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第4話
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イベントから数日後、静空はトラゾーさんからメッセージを受け取った。
『今度、日常組のみんなに紹介したいんだけど、都合はどう?』
と書かれている。
突然のことに驚きつつも、私は迷わず返事を送った。
『ぜひお願いします。でも、、、大丈夫かな?』
そして迎えた当日。
静空は指定されたカフェに向かい、心臓が高鳴るのを感じていた。
大好きな実況者グループと直接会う機会なんて、想像もしていなかった。
カフェの奥の個室に案内されると、
トラゾーさんと日常組のメンバー3人が楽しげに話している姿が目に入った。
扉を開ける音に気づき、全員がこちらを振り向く。
「おっ、来たね!」
トラゾーさんが笑顔で立ち上がり、静空を中に招き入れる。
「初めまして、瑠月静空です。いつも動画を楽しませてもらっています」
緊張しながらも頭を下げると、ぺいんとさんが最初に口を開いた。
「トラゾーの話してた”特別な人”って君のこと?!どんな人かと思ってたけどすごく落ち着いてるね!」
「ぺいんとさん、そんな言い方すると緊張しちゃいますよ!」
しにがみさんが軽く突っ込みを入れ、クロノアさんは静かに微笑みながら私を見つめた。
「確かに落ち着いてるけど、ちょっと緊張してるね。リラックスして大丈夫だよ」
トラゾーが静空の隣の席を引き、「ここに座って」と促す。
「皆、静空さんは最近偶然カフェで会ったんだ。それがきっかけでいろいろ話すようになって、今日紹介したいなと思って」
「ふ~ん、偶然?運命ってやつ?」
ぺいんとさんはからかうように言い、しにがみさんは笑いながら肩をすくめた。
「まあ、トラゾーが誰かを紹介したいなんて珍しいよな。それだけ大事な人ってことだろ?」
私の顔が一瞬赤くなったが、トラゾーさんは気にする素振りもなく笑って答えた。
「大事な友達だからね。それに、みんなとも話が合うと思ったんだ」
その後、会話は自然と進み、ゲームの話題や日常のエピソードに花が咲いた。
私は最初こそ緊張していたが、メンバーたちの明るくフレンドリーな雰囲気に次第に打ち解けていった。
「静空さん、仕事忙しいのにゲーム実況も見てるなんてすごいな!」
クロノアさんが感心したように言うと、私は少し照れながら答えた。
「忙しいからこそ、みなさんの動画が癒しになっていて、、、元気をもらっています」
その言葉に、全員が笑顔になった。トラゾーさんは私に目を向け、軽く頷く。
「ね、だから紹介したかったんだ。みんな、こうやって応援してくれる人がいるんだって改めてわかるだろ?」
「確かに。静空さんみたいなファンがいるなら、もっと頑張らないとですね!」
私は彼らの優しさに触れ、自然と笑顔になった。
この時間が特別なものであることを、心から感じていた。
next~第5話
【心の距離】