登場人物一覧
真島俊(29)…警衛隊西日本方面本部長内班副班長 主人公
沖琉太(26)…警衛隊西日本方面本部長内班所属隊員
長内貴也(37)…警衛隊西日本方面本部長内班班長
赤木龍一(18)…警衛隊西日本方面本部長内班所属隊員
倉木勇也(35)…警衛隊西日本方面本部長内班狙撃主任
荻行憲(52)…警衛隊西日本方面本部2代目統括官
「本部から連絡があった、赤木の件だ」朝から荻は、長内を統括官室に呼び出した。
「赤木の件ですか?」
「最高統括本部に警察庁から赤木の身柄引渡し要請が来たらしくてな。赤木って何者なんだ?」
「亜連を倒すために武装組織を作ったらしいです。民間軍事会社の設立など警察からは、かなり目をつけられたらしくて」
「そうか、厄介だな。」
「と言いますと?」
「お前の考えを聞きたい。赤木の身柄をどうするかについてだ。お前の率直な意見が聞きたい」
「今、我が班は、戦力不足に陥ってます。射撃力、体力、全てに置いて我々の想像を遥かに超えてきてます。」
「そうか、となると警察庁の要請には従えないという事か」
「警察との対立ですか?」
「このままだとそうなるな。警察と対立となると日本国内の治安維持も困難になりそうだが、まーいいだろ。お前の意見を尊重する」
「ありがとうございます!!」その頃、長内班では、研修できていたまだ教育課程の隊員候補生らに訓練を見せていた。副班長の真島が指揮を取りながら、ヘリからの降下で立てこもりを想定した建物に突入し、犯人確保までの訓練だ。「おい、真島こんな事して何になるんだ?」公開訓練に参加を表明しなかった赤木が聞いた。「俺もよくわかんねーけど、なんか教育課程を終えた後の姿を見せてるとかじゃない?」
「ふーん、しょうもねー事に時間と金を使うんだな」赤木はゆっくりとその場から去って行った。その日の夜トレーニングルームで筋トレをしていた赤木のもとにスーツを着た男達がやってきた。
「赤木龍一だな」
「あ?」「最高統括本部総監室の者だ、今からお前を最高統括本部にて拘束する」
「何言ってんだ?俺を拘束だと?」
「連れて行け」上司らしき男に言われ後ろにいた男達は赤木に近づいた。
「そんな簡単に捕まると思うか?」赤木は、近づいてきた男達を次々に倒していった。
「噂通り身体能力がずば抜けているな」そう言うと男は、赤木に拳銃を向けた。
「それ以上動いたら、命無くなるぜ」
「おもしれーな笑殺してみろよ」そう言うと赤木は、両手をあげた。次の瞬間男は拳銃を持ち替えた。その一瞬を見逃さなかった赤木は、男の腕を掴み腕を持ち上げるとみぞおちに膝蹴りを入れた。
「ぐはっ…」倒れた男の上にしゃがみこむと今度は男の頭を持ち上げた。
「次俺と戦う時は死ぬ気で来い」そう言うと赤木は、男に手錠をかけその場から逃走した。翌朝朝の点呼に赤木の姿がないのを不審に思った長内は、統括官室に向かった。
「荻さん、赤木の姿が無いのですが」
「赤木なら昨日本部の総監室のメンバーに暴行をふるって逃亡した。今警察と警衛本部が全力で彼を捜索してるらしい」
「そんな…」
「長内、なぜそこまで赤木にこだわる?」
「自分の班の戦力の底上げのためです」
「とにかく、これ以上赤木を追うな」そう言うと荻は部屋から出て行った。長内は部屋から出ると真島に電話をかけた。
「おー真島か?今からメンバーを第1グラウンドに集めてくれ、話がある」電話を切ると長内はグラウンドに向かった。その頃、赤木は、逃げる宛もなく走り続けていた。警察からは既に指名手配犯として名前と顔が公開され、警衛からは、寮に置いてあった私物が全て持っていかれた。俺はいつもこうだ。最後は1人となる。仲間なんていない。いつも孤独だ。
「我々はこれより赤木の捜索を始める。見つけ次第すぐに保護だ」長内はメンバーらを前に声を張り上げた。
「班長、いくらなんでもそれはやばいですよ、赤木を保護したら俺ら警察と警衛上層部を敵に回す事になるんですよ」沖が言った。
「それでもいい。彼は大切な戦力いや仲間だ。俺はあいつと約束した。亜連を倒すと、あいつの決意は本物だった。」
「俺は賛成です。あいつ使えそうだし笑」真島が言った。
「まだあいつに勝ててねーからな、絶対探し出してボコボコにしてやるよ」倉木が言った。「じゃあ俺も探すしかないのか…」そう言うと沖は空を見上げた。同日午後2時長内班は赤木の捜索を開始した。その頃、最高統括本部では、赤木の身柄拘束についての緊急会議が行われていた。
「総統、赤木龍一彼を拘束したらどうされるおつもりですか?」総統秘書官の室口翔平が聞いた。
「そうだな笑彼は10年前の亜連の抗争の目撃者だ、あの時何人か民間人が巻き込まれた。その民間人の中で唯一生き残ったのが彼だ。殺し損ねたな」総統の話に室口は、耳を疑った。
「殺し損ねた?と言いますと?」
「お前は俺の右腕だ。教えてやろ」そう言うと総統は、ゆっくりと話し出した。話を聞いた室口は思わず目を見開いた。
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