷を見せつけた。
小柳は小さく「うわ、えぐ」と呟いた。
伊波「いやそれロウがやったんだよ。」
小柳「だから覚えてねぇんだよ。年に一度、あの日だけは記憶が飛ぶから、誰にも会わないようにしてたのに。入ってきたおまえが悪い。」
星導「ひどい!こんなに痛いのに!」
小柳「お前だって忘れてたんだから、文句言うなよ。」
星導「前日にサラッと言うのが悪いです!覚えてないって言えば許されるとか思わないでください!」
小柳「おまえは人のこと言える立場じゃないだろ!忘れ過ぎなんだよ、俺だって痛えよ。」
星導「ちょっと頭小突かれただけのくせに!」
小柳「違えわ。」
星導「もー!小柳くん意味わかんないです!」
小柳「うるせぇ。」
自分との全てを忘れられた身にもなってみろ。
絶対俺のが痛いだろ。
でも、星導の今の姿、俺のものって感じで気分悪くはないな。
ざまぁみろ。
コメント
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しましまねずみさんの描く小説ほんとに好き特に星導中心的に書いてる小説まじ好きです!!
大好きです(語彙力どこいった)
控えめに言って神ですね。控えめに言わなかったらまあなんかそれよりすごい人ですね(?)相変わらず私の口角を上げるのが得意ですね(*^^*)