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「「「さようならあっ!!!!!!」」」
紗奈「凜〜帰ろっ〜!!」
気が付いたら終礼は終わっていて、クラスメイト全員が挨拶と同時に教室を出て行く。
そんな中真っ先に紗奈がそう声をかけながら私の席へと寄ってきてくれて、それに続いて彩葉と雫も自然とこちらへと寄ってくる。
私は引き出しの中に入れっぱなしだった6限目の英語の教科書とファイル、ノートを取り出す。
『あ〜……ごめんっ!!今日放課後は予定あってさ、、一緒に帰れそうにないや…。』
彩葉「え〜まじ?!どうした?病院とか?」
『いや、別に体調は全く関係ないから大丈夫だよ。』
雫「毎週木曜日は予定ある感じかな?」
『ううんっ!!今日だけ!!ちょっと色々あってね…ほんとにごめんね!明日は一緒に帰ろ!!』
すぐに心配そうな目で3人とも声をかけてくれるから、凄く申し訳ない……
私の言葉に紗奈が「そっか!!じゃあ明日からは絶対一緒に帰ろうね!」と約束をしてきて、私は自分の小指と紗奈の小指絡めた。
そしてそのまま3人は仲良く教室から出て行き、最後まで私に手を振ってくれた。
私は教室を出る前に、最後にもう一回、と思って引き出しに忘れ物がないかを確認して教室から出た。
『(えっと…一旦英語のものをロッカーにしまって……っと、。)』
私は4段ずつあるロッカーのうち、上から2段目…右から2列目の自分のロッカーを開けて、ロッカー内にある1つの白い収納ボックスに英語のものを全て入れた。
教科書とノート、ファイルはある程度まとまってるけど…体育着とかは一応袋には入れているものの、右側の余ったスペースに突っ込んでるだけだからか、少し全体として見栄えが悪くなってしまっている。
…時間がある日にロッカーの整理しないと、、まだ学校始まって2日目なのにっ!!!
こういう所でも私の悪い所が少しずつ出てきてるなぁっ〜…直さないと。
?「凜。」
『……んっ?』
そんなことを考えながらロッカーの扉を閉めた瞬間。
丁度タイミング良く聞き慣れた声で名前を呼ばれた。
私はその声を聞いて下に置いていたバッグを肩にかけてから、声が聞こえきた方へと振り返った。
影山「体育館、行くぞ。」
そして予想通りに、そこには飛雄が立っていた。
『飛雄!!タイミングピッタリだねっ〜!3組も終礼終わった?』
影山「おぅ。」
飛雄が「体育館に行く」と言っていたのを聞いて、やっぱりか…と思いながらも、仕方なくそのまま足を体育館の方へと進めた。
自然とそのまま飛雄と2人並んで校舎の廊下を歩いて行く。
『…てか飛雄、体育館の場所わかってる?』
影山「………」
『…っ、はぁ…ったく、高校生になってもその方向音痴は変わんないんだねっ』
影山「…今日覚える。」
『ほんっと…バレー部入るなら絶対覚えてよね?私毎日3組になんて迎えに行けないからね?』
影山「わぁってるよ…。」
…その返事はほんとに信じていいのかな、?
中学の時からだけど、ほんっとに飛雄は「どうして?」っていつも聞きたくなるたびに方向音痴だ。
高校生にもなったんだから、1人でもう自由に色んな所を行き来できるようになってほしい…というか学校内ならよっぽど、絶対に覚えてほしい。
…これは私の願望じゃなくて、普通に飛雄のためになんだけど、、。
影山「…お前、ほんとにマネージャーなってくれんのか?」
『…うん。その気だけど、今更?』
影山「いや…俺から願っといてあれだけど、無理はしないでほしい…ってか…。」
『もうっ〜ほんとだよ!!自分から言っといてそんなの今更言われてもやめれないでしょ?!』
『それに………ちょっとは、興味まだあったから…いいよ。』
影山「っ、!!ほんとかっ?!?!ならもう一回凜のプレーっ、!!!!」
『それは無理。…話が違うでしょ。』
影山「……」
無茶なお願いを急にしてくる飛雄に私は断るしかなかった。
…なにを今更無理な話、、あれだけやらないって言ったのに。
……でも、飛雄がそんなにも私のプレーを見たいって思ってなかったから…少しは嬉しい。
そしてその話題から話が切り替わり、そのまま他愛のない話を続けながら廊下を歩いていたら、気が付いたら体育館の大きな扉の前に立っていた。
『…扉大きいね。こんなもんだっけ、?』
影山「おぅ。どこもこれくらいだよ。」
『……そっか。』
私が部活から離れていたからか、最近全くバレーに触れていなかったからか、わからないけど、私の目の前にある扉はすごく大きく見えて、それはまるで私の目の前に立ちはだかる大きな壁のようだった。
『…よっと、!…開いてるね。』
影山「おう。」
てっきり体育館だし鍵とかがかかってるかと思ったから、あっさり開いてくれて助かった。
私と飛雄はそのまま体育館に足を踏み入れて、飛雄はそのままボールを探しに、私は飛雄のバッグを預かった。
そして私は飛雄と自分のバッグを体育館の端の方に持って行って、2つ並べて床へと置いた。
影山「凜、打って。」
『ええっ、私が?!』
影山「おぅ。別にいいだろ、トスじゃねぇし。」
『…ったく、……わかったよ。』
私はどうも断ることができなくて、仕方なくアタックラインより少し手前の方に立つ。
そして飛雄はそのままセッターの位置にボールを持ちながら立っている。
…はぁ、来てそうそうボールを打つ羽目になるとは、、。
『私がレシーブすればいいね?』
影山「おう。」
『…はい、ボール投げていいよ。』
私がそう言うと、飛雄は山なりのレシーブしやすボールを投げてきてくれた。
…久しぶりにバレーボールをこんなにも近くで見た。
私はそのまま来たボールを綺麗な面をつくって、飛雄が立っている位置へと上げた。
そしてそのまま飛雄が綺麗なトスを上げて…
トンッ…ドドンッ
影山「、!!ナイスキー…!」
綺麗な強打を打てた。
『…飛雄、またトスの精度上げた?流石だねっ。』
影山「…おうっ、!!…てか、お前こんなに打てるならアタッカーとしてバレー、もう一回…!」
『…だから、無理って言ってるでしょ。』
影山「…」
別に飛雄をガッカリさせたいわけでもないから、もう同じことの繰り返しだしその話はあまりしたくない。
…けど、久しぶりにバレーボールに触れたこの感覚は、あまりにも幸せで、新鮮で。
『…飛雄、もう一本、!!』
影山「…!、おうっ、!」
あとちょっとだけでも、味わっておきたい。
そう感じさせるものだった。
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